
コミックの映像化や、ドラマのコミカライズなどが多い今、エンタメ好きとしてチェックしておきたいホットなマンガ情報をお届けする「ザテレビジョンマンガ部」。今回は、サイト「サンデーうぇぶり」で掲載中の漫画『私と脱出しませんか?』(小学館刊)を紹介する。作者のヨウハさんが、8月23日に「美少女に体育倉庫に閉じ込められた」と添えてX(旧Twitter)に本作を投稿したところ、1.8万件を超える「いいね」やコメントが多数寄せられた。本記事では、ヨウハさんにインタビューを行い、創作の裏側やこだわりについて語ってもらった。
■体育倉庫に閉じ込められ、始まったのは『リアル脱出ゲーム』

常深はクラスメイトの綴野がリアル脱出ゲームのマニアであることを知り、一緒にリアル脱出ゲームを楽しむ“謎友達”となった。ある日、綴野と体育倉庫へ道具を片付けに来た常深。しかし彼女に体育倉庫に閉じ込められリアル脱出ゲームをすることに。
体育倉庫の中にはスペアキーがあるが、悪用防止のために謎を解かないと場所が分からない。そう告げた綴野は、謎を記した紙が貼られている掲示板を指した。常深は綴野が用意したその紙を見て答えを導き出すが、答えに違和感を抱いた常深はまだ謎解きが終わっていないことに気づき…。
この“謎友達”の2人を描いた漫画を読んだ人たちからは、「こんな掴みが強い導入あるんだ」「思わぬ切り口の漫画だった」「これは謎解き好きになりますわ」「末永く脱出してほしい」など、多くのコメントが寄せられている。
■珠玉の“謎”を生み出して物語を彩る

――本作のお話の発想の源はどこだったのでしょうか?
もともとリアル脱出ゲームが好きで、「脱出ゲームをテーマにした漫画を描いてみないか?」と担当編集さんに打診されたのがきっかけです。
――本作では、綴野が冒頭で勢いよく扉を閉めて語り出す導入が非常に印象的でした。本作を描いたうえで「こだわった点」あるいは「ここに注目してほしい!」というポイントがあればお教えください。
そもそもこの体育倉庫の話は単行本1巻発売時の宣伝用に少年サンデー本誌に描き下ろした短編でした。少ないページ数の中で主人公とヒロインのキャラクター性、そして脱出ゲームとはどんなものなのかを端的に伝える必要がありとにかくその2点にこだわって制作しました。
――本作に登場した謎解きは、回答がわかると非常にスッキリとするものになっているようにお見受けします。謎解きは、ヨウハさんご自身でお考えになられておられるのでしょうか?
はい。今回の短編だけでなく、『私と脱出しませんか?(全8巻)』の本編の謎を全て自分で制作しております。漫画の内容のネタ切れよりも、謎解き制作のネタ切れの方が常に怖かったです…(笑)。
――特に気に入っているシーンやセリフがあれば、理由と共にお教えください。
お台場を舞台に周遊型の謎解きをする単行本第4巻のラストの展開が特に気に入っています。これから単行本を読まれる方はとりあえず4巻までは読んでいただきたいです…(笑)!
――ストーリーを考えるうえで気をつけていることや意識していることなどについてお教えください。
『私と脱出しませんか?』では特に読者ファーストを意識して「分かりづらいところはないか?」「説明は足りているか?」を意識しながら描きました。あと、自分の作品はとにかく楽しい気持ちで読んで欲しいと常に考えて制作しています。
――今後の展望や目標をお教えください。
作品はすでに完結しておりますが、『私と脱出しませんか?』を通して有り難いことに謎解きのお仕事もいただいていまして、 9月20日(土)、21日(日)、東京タワーで開催される「NAZOTOKI EXPO 2025」という謎解きイベントにて『モキュリムきいパーいたずらっ子捕獲作戦』というゲーム制作に主にキャラクター・イラスト周りで関わらせていただいています。もしご興味のある方はぜひ足をお運びください。 漫画家としてもまだまだ色々な作品にチャレンジしていきたいと思っています。次作の発表はもう少し先になるかと思いますが、気長に応援いただけますと幸いです。

