インフルエンザは家庭内での感染リスクがある病気のひとつです。家族の誰かが発症すると「いつうつるのか?」「どのくらいの確率で感染するのか?」と不安に感じる方もいるでしょう。
本記事ではインフルエンザの家族感染は何日後に発症するのかについて以下の点を中心にご紹介します。
インフルエンザの感染経路や感染力とは
インフルエンザの家族感染は何日後に発症するのかについて理解するためにもご参考いただけますと幸いです。ぜひ最後までお読みください。
※この記事はメディカルドックにて『「インフルエンザの家族感染は何日後」に発症するかご存知ですか?【医師監修】』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

監修医師:
本多 洋介(Myクリニック本多内科医院)
群馬大学医学部卒業。その後、伊勢崎市民病院、群馬県立心臓血管センター、済生会横浜市東部病院で循環器内科医として経験を積む。現在は「Myクリニック本多内科医院」院長。日本内科学会総合内科専門医、日本循環器学会専門医、日本心血管インターベンション治療学会専門医。
インフルエンザの感染経路と感染力

インフルエンザの感染経路を教えてください
インフルエンザは主に2つの経路で人から人へと広がります。それぞれの感染経路と、その対策について説明します。●飛沫感染
インフルエンザの感染経路としてよく挙げられるのが、飛沫感染です。感染者が咳やくしゃみをすると、ウイルスを含んだ小さな飛沫が空気中に飛び散り、それを別の方が吸い込むことで感染します。
飛沫は意外に遠くまで飛ぶことがわかっており、通常の会話で約1m、咳で約3m、くしゃみでは最大5mも飛ぶことがあります。また、1回の咳で10万個以上、くしゃみでは約200万個の飛沫が放出されるといわれています。
飛沫の拡散を防ぐためには、不織布マスクの着用がおすすめです。不織布マスクを適切に着用すると、飛沫の放出量を約20%、吸い込む量を約30%に抑えられるようです。インフルエンザの流行時には、人が多い場所でのマスク着用を心がけましょう。
●接触感染
もう一つの感染経路が接触感染です。これは、感染者の唾液や鼻水が手に付着し、その手で触れた物(ドアノブ、つり革、手すりなど)にウイルスが残り、ほかの方がそれに触れることで感染するというものです。
例えば、ウイルスが付着した手で食べ物を触ったり、目・鼻・口をこすったりすると、ウイルスが粘膜から体内に侵入してしまいます。ただし、手にウイルスが付着しただけではすぐに感染するわけではなく、手洗いやうがいを徹底することで感染リスクを減らすことが可能とされているようです。ゆh
インフルエンザの潜伏期間を教えてください
インフルエンザは感染後すぐに症状が出るわけではなく、1〜5日程度の潜伏期間を経て発症します。発症直後から3日間はウイルスの排出量が多く、感染力が強いとされています。この期間は個人差があり、感染してもすぐに症状が現れないことがあります。
インフルエンザの潜伏期間は感染力がありますか?
潜伏期間を経て症状が現れますが、その間にウイルスは体内で増殖を始めています。自覚症状がない状態でも、すでに周囲にウイルスを広げてしまう可能性があるため、流行シーズンは日頃から予防対策を徹底することが大切です。
インフルエンザ発症後のピークはいつですか?
インフルエンザの発症後は症状が急激に悪化し、高熱が続く3日目までがピークとなります。この期間は、38度以上の高熱が続き、強い倦怠感や全身の筋肉痛が現れやすいため、無理をせずしっかりと安静にすることが大切です。
症状の急速な悪化によって、食欲が落ちたり、水分補給が困難になったりすることがあるため、できるだけ体に負担をかけないよう、こまめに水分を摂ることを意識しましょう。
また、体力の消耗が激しくなる時期でもあるため、無理をすると回復が遅れ、日常生活への復帰が難しくなることがあります。
編集部まとめ

ここまでインフルエンザの家族感染は何日後に発症するのかについてお伝えしてきました。インフルエンザの家族感染は何日後に発症するのかの要点をまとめると以下のとおりです。
インフルエンザは飛沫感染と接触感染の2つの感染経路がある
インフルエンザの発症後は症状が急激に悪化し、高熱が続く3日目までがピーク
インフルエンザが家族に感染しないためには、こまめな手洗いを徹底する、咳エチケットを守る、換気と加湿を行うことなどが大切
インフルエンザは家族内で広がりやすい感染症ですが、適切な対策をとることでリスクを軽減できます。大切な家族の健康を守るためにも、手洗い・マスク・換気を徹底し、免疫力を高める生活習慣を意識しましょう。
これらの情報が少しでも皆さまのお役に立てば幸いです。最後までお読みいただき、ありがとうございました。
参考文献
インフルエンザとは|NIID国立感染症研究所

