Q5. 新人さんに「アセスメントを読む大切さ」はどう伝えていますか?
「その人を知らずに介助はできない」と伝えています。
介護は“人と人”の仕事。
身体的な介助だけでなく、その人の生活歴や性格、好きなこと・嫌いなことを理解することが、安心できるケアにつながります。

アセスメントには、以下のような重要な情報が書かれています。
・身体状況(麻痺・疼痛・既往歴など)
・生活習慣(起床・就寝リズム、排泄・食事パターン)
・認知症の有無やBPSDの傾向
・家族構成や介護方針
・好きなこと・避けてほしいこと
たとえば、「朝はコーヒーを飲む習慣がある」と知っていれば、何気ない一言や声かけで距離が縮まることがあります。
また、「右半身に麻痺がある」と知らずに移乗介助をしてしまえば、命に関わる事故や苦痛を与えるリスクもあります。
だからこそ、新人さんには「アセスメントを読んでから動こう」と伝えています。
あせて読みたいコラム:「この人らしさ」を大切に。定時ケアの中に個別ケアを取り入れるには
Q6. 認知症の方と関わるときに、新人さんにどんなことを伝えていますか?
「正しさよりも共感することが大切」と伝えています。

認知症の方は、記憶や判断力が低下しているだけでなく、不安や混乱を感じていることも多くあります。
そんなときに、「違いますよ」「今は○時ですよ」など、正論で返すと余計に混乱を招いてしまいます。
だからこそ、新人さんにはまず、
・否定せずに受け止める(共感)
・焦らず、ゆっくりと話す(安心感)
・記憶よりも「今この瞬間の気持ち」に寄り添う
この3つを意識してもらっています。

