インフルエンザは家庭内での感染リスクがある病気のひとつです。家族の誰かが発症すると「いつうつるのか?」「どのくらいの確率で感染するのか?」と不安に感じる方もいるでしょう。
本記事ではインフルエンザの家族感染は何日後に発症するのかについて以下の点を中心にご紹介します。
インフルエンザの家族感染について
インフルエンザの家族感染は何日後に発症するのかについて理解するためにもご参考いただけますと幸いです。ぜひ最後までお読みください。
※この記事はメディカルドックにて『「インフルエンザの家族感染は何日後」に発症するかご存知ですか?【医師監修】』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

監修医師:
本多 洋介(Myクリニック本多内科医院)
群馬大学医学部卒業。その後、伊勢崎市民病院、群馬県立心臓血管センター、済生会横浜市東部病院で循環器内科医として経験を積む。現在は「Myクリニック本多内科医院」院長。日本内科学会総合内科専門医、日本循環器学会専門医、日本心血管インターベンション治療学会専門医。
インフルエンザの家族感染について

家族からインフルエンザがうつる確率はどのくらいですか?
新型コロナウイルスの流行以後、インフルエンザの家庭内感染の確率に変化がしています。コロナウイルス流行前は家庭内でインフルエンザが感染する確率は約20%とされていましたが、2021年から2022年のシーズンではこの確率が約50%まで上昇しています。これはおよそ2.5倍に増加していることを意味しています。
増加の背景には、新型コロナの影響でインフルエンザワクチンの接種率が下がったこと、人々の免疫力が変化した可能性などが考えられます。しかし、具体的な原因はまだ明確には分かっていません。
インフルエンザが家族にうつらないための予防法を教えてください
以下に、家族にうつさないための具体的な予防策を紹介します。
●こまめな手洗いを徹底
ウイルスは手を介して広がるため、手洗いは感染対策の基本です。外出後、食事の前後、トイレの後、咳やくしゃみをした後などに、石けんと流水でしっかり洗うことを心がけましょう。また、手を拭く際には、共用のタオルではなく、個別のタオルやペーパータオルを使用するのがおすすめです。
●咳エチケットを守る
咳やくしゃみをする際には、マスクを着用する、ティッシュやハンカチで口や鼻を覆う、袖で抑えるなど、飛沫が周囲に広がらないよう配慮しましょう。特に、室内での飛沫感染を防ぐため、感染者はできる限りマスクを着用することが推奨されます。
●できるだけ距離を取る(部屋を分ける)
インフルエンザ患者とは、できる限り別の部屋で過ごすのが理想です。同じ空間で過ごさなければならない場合は、なるべく距離を保ち、直接的な接触を避けることが重要です。また、看病をするのは1人に限定し、家族全員が濃厚接触しないようにするのが望ましいでしょう。
●換気と加湿を行う
インフルエンザウイルスは乾燥した環境で活発になるため、室内の湿度を50〜60%に保つことが推奨されます。加湿器を利用するほか、濡れタオルを部屋にかける、コップに水を入れておくなどの方法でも湿度を調整できます。さらに、2〜3時間に1回、窓を開けて換気を行い、新鮮な空気を取り入れることで、ウイルスの滞留を防ぎましょう。
●共有する物を分ける
家族間での感染を防ぐために、タオル、コップ、食器、歯ブラシなどは別々に使用するようにしましょう。また、ドアノブやスイッチ、リモコンなど、頻繁に触れる場所は消毒を行うと、接触感染のリスクを減らすことができます。
●家族全員が健康管理を徹底する
インフルエンザにかかりにくくするためには、免疫力を維持することが大切です。睡眠をしっかり取り、バランスのよい食事を心がけ、適度な運動をすることで、体の抵抗力を高めましょう。
また、感染予防のために、家族全員がインフルエンザワクチンを接種することも有効な手段です。
インフルエンザに家族感染したら何日後に発症しますか?
インフルエンザが家族内で感染した場合、発症するまでの期間は通常1日~7日ですが、ほとんどの場合は3日〜4日後に発症することが多いようです。家族の誰かがインフルエンザに罹患した場合、発症後3日〜4日の間は特に体調変化に注意し、予防対策を継続することが大切です。
編集部まとめ

ここまでインフルエンザの家族感染は何日後に発症するのかについてお伝えしてきました。インフルエンザの家族感染は何日後に発症するのかの要点をまとめると以下のとおりです。
インフルエンザは飛沫感染と接触感染の2つの感染経路がある
インフルエンザの発症後は症状が急激に悪化し、高熱が続く3日目までがピーク
インフルエンザが家族に感染しないためには、こまめな手洗いを徹底する、咳エチケットを守る、換気と加湿を行うことなどが大切
インフルエンザは家族内で広がりやすい感染症ですが、適切な対策をとることでリスクを軽減できます。大切な家族の健康を守るためにも、手洗い・マスク・換気を徹底し、免疫力を高める生活習慣を意識しましょう。
これらの情報が少しでも皆さまのお役に立てば幸いです。最後までお読みいただき、ありがとうございました。
参考文献
インフルエンザとは|NIID国立感染症研究所

