子どもを産む、それはどんな瞬間なんだろう?
妊娠期間の十月十日、頭の中にいつもある「産む」瞬間への想像。
細かな描写で出産体験を綴られた、トギーさんのエッセイをご紹介します。
子どもを産んだ瞬間、「この人は、他人だ」と思った
131,675 View2017年5月、わたしは子どもを産んだ。ずっと夢見てきたことだったから、それはもう感動と愛に満ちあふれた瞬間になるものと思い込んでいた。
トギーさんのnoteから、出産に関する記事をご紹介いたします。
2017年5月、わたしは子どもを産んだ。
ずっと夢見てきたことだったから、それはもう感動と愛に満ちあふれた瞬間になるものと思い込んでいた。
でも、実際はそんな感動は押しよせてこなかった。むしろ、驚いた。
***
わたしは、俗にいう子ども好きだ。街中で見かける人様の子どもも、もれなくみんな愛おしい。
そんな自分が子どもを産んだら、「ああかわいい我が子! 最高の宝物! 大好き! 愛してるー!!」みたいに母性が爆発するんだろう妄想していた。でもその期待は見事に裏切られる。
産まれてきたのは、初めて見る顔をした人間だった。わたしの意思とは関係なく、泣き叫んでいた。
なぜか、そのことにすごく驚いた。
「この人は、他人だ」
面食らったような衝撃だった。
どうやらわたしは、子ども好きをこじらせて、自分の子どもは自分の分身かなにかだと思い込んでいたようだ。
彼女は、わたしの分身じゃないことはもとより、わたしの子どもである以前に、意思をもったひとりの人間だった。
「この人は、わたしの子どもなのか。そうなのか」
10ヶ月おなかの中にいたとはいえ、面と向かうのはこの日がはじめて。へその緒を切ってしまえば物理的な繋がりもなくなる。
産んだ瞬間から親子の愛着やら、家族の絆ができているわけがない。これから築いていかなきゃいけないんだ。
なぜこんな至極当然の事実に、これまで気がつかなかったのだろう。
産んだから母なんじゃない。わたしはこれから母になっていく。この気づきが、わたしなりの、母への第一歩。今はそんなふうに思っている。
「はじめまして。これから家族になろう」
いかがでしたか。
産んだから母なんじゃない。わたしはこれから母になっていく。
今、自分が「お母さん」になれているんだろうか?そんな不安を抱えている方へ
これからみんなで"家族"になるんだと教えてくれるまっすぐで優しいエッセイ。
トギーさんのブログには他にも多くの素敵なテキストが掲載されています。
みなさまぜひご覧ください。
(編集:コノビー編集部 森山)
1
追い詰められたママのイライラは、子どもに向かう。それを救ってくれたパパの言葉
とげとげ。
2
産後のウラミは根深くて…10年経っても忘れられない夫の言葉
コノビー名作集
3
美味しくて栄養のあるものを!でも、お弁当を1年作って分かったこと。
多喜ゆい
4
まだ5時だよ…。寝たふりをしようとした母が、秒で目を覚ましたワケ
コノビー編集部
3歳児のめざましい成長に思わず「いらんスキルアップすな!笑」
コノビー名作集
大人の背より高い雪に息子はびっくり!ふと思い出す幼少期の記憶
コノビー名作集
もうすぐ子どもの新生活!サポートするために、母が実は一番心配なこと
コノビー名作集
や、やめて……!!息子が数えているモノの正体を知ったとき、ウッ!(笑)
コノビー名作集
「ワーママの大変さ」を、パパが実感したのはこんな瞬間
なおたろー『育児戦隊 ごきげん夫婦』
座ったまま「ママ、お箸は~?」と聞く息子に、パパがひとこと。
なおたろー『育児戦隊 ごきげん夫婦』
子が夫に質問「ママのこと大好き?」聞き耳をたてていたら、嘘でしょ…?
なおたろー『育児戦隊 ごきげん夫婦』
思わずキュン…♡レストランで夫の対応に”惚れ直した”出来事
多喜ゆい