昨今の社会問題について、誰も言えなかった言葉で鋭く切り込むコメンテーターのエンドウさん。「もし、こんなコメンテーターがいたら?」を描いた洋介犬(@yohsuken)さんの「反逆コメンテーターエンドウさん」が痛快だ。いじめ問題や少年犯罪、偏向報道やアンチにも正面から立ち向かう、世の中の理不尽への皮肉を込めたコメントが読者にびんびん響いている。
■セリフを大幅に削る必要があり苦労した



本作「反逆コメンテーターエンドウさん」は「こんなコメンテーターがひとりぐらいいてもいいのでは」という思いから描かれたものだという。作者の洋介犬さんが「もし忖度なしで凝り固まった定型のやりとりを無視するコメンテーターがいたらどうなるだろう?」と想定してSNSに描き始めたのが誕生のきっかけで、現在もその基本コンセプトはほとんど変わっていないそう。
反響が大きかったのは、読者の生活に身近で他人事とは思えない「キラキラネーム」「こどもハーネス」「陰謀論」などの回だという。また、「脇役俳優」の回のように「予想よりも優しい、泣ける話に好感を持ってもらえたのは意外な発見でした」と振り返る。
エンドウさんのコメントを描く際、漫画としてはセリフが長くなりすぎるため、毎回30%を削り、場合によっては丸ごとカットする必要があり、制作上苦労したという。さらに難解な用語も避けており、洋介犬さんは「読者さんの知識量を侮っているわけではなく、直感的にわかるセリフでないと、瞬間的に飲み込めないからです」と説明する。
エンドウさんの意見は読者に考えるきっかけを与え、多様な意見を生むことも魅力のひとつとなっている。洋介犬さんは、議論の目的は「どちらかの勝利」ではなく「結果としてみんなにとって良い結論が出る」ことであり、寄せられた意見を持ち帰って日常に生かせるのが理想だと語った。
読者からも好評のエンドウさんは、内面が古代中国の政治家をイメージし、外見は評論家の須田慎一郎さんをモチーフにしているそう。さらに、思わず笑ってしまうような意外なギャップがあるのも魅力だ。その素顔が気になる方は、ぜひ読んでみてほしい。
取材協力:洋介犬(@yohsuken)
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