【認知症のトイレトラブル】原因や対処法、注意点、困ったときの相談先を解説!

【認知症のトイレトラブル】原因や対処法、注意点、困ったときの相談先を解説!

認知症の方のトイレをサポートする際の注意点と相談先

認知症の方のトイレをサポートする際の注意点と相談先 認知症の方の排泄介助でしてはいけないことを教えてください排泄の失敗を大声で叱責することや、「どうしてできないの」と責めることは避けるべきです。本人は混乱や不安を抱えやすく、否定的な対応は自信をさらに失わせます。また、急がせて無理に立ち上がらせたり、強引にトイレに連れて行ったりすることも転倒の危険があるため避ける必要があります。

さらに、排泄の記録や介助の工夫を共有せずに介護者が一人で抱え込むことも望ましくありません。家族や介護スタッフが連携し、本人に合ったサポート方法を共有することが、安心できるケアにつながります。 認知症のトイレトラブルは誰に相談すればよいですか?まずはかかりつけ医に相談し、必要に応じて泌尿器科や消化器科の診察を受けるとよいでしょう。介護面についてはケアマネジャーに相談すると、デイサービスや訪問介護での排泄サポートが受けられる場合もあります。地域包括支援センターでも介護サービスの利用や福祉用具の導入について相談できます。

また、認知症専門の相談窓口や家族会などでは、同じ悩みを経験している方の声を聞くこともでき、孤独感が和らぎます。 医療機関での治療によりトイレのトラブルは改善されますか?尿路感染症や便秘、前立腺肥大症など、身体の病気が関与している場合には治療によって改善することがあります。薬の副作用が原因であれば、薬の変更や調整で排泄の状態が改善することもあります。

一方で、認知症に伴う記憶障害や判断力の低下が主な原因である場合には、完全に症状をなくすことは難しいこともあります。その場合でも、生活環境の工夫や介護サービスの導入で、本人と介護者の負担を減らすことができます。

編集部まとめ

編集部まとめ

認知症のトイレトラブルは、記憶障害や見当識障害、身体疾患や薬の副作用など、複数の要因が重なって生じるものです。叱責や強制は避け、本人の尊厳を守りながら支援しましょう。

また、介護の工夫としては、ポータブルトイレや着脱しやすい衣服の導入、清潔さを保つ工夫などがあります。家族だけで抱え込まず、医師やケアマネジャー、地域包括支援センターなど複数の相談窓口を活用することが、よりよいケアにつながります。

排泄の問題は本人にとっても家族にとっても大きな負担ですが、正しい理解と支援によって日常生活は大きく変わります。医師や介護サービスの支援を取り入れながら、少しでも落ち着いて過ごせる日常を目指していきましょう。

参考文献

『排泄場面における認知症ケアの考え方』(認知症介護情報ネットワーク) 『認知症患者さんの排泄障害』(榊原 隆次、日本創傷・オストミー・失禁管理学会誌, 2016, 20 巻, 1 号, p. 8-15) 『尿が近い、尿の回数が多い ~頻尿~』(日本泌尿器学会) この記事を書いた人 林 良典

出身大学 名古屋市立大学 / 経歴東京医療センター総合内科、西伊豆健育会病院内科、東京高輪病院感染症内科、順天堂大学総合診療科、NTT東日本関東病院予防医学センター・総合診療科を経て現職 / 資格医学博士、公認心理師、総合診療特任指導医、総合内科専門医、老年科専門医、認知症専門医・指導医、禁煙サポーター / 診療科目総合診療科、老年科、感染症、緩和医療、消化器内科、呼吸器内科、皮膚科、整形外科、眼科、循環器内科、脳神経内科、精神科、膠原病内科

配信元: Medical DOC

提供元

プロフィール画像

Medical DOC

Medical DOC(メディカルドキュメント)は800名以上の監修ドクターと作った医療情報サイトです。 カラダの悩みは人それぞれ。その人にあった病院やクリニック・ドクター・医療情報を見つけることは、簡単ではありません。 Medical DOCはカラダの悩みを抱える方へ「信頼できる」「わかりやすい」情報をお届け致します。