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公開 2018年06月13日  

子どもの幸せのために出来る事はする。でもそれ以外は変わらずでいい。 / 3章(2ページ目)

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妊娠中は、赤子が無事に育っているかなど、不安なことが多かった。そのせいで自分で自分を抑えてしまっていたけれど、産後出会った一冊の本がその思い込みから解放してくれた。


蹴散らす強さ

子どもの幸せのために出来る事はする。でもそれ以外は変わらずでいい。 / 3章の画像1


出産までずっと感じていたこの息苦しさを、
すっと晴らしてくれた文章がある。

産後手に取った山崎ナオコーラさんのエッセイ
「母ではなくて、親になる」のなかの一節。

彼女は「ファッション」という章の中で、
37歳で出産したけれど、将来
自分の子どもの祖母だと
間違われないようにするために
若作りをしたりはしない、と言い切る。

髪型も服も化粧も、自分の好きな風にしたい。おばあさんっぽい服だってときには着たい。母親っぽい服になんて、とらわれてたまるか。

そうだ、ずっと私に必要だったのは、
この「とらわれてたまるか」という
気概だったのだ。

妊娠中はなにかと不安だったし、
気を付けなければならないことも
たくさんあった。

それは仕方がない。

だけど、気持ちまで見えない圧力によって
無理やり「妊婦さんらしく」沿わせる
必要はなかった


見えない圧力をかけていたのは
何よりも自分自身だったと思う。

子どもの幸せのために出来る事はする。でもそれ以外は変わらずでいい。 / 3章の画像2


今からでも遅くはない。

この発見は、これから長く続く
子どもとの生活でこそ、真価を発揮すると思う。

世の中には「お母さんなんだから」という圧力が
たくさん存在するし、
自分の中にもきっとたくさんの思い込みがある。

私は、親になったので
子どもの安全と健康と幸せのために
できることをしようと思っているけれど、
それ以外ではこれまでと変わらずに
振る舞っていいのだ


たとえば、出産してから
手に取ってみたママ向け雑誌の情報。

子育てに便利なアイデアやグッズが
紹介されているのは役に立つけれど、
「ママ会で浮かないファッション特集(仮)」
は意味が違う。

そこに載っている服装が
好きならば取り入れれば良いけれど、
「お母さんになったんだから、
お母さんらしい服装をしなくちゃ」
という理由で
なんとなく絡めとられていってしまっては、
私が妊娠中に感じていた息苦しさの
二の舞になる。

自分自身で勝手に
圧力をかけてしまっていた私の場合は、
「とらわれてたまるか」
と思っておくくらいでちょうどいい


自分の思い込みを蹴散らすための、
魔法のことばを教えてもらったような気がする。




▶次回、6 /20(水)更新の第4章は…

無事に女の子を出産し“母親”になった。
そんな私を待ち構えていた生活とは…?




1章、2章はこちらから読めます。

※ この記事は2024年10月26日に再公開された記事です。

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