「てんかん」とは脳の病気です。詳しくいうと、脳が異常な電気信号を出す病気のことです。その際の脳波は乱れています。
この記事をよく読んでいただき、てんかんについてよくご理解いただいてご自分がなったときはもちろん、周囲の人がなったときにも適切に対応できるようにしましょう。
※この記事はメディカルドックにて『「てんかん」を発症すると現れる症状・原因はご存知ですか?医師が監修!』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

監修医師:
勝木 将人(医師)
2016年東北大学卒業 / 現在は諏訪日赤に脳外科医、頭痛外来で勤務。 / 専門は頭痛、データサイエンス、AI.
てんかんの治療と予後

治療方法を教えてください。
てんかんの治療方法は、患者によって異なりますが、一般的に次のような方法があります。まず一般的なのは薬物療法です。これは抗てんかん薬を服用して、発作を減らせます。服用する薬物は、患者によって異なり、病状に合わせて適切な薬物を選ぶことが重要です。次に手術です。これは脳内にてんかんの発病部位が特定できる場合、手術を行うことで症状が改善します。
続いて療法です。これは発作後のリハビリテーションや、生活の調整などを行うことで、症状を改善できます。
そして生活習慣の改善です。たとえば睡眠の調整・適度な運動・ストレス軽減・健康的な食生活など、生活習慣の改善も症状を改善するために重要です。
これらの治療方法は症状や病状によって異なりますので、医師に相談し、適切な治療を受けることが大切だといえるでしょう。
てんかんは完治するのでしょうか?
てんかんは完治が難しい疾患の一つです。ただし、適切な治療を受けることで発作を減らし、症状を軽減することは可能です。発作を減らすためには、上の項目で触れた薬物療法や神経外科手術などがあります。発作を減らすことで、生活の質が向上し、社会復帰を促進できます。
また発作を減らすためには、発作誘発因子の制御や生活習慣の見直し、睡眠や食事の調整も重要です。発作後のリハビリや精神科的治療も有効です。
ただし、全ての発作を除去することはできないため、終身管理が必要だといえるでしょう。発作を減らし、症状を軽減するためには、医師と連携しながら常に治療を受け続けることが大切といえるでしょう。
寿命に影響するのでしょうか?
てんかんは、治療が適切でない場合や重症化した場合は、寿命に影響を与えることがあります。てんかんの発作は頻繁に起こることがあり、その結果脳の機能に悪影響を及ぼし、脳の損傷を引き起こす可能性があるからです。また長期間の発作は、疲れやストレスを引き起こし、心理的な影響を与えることもあります。重症化した場合には、長期にわたる療養を必要とすることもあり、家族や周りの人々にも大きな負担をかけるため注意が必要です。
ただし現代の医療技術の進歩により、てんかんの治療は非常に進化し、症状を抑え生活の質の改善が期待できます。早期の発見と適切な治療を受けることで、寿命に大きな影響を与えることはないと言われています。
最後に、読者へメッセージをお願いします。
てんかんという病気は本人はもちろん周りの人たちにも大きな負の影響を与えてしまう病気です。しかし自分や周りの人がてんかんになってしまったことを悔やんでいるのであれば、ここで挙げたような治療方法を医師と相談しながら積極的に行い、完治が難しいなら上手に付き合っていきましょう。
編集部まとめ

てんかんは、どなたでも発症する可能性のある病気です。発症すると主に発作が生じ意識障害などを起こしていますことがあります。命にも関わる可能性があるため注意が必要です。
症状としては震え・痙攣・言語・筋肉の障害・運動麻痺・感覚障害などさまざまです。発症時に適切な対処が必要になります。
発症したときは早急に治療を進めるためにも、医療機関を受診して医師の診断に従う必要があります。
参考文献
高齢者のてんかん(J-STAGE)
てんかんの治療(J-STAGE)

