網状皮斑(もうじょうひはん)は「リベド」「リベドー」とも呼ばれ、主に膝から足先にかけて赤色や紫色をした網目のような模様が現れる病気です。
ほとんどが冬に温度の急激な変化が原因となって起こるもので、一過性の病気です。とくに子どもや若い女性に多くみられます。
症状が一過性でなく、続く場合は感染症や中枢神経障害などの重大な病気が隠れている可能性があるため、注意が必要です。
この記事では網状皮斑の注意点などを詳しく解説します。
※この記事はメディカルドックにて『「網状皮斑(赤色や紫色の網目模様) 」ができる原因はご存知ですか?』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

監修医師:
竹内 想(名古屋大学医学部附属病院)
名古屋大学医学部附属病院にて勤務。国立大学医学部を卒業後、市中病院にて内科・救急・在宅診療など含めた診療経験を積む。専門領域は専門は皮膚・美容皮膚、一般内科・形成外科・美容外科にも知見。
網状皮斑の注意点

症状が現れたときにやってはいけないことを教えてください。
多くの場合、網状皮斑は寒暖差によって起こる一時的な変化です。暖かくすることで症状が緩和される場合があるため、体を冷やさないように注意しましょう。
症状が一過性でない場合は自己判断をしてはいけません。重大な病気が隠れていないか原因を調べ、適切な治療を行うためにも医療機関を受診しましょう。
進行すると皮膚炎を起こしてかゆみを伴ったり皮膚潰瘍を生じたりと病状が悪化することもあるため、注意が必要です。
治療中の注意点が知りたいです。
網状皮斑の治療では下肢の血行が悪くならないように注意しましょう。長時間歩くことや立ちっぱなしの仕事もできるだけ避けてください。常に弾性包帯や弾性ストッキングを身に着け、寝るときはクッションなどを敷いて上肢を高い位置に保つなど血流をよくする工夫しましょう。
寒冷刺激が原因で網状皮斑が起こっている場合は患部を冷やさないことが重要です。寒い季節はスカートではなくズボンを履いて暖かくするなど、足を冷やさないように注意しましょう。
寒冷刺激が原因で網状皮斑が起こっている場合は患部を冷やさないことが重要です。寒い季節はスカートではなくズボンを履いて暖かくするなど、足を冷やさないように注意しましょう。
また、冬の外出時だけでなく夏の冷房にも注意してください。冷蔵庫を開けるなど、ちょっとした冷気を受ける日常動作でも網状皮斑が悪化する可能性があります。
再発することはありますか
網状皮斑になる人はもともと血管系が不安定だと考えられます。
そのため、ちょっと足をぶつけたりこすったりしただけでも内出血を起こす可能性があり、再発しやすいといえます。
手足に網目模様の症状がみられる場合は皮膚科専門医の診察を受けましょう。
最後に、読者へメッセージをお願いします。
血管は温度差に対応して収縮するため、網状皮斑は寒さで一時的に起こる生理的な現象です。暖かくして緩和される症状の場合はそれほど心配することはありません。
網状皮斑が起こりやすい人は体を冷やさないように注意してください。
寒冷と関係なく症状が起こり、持続する場合はさまざまな基礎疾患(血管炎・膠原病・クリオグロブリン血症)が原因の可能性があります。症状が重篤な場合は自己判断せず、一度皮膚科を受診して詳しく検査をしてみましょう。
編集部まとめ

網状皮斑は血行が原因で起こり、冬の寒い時期に寒暖差によって症状が現れる病気です。
子どもや女性に多くみられ、一過性の場合はとくに治療も必要なく患部を暖めると緩和されることが多いです。
しかし、症状が悪化すると皮膚炎や皮膚潰瘍につながるため、網状皮斑が出やすい人は血行をよくして体を冷やさないように注意してください。
寒さに関係なく症状が現れたり持続したりする場合は注意が必要で、何らかの病気が原因となっている可能性があります。
一度皮膚科を受診して原因となっている疾患を治療しましょう。
参考文献
網状皮斑|MedicalNote

