頬をつたう涙と、優しい子どもたち
しん…と静まり返るリビング。子どもたちがこっちを見ている。
「それ、ナナコしか育ててないチサトに言われたくない」
私の言い分はもう、止まらなかった。
「ナツミ…。でも…」
「うちの子たちは手がかかるけどみんな元気でいい子。愛情不足なんて言い方しないで」
チサトは口を開いたまま、言葉を飲み込んだ。ゲームの効果音だけが、広くはない部屋に妙に響いている。
「ごめんね、今日は帰るよ」
オロオロするナナコちゃんを連れて、チサトは足早にわが家を出て行った。
「ママ、ママ」
ミリが不安そうにやってきた。
「ママ、チーちゃんとケンカしちゃった?」
ユウキが心配そうに私の顔をのぞき込む。
「ケンカしちゃった…」
と答えると、カンタが「ポテチ食って元気だせ」と言ってくれた。
そのとき私は、自分が泣いていることに気づいた―――。
あとがき:ついに表に出てしまった、ワーママと専業主婦のすれ違い
ずっと心にひっかかっていたことが、ある日ついにあふれ出してしまいました。チサトさんとのすれ違いは、いつしか「溝」となってしまっていたのです。
でも、心配する子どもたちと口いっぱいに押し込まれたポテトチップスが教えてくれています。ナツミさんが、ちゃんと「お母さん」であることを。
※このお話は、ママリに寄せられた体験談をもとに編集部が再構成しています。個人が特定されないよう、内容や表現を変更・編集しています
記事作成: 光永絵里
(配信元: ママリ)

