
緊迫感の漂う刑事ドラマにおいて、仲間の裏切りや寝返りは視聴者に衝撃が走る。15年にわたって放送されている人気ドラマシリーズ「絶対零度」は、現在、シリーズ5にあたる沢口靖子主演「絶対零度~情報犯罪緊急捜査~」(毎週月曜夜9:00-9:54、フジテレビ系)が放送中。「絶対零度」は主人公を中心とした捜査班の熱いチームワークも見どころのひとつだ。前シリーズの2020年放送の沢村一樹主演「絶対零度~未然犯罪潜入捜査~」はFOD・TVerで第1話をはじめ順次無料公開されている。「未然犯罪捜査班」(通称・ミハン)の統括責任者・香坂(水野美紀)が射殺されてしまう第8・9話を紹介する。
■警察内でミハンが犯罪に関わっていると疑われる
今作は、日本全国の防犯カメラ映像、メール、電話、SNSの通信履歴など、あらゆるビッグデータを解析して割り出された“未来の犯罪者”を潜入・追跡捜査し、犯罪を未然に防ぐミハンの活躍を描く刑事ドラマ。
第8話。ミハンが探知していたものの、捜査できていなかった危険人物が複数失踪していた。井沢(沢村)たちの元へやってきた公安部部長の曽根崎(浜田学)は、かつて、法で裁けない犯罪者を闇に葬っていたミハン捜査員の話を持ち出し、その役目が引き継がれていると指摘する。凶悪犯が拉致されたのちに殺害され、ミハンメンバーの誰かが一連の連続失踪事件に関わっているのではないかと、まるで井沢が犯人だと言わんばかりの口ぶりで話す曽根崎。それに対して香坂(水野)は、ミハンメンバーの中に殺人者がいないことを証明するために真相を突き止める、と宣言する。
■テロの危険が心配される中、香坂が失踪する
続く第9話。東京サミットを狙った爆弾テロの可能性が浮上する中、香坂が突然姿を消した。井沢は、香坂の端末にテロに関するデータが残されていることを知る。だが、山内(横山裕)らは、ミハンの法制化を願っていた香坂がテロに関わっていることなど信じられるはずもなかった。
井沢は、香坂の過去―26年前に映画館で神経ガスを撒いて多くの死傷者を出した男が香坂の父親であること、事件の数年前に両親が離婚し、香坂は法務省の官僚と再婚した母親に引き取られたことを山内たちに打ち明ける。実は香坂には弟がいたが、父親の凶行に巻き込まれていた。その際、香坂の弟は奇跡的に一命をとりとめたものの、激しいバッシングに絶望し自殺していた。弟への贖罪(しょくざい)と、殺人者の娘という十字架を背負って生きてきた香坂がテロを起こすはずがない。しかし、なぜ香坂はミハンを頼らず、1人で行ってしまったのかと一同は頭を抱える。
■香坂が直後に殉職…涙に濡れた別れのキス
井沢は、香坂の弟が生きていると気付き、香坂の居場所を突き止める。香坂と対峙した井沢は「あなたには生きていてもらわないと困るんだ。1人で抱えないでほしい」と語りかけ近づくが、目に涙を溜めた香坂から銃口を向けられてしまう。香坂は乱暴に井沢の唇を奪ってキスで口を封じて「あなたに出会わなければよかった」と一言残したあとでみぞおちをなぐり去っていった。
その後、1人になった井沢がドスンという物音を聞いて駆けつけると、香坂が胸から血を流し倒れていた。井沢は「大丈夫、大丈夫、大丈夫!」と息絶えぬよう声をかけ続けたが、香坂は絶命してしまうのである。
この衝撃的な悲劇には放送当時も「今のキス切なすぎる!!!」「えっ…香坂さんと井沢さんの関係良かったのに」「香坂さんロスだよこんなの」とSNSが騒然となった。ここからラストまで、井沢は悲しみと憤りが混ざった感情を抱きながらミハンの存続と犯罪のない世界を願い駆け抜けていく。

