逆流性食道炎の患者さんが増えてきているのだそうです。この疾患は、予防や早期発見が重要で、進行してしまうとがんに繋がるリスクもあるのです。今回は逆流性食道炎の合併症について、鈴木謙一先生(横浜ベイクォーター内科・消化器内視鏡クリニック横浜駅院)に聞きました。

監修医師:
鈴木 謙一(横浜ベイクォーター内科・消化器内視鏡クリニック 横浜駅院)
埼玉医科大学医学部卒業後、東京女子医科大学病院や昭和大学横浜市北部病院消化器センターなどで経験を積み、2024年に横浜ベイクォーター内科・消化器内視鏡クリニック横浜駅院を開院、院長となる。日本消化器病学会認定消化器病専門医、日本消化器内視鏡学会認定消化器内視鏡専門医、日本消化管学会認定胃腸科専門医、日本内科学会認定認定内科医、日本消化器内視鏡学会認定上部消化管内視鏡スクリーニング認定医・大腸内視鏡スクリーニング認定医、日本ヘリコバクター学会認定H.pylori(ピロリ菌)感染症認定医。
編集部
逆流性食道炎を放置しておくとどうなりますか?
鈴木先生
逆流性食道炎が自然に治ることはなく、放置しておくと胸焼けや飲み込みにくさなどで食事が取りにくくなってきます。その結果、胃痛や吐き気、体重減少などが起こります。逆流した胃酸でむせてしまい、不眠になったり、時には喘息になったりするケースも見られます。また、口臭が出てくることもあります。
編集部
さまざまな症状が起こるのですね。
鈴木先生
それだけではありません。食道に胃酸が逆流し続けることで、食道の粘膜が胃の粘膜に置き換わるという現象が起こります。このようになった部分は「バレット食道」と呼ばれ、ここから食道がん(バレット腺がん)が発生します。
編集部
がんが発生してしまうのですか?
鈴木先生
そうです。バレット食道から食道がんになる確率は、1年間で約0.5%といわれており、決して高い数値ではありません。しかし、経過が長くなるとそれだけ発生率は上がりますし、またバレット食道の面積が大きくなればなるほど、がんの発生リスクが高くなることもわかっています。
※この記事はMedical DOCにて<逆流性食道炎を予防するポイント 「やってはいけないこと」とは?【がん化リスクも】>と題して公開した記事を再編集して配信しており、内容はその取材時のものです。
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