
和田雅成と高橋大翔がW主演を務めるドラマ「あなたを殺す旅」が、FODで全話好評独占配信中。これまで無表情で口数も少なかった小田島の片岡へのただならぬ思いを知り、胸が苦しく涙が止まらなくなった。本記事では“小田島回”とも言える第5話の見どころを紹介する。(以下、作品のネタバレを含みます)
■「あなたを殺す旅」とは?
本作の原作は、BLジャンルの中でも根強い人気を誇るヤクザBLとなっている浅井西が手掛ける同名漫画。多くの組員から愛される若頭・片岡と密命を背負う組員・小田島のひりつくような愛を活写。片岡を和田が、小田島を高橋が演じている。
物語は、仁義を重んじて侠気のある若頭・片岡がとある騒動の責任を取る形で、組長の実子・桐井(遊屋慎太郎)から「ほとぼりが冷めるまで身を隠せ」と命じられた、行方をくらます旅から始まる。片岡の世話役に任命された小田島は、実は桐井から片岡を「殺せ」と厳命されており、親友・朝日(堀海登)を片岡のせいで亡くした恨みを持っていた。

■小田島の片岡へのただならぬ思いが判明する第5話
第5話では組長の座が誰に譲られるのかが描かれる。三代目組長・桐井清三(工藤俊作)の葬儀で妻・京華(小沢真珠)が遺言状を開こうとしたとき、刺客が現れて片岡を狙う。小田島がかばおうとするが、片岡は銃弾を受けてしまう。騒動の後、片岡が跡目となると思いこんでいた桐井は遺言状を見てがく然とし、片岡と三代目の関係の真実を知ることに。
第5話での見どころは、まず刺客が三代目組長の葬儀で片岡を襲撃する一連のシーン。片岡を指した刺客が今度は拳銃で狙ってくる。そばにいた小田島は死んだ朝日がそうしたように自然と体が動き、片岡を守るために拳銃の前に立ちはだかる。片岡のために体を張る朝日と小田島が重なって見え、片岡に魅了された人間として至極当然のように諦観に満ちた表情で身を呈する姿は、尊くて心が震える。
しかし、次の瞬間そんな小田島を逆にかばって片岡の方が撃たれてしまう。小田島は取り乱して「なんで俺をかばったんですか?」と聞くと、「守んねぇとな。お前、俺の恋女房なんだから」といつものように冗談めかして苦笑する片岡。そして、小田島に静かにキスし、「そういや、キス、初めてだ」とかすれた声で告げて片岡は力尽きる。
見ていて涙が流れて止まらなくなる。口から血を流して唇を真っ赤に染めた片岡は、ゾッとするほど美しく、普段は冷静な小田島が動揺する姿は悲痛で、胸がギュッと苦しくなってしまう。前回の“指キス”と同様にこの“流血キス”も完成披露試写会で話題となったポイントで色っぽくも切なくて必見だ。
そして、この後、三代目の遺言状から跡目が判明し、片岡が撃たれる必要があったのかとむなしくなる。さらに、小田島は片岡の命を案じながら片岡との日々を思い出し、涙を流す。小田島の中でどんどんと片岡との思い出が溢れてくるのが伝わってきて、こちらの涙も次々に溢れてくる。
加えて、小田島から「死なないでください。あなたは、俺の生きる意味なんです」という重い言葉が語られて号泣必至。生まれる必要がなかったと自らを否定する小田島は憎悪であれ、慕情であれ、片岡に向ける情動を支えに生きてきたのだ。小田島にとっての片岡の存在の大きさと小田島の孤独を思うと辛くてたまらなくなった。
これまで感情をストレートに表に出さず、口数も少なかった小田島が抱える巨大感情を思い知ることになる第5話。彼のある意味一途と言える片岡への思いに、小田島とともに頬を涙で濡らすこと間違いないだろう。
◆構成・文=牧島史佳

※高橋大翔の「高」は、正しくは「はしごだか」

