大腸カメラで痛みを感じやすい人の特徴
編集部
注意が必要な人や痛みを感じやすい人には、どのような特徴がありますか?
嶋田先生
過去にお腹の手術歴があり、腸や周囲の組織に癒着がある人、腸が細い人、便秘がちで腸の動きが鈍い人は、検査時に痛みが出やすい傾向があります。また、不安が強い人は緊張でお腹に力が入ることで痛みにつながることもあります。
編集部
「痩せていると痛い」という話を聞いたことがあります。
嶋田先生
痩せている人は皮下脂肪や腹部の緩衝材が少ないため、腸の動きや内視鏡の挿入がダイレクトに腹部に伝わり、痛みを感じやすい傾向があるかもしれません。その一方、痩せ型であっても苦痛なく検査を終わらせる人も多く、あくまでも「痛みを感じやすい傾向がある」という程度かと思います。
編集部
ほかに、注意が必要なケースはありますか?
嶋田先生
便秘がちな人は、大腸内視鏡の前の準備が少し大変になることがあります。便が残りやすいため、下剤を多めに使ったり、数日前から薬で腸を整えたりするかもしれません。腸の中が綺麗になっていないと検査が上手くできないので、便秘がある人は必ず医師に伝えて、準備の方法を相談しましょう。心配な人は、自宅ではなく院内で前処置ができる医療機関がおすすめです。便秘は大腸がんのリスクなので、ぜひ積極的に大腸カメラを受けていただきたいです。
編集部
最後に、読者へのメッセージをお願いします。
嶋田先生
最近は、若い人の大腸がんも増えてきています。痩せている人や便秘がちな人は、そうでない人と比べて少し検査が難しくなることもありますが、今は鎮静剤や無送気軸保持短縮法といった苦痛を減らす方法も多くあります。実際に、当院で大腸カメラを受けた人からも「楽でした」「気づいたら終わっていました」という声をたくさんいただいています。必要以上に怖がらず、安心して大腸カメラを受けていただければと思います。
編集部まとめ
「痩せている人は大腸カメラが痛い」という噂には、一部の裏付けがありました。ただし、医師の経験や設備、鎮静剤の使用などで、体型にかかわらず痛みを軽減することは可能です。重要なのは、信頼できる医療機関を選び、無理なく検査を受けることのようです。これまで「痛そう」と敬遠していた人も、本記事で解説した負担の少ない検査ができる医療機関を探して、検討してみてはいかがでしょうか。

