かなこの義母はかなりの曲者で、すぐに人を悪者扱いにします。挙句、自分のことはすぐに棚にあげる始末。そんな義母に、かなこは常々頭を悩ませているのでした。
毎週義実家には行くけれど…
「ねえ、日曜日に母さんのところに行かない?いい梨が届くんだってさ」
土曜日の昼下がり、キッチンで洗い物をしていた私は、夫のゆうやに声をかけられました。窓の外からは穏やかな秋の光が差し込み、家の中は平和な週末の空気に満たされていましたが、私の心はモヤモヤしています。
私とゆうやは、結婚してもうすぐ5年。お互い30代で、子どもはいません。ゆうやの実家は車で10分ほどの距離にあり、ちょくちょく交流をしていました。
「うん、そうだね」
義実家に行かない理由もなく私は了承しましたが、心の中は曇るばかりでした。義母は70代でもう若くないのですから、夫が親を心配する気持ちは理解できます。しかし、私には義母との付き合いが、正直苦痛だったんです。
義母のことが苦手な理由
義母のことが苦手な理由はただ一つ「やけに人を悪者にしたがるから」です。例えば、私たちが会いに行った後に義母が風邪を引くと、義母は夫にこうこぼすのです。
「きっとかなこさんが風邪菌を連れてきたのよね。あの人は出歩くのが好きだし、風邪の予防にも興味がなさそうだもの」
私はマスクや手洗いなど、それなりの配慮をしているつもりです。それでも義母は「私は風邪をうつされた被害者だ」と言いたくてたまらないみたい。気を付けていても風邪くらい引くのだから、だれも悪者にする必要はないと思うのですが…。

