「白血病の主な3つの症状」はご存知ですか?医師が解説!

「白血病の主な3つの症状」はご存知ですか?医師が解説!

白血病の症状とは?メディカルドック監修医が解説します。気になる症状がある場合は迷わず病院を受診してください。

※この記事はメディカルドックにて『「白血病の主な3つの症状」はご存知ですか?前兆となる初期症状も医師が解説!』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

今村 英利

監修医師:
今村 英利(タイムルクリニック)

2009年新疆医科大学を卒業し、中国医師免許を取得。2019年に日本医師免許を取得。神戸大学大学院(腫瘍・血液内科学講座)にて血液悪性腫瘍の研究に従事。2019年に日本医師免許と医学博士号を取得。赤穂市民病院、亀田総合病院、新宿アイランド内科クリニック院長、在宅医療(訪問診療)などを歴任後、2024年9月タイムルクリニックに院長として着任。現在は、内科・皮膚科全般の疾患を幅広く診療している。

「白血病」とは?

白血病とは、造血幹細胞という赤血球、白血球、血小板の元となる細胞が、それぞれに分化する途中でがん化したものをいいます。白血球は3つに分類され、そのなかでもさらに分類されるため、どの段階の白血球ががん化しているかによって名前が異なります。

白血病の種類

白血病は大きくわけると急性、慢性の2種類があり、さらに骨髄性かリンパ性の2種類にわかれます。

・急性骨髄性白血病

・急性リンパ性白血病

・慢性骨髄性白血病

・慢性リンパ性白血病

まずは、4種類の白血病の特徴をお伝えします。

急性骨髄性白血病(AML)

急性骨髄性白血病は、本来は骨髄系の細胞になるはずの未熟な細胞がわけもなく増殖した状態です。白血病細胞が増加すると正常な造血機能ができなくなるので、正常な赤血球が減少し、疲れやすさや息切れなどの貧血症状が出現します。正常な血小板も減少するため、歯肉出血や鼻血などがみられます。正常な白血球もないために感染しやすくなります。病期が進むと倦怠感が強くなり、抵抗力が低下し重篤な感染症にかかりやすくなります。

急性リンパ性白血病(ALL)

白血球のひとつであるリンパ球が、リンパ球になる前にがん化したものを急性リンパ性白血病といいます。リンパ節の腫れや関節痛をともない、脳や脊髄といった中枢神経にも影響を及ぼします。中枢神経にも影響すると、貧血症状、出血、発熱だけではなく頭痛や吐き気といった症状も出現するのです。

慢性骨髄性白血病(CML)

慢性骨髄性白血病は、血液を作りだす元となる造血幹細胞ががん化し、顆粒球、赤芽球、骨髄芽球が著しく増殖する病気です。血液検査や骨髄検査でがん細胞は発見されますが、初期の段階では無症状であり、急性転化という悪化してから発見されることが多い病気でもあります。
異常なチロシンキナーゼたんぱくが増加するため体内で白血病細胞が増え続け、正常な造血障害を起こし、染色体検査ではフィラデルフィア染色体が発見されることが特徴です。

慢性リンパ性白血病(CLL)

リンパ球のひとつであるBリンパ球ががん化することで起こるのが、慢性リンパ性白血病です。検査では異常なBリンパ球が増加し、リンパ節や肝臓、脾臓でも見つけられます。そのため、進行するとリンパ節、肝臓や脾臓の腫脹がみられます。
高齢者に多いのですが日本では少ないことが特徴で、慢性骨髄性白血病と同じく急性転化という悪化した状態で発見されることが多い病気です。

配信元: Medical DOC

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