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公開 2018年10月24日  

わが子をやっと「可愛い」と思えた、あの日の話 <投稿コンテストNo.24>

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妊娠中、お腹の子どもを可愛いと思えなかったというほんまめぐみさん。
愛情が生まれるタイミングも人それぞれです。
出産して赤ちゃんを抱っこした時、その感情はどうなったのでしょうか。

出典:http://amanaimages.com/info/infoRF.aspx?SearchKey=10132107004

>【第一話】から読む


「子どもへの愛情はいつ生まれるか」

これは私の2人目の出産にまつわるエピソードです。

お子様がいる方は、いつからその子を可愛いと思えましたか?

というのも、私は2人目の子を妊娠してお腹にいる間は、全然お腹の子に対して愛情というものを感じませんでした。


職場の上司に「女の人は10ヶ月もお腹に子供がいるから可愛がれるんだろうね」と言われたことがありましたが、なんだか違和感がありました。

妊娠はとても嬉しかったし、お腹の子の負担にならないよう、無理をしないようにとか転ばないようにとか気をつけてはいるのですが、お腹にいる子を「可愛い」とは全く思えませんでした。


上に女の子がいて、その子が可愛くて仕方なかったから、産まれてから下の子を可愛がれなかったらどうしよう、と密かに心配をしていました。

性別は勝手に女の子だろう、と思っていたのに、だいぶ早い段階で、男の子であることがわかりました。

「私のお腹の中に、男がいる!」

よくわからないけど、すごく驚いて興奮しました。

男の子を産むとどんな気持ちになるのだろう、という好奇心はありました。


妊娠経過は順調でしたが、喜びに溢れるということもなく、流産の心配をしたりすることはありましたが、妙に冷静な気持ちでたんたんと妊娠期間を過ごしました。

上の子の時は、検診でエコーを見るのを楽しみにしていて、エコー写真を何度も見たり、家族や友人にまで見せたりしていました。

しかし、下の子の時はエコーをしても「ふむふむ、順調なのね」くらいの冷静さでした。

先生から渡される写真も何が写っているのかよくわからないものが多かったこともありますが、なんの感情も沸きませんでした。


いざ出産を迎え、陣痛の経過は、上の子とほぼ同じような感じでした。

違ったのは、出産の体制に入ってからの大変さでした。

上の子は出産体制に入ってからあっという間に産まれたのですが、下の子はいきんでもいきんでもなかなか出てきてくれません。

陣痛の痛さが耐えがたく、「もう無理ー」としか思えませんでした。

助産師が手をつっこみ引っ張っても、なかなか出てこず、「頭がデカイ…」とボソッと言っている声だけを今でもよく覚えています。

痛みに耐えながら、そんなにデカいの?と思っていました。

後半はほぼ記憶が曖昧なのですが、なんやかんやと1時間くらいは格闘して、やっと産まれてきました。

頭が出てくると同時に産声をあげたのは今でもよく覚えています。


そういえば、耳で聞いた記憶ばかりが鮮明に残っています。

私は視力が悪く、出産中は眼鏡をはずしていたので視界がぼやけていたからなのか、痛みで視界からの情報が入ってきていなかったのか、どちらなのだろう。

私は放心状態…。

すぐに赤ちゃんを見せてくれましたが、何も感じない。

その後助産師さんが赤ちゃんをキレイな状態にしてから、私のところに連れてきてくれて、初めて抱っこをし、夫が立ち会っていたので、3人で家族の時間を過ごしました。


その時のムービーに

「やっと可愛いと思えた…。」

という私の声が残っています。


それは、妊娠期間中に可愛いと思えなかった自分に対しての、安堵の言葉だったような気がします。


その後、授乳などで触れ合うたびに、愛情はうなぎ登りにあがっていきました。

一緒にいる時間が長くなればなるほど、愛情はどんどん膨れ上がり、今では可愛くて可愛くて仕方ありません。

2人目の余裕や、私の年齢的なものもきっとあると思います。

また性別については、男の子でしたが、あまり性別を意識することなく、ただ単に赤ちゃんそのものが可愛い、この子そのものが可愛いという気持ちしか今のところありません。

これから大きくなるにつれて、違った思いも生まれてくるのかな、と楽しみではあります。

私がこの子を確かに出産しましたが、愛情が湧いてきたのは触れ合いをはじめてからだったので、たくさんの触れ合いが愛を育てていくのだと感じたエピソードでした。

ライター:ほんまめぐみ

※ この記事は2024年11月30日に再公開された記事です。

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連載「第一回 記事投稿コンテスト 『出産』」 #24
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