中高年の農業バイトなんて絶対に無理
「次に狙うとしたら、飲食、それも洗い場などの裏方かな。これも立ちっぱなしでしょうから、3時間程度が限度ですね」
「身の程を知る」というのが森さんのスキマバイトで得た教訓だと笑う。テレビなどでは、中高年のリゾートバイトや農業バイトも人気だと言っているが、疑問を呈する。
「1週間とか1カ月とか、観光地のホテルなどに住み込んで、日中は仕事をしてあとは観光、と良いことずくめのように報道されていますが、本当かなと思います。宿の掃除も、布団の上げ下ろしやベッドメイクなども、かなり重労働でしょう。リゾートバイトと言っても、結局は肉体労働。それを何時間もやって、あとは優雅に観光する体力なんて残っていないと思います。ましてや、農業バイトなんて絶対に無理。それに私は最近耳も遠くなってきて、若い人に早口でいろいろ指示されても聞き取れないことが増えてきました。もし体力があっても、耳が聞こえないとどんな仕事も難しいでしょう」
1周回って、森さんは結局自分にできるのはせいぜい有償ボランティアなのではないかと思うようになった。今の自分の能力は所詮「時給400円」がいいところなのだと。
70代もザラにいる政治家、発言に妙に納得
人生100年時代と言うが、結局は健康な体と体力があってこそだと、改めて思うのだ。「ヨロヨロ・ドタリ」期の「ヨロヨロ」は、案外すぐそこに来ているのかもしれない。
そして、70代、80代もザラにいる政治家はどうなっているんだと不思議でならない。先ごろの参院選では、40度近い激暑のなか、森さんよりも高齢の候補者や党幹部が炎天下、演説をする姿に「よく倒れないものだ」と舌を巻いた。
そして、「こんな人たちなら、スキマバイトも難なくこなせるんだろうな」「こんな人たちだから、年金受給を先に延ばすとか、働ける限りは働けとか言えるんだろう」などと妙に納得したのだ。

