42歳のイム・ナミは夫と高校生の娘と幸せな生活を送る主婦。ある日、母親の入院する病院で高校時代の友達であるハ・チュナと再会します。
チュナはガンを患い、余命2ヶ月と宣告されていました。
チュナはナミに、「死ぬ前に高校時代の仲良しグループ『サニー』のメンバーに会いたい」と伝えます。
ナミはチュナの願いを叶えるべく、探偵を使って彼女たちを探し出すことに。
「サニー」のメンバーはナミとチュナを入れて7人。
当時、田舎からソウルの高校に転校し、慣れない環境に戸惑っていたナミ。するとグループのリーダーであるチュナやぽっちゃりしたムードメーカーのチャンミ、美少女でモデルをするスジらの仲良しグループに受け入れられます。
7人は「サニー」とグループ名を付け、学校でバカ騒ぎをしたり別の女子グループと喧嘩をしたりと、毎日が楽しく輝かしい青春の日々を送っていくことに。しかし、7人でダンスを披露する文化祭当日にとある事件が起こり、それ以来7人は離れ離れになってしまいました。
果たしてナミは「サニー」のメンバーたちを見つけ出し、チュナに会わせることができるのか。そして25年ぶりに再会するメンバーたちの現在は――。
30代を生き抜く女性にこそ観てほしい!青春映画『サニー 永遠の仲間たち』
3,279 View今夏に公開された映画「SUNNY 強い気持ち・強い愛」。同作は2011年に韓国で、翌年に日本で公開された韓国映画「サニー 永遠の仲間たち」をリメイクした作品。今回は、このリメイク元の「サニー 永遠の仲間たち」について。観たらきっと高校の時の友達に会いたくなる。高校生の時の自分を抱きしめたくなる。そんな作品です。
「サニー 永遠の仲間たち」のあらすじ
過去の自分が現在の自分を大人にする
本作は25年前の高校時代の「サニー」と、40代になった現在の彼女たちとを交互に描きます。
目を輝かせながら「大人になった私へ」と将来の夢を語っていた高校時代と、子育てや仕事などひたすら現実の生活に追われる現在。
過去と現在を対比しながら、誰しもが感じる懐かしさと切なさがリアルに描写されており、ナミたちを見ているのに、自分の高校の卒業アルバムをめくるかのような気持ちにさせてくれるのが本作の見逃せないポイントです。
その中で描かれるのは過去の自分を肯定する素晴らしさ。
10代の頃は、誰もが思い出すのも嫌だったり恥ずかしかったりする出来事の一つや二つがありますよね。
しかし自分自身が大人になるにつれて、そうした出来事も客観的に捉えて受け止めることができ、そんな昔の自分を愛おしく思えるようにもなります。
劇中では、ナミが「サニー」のメンバーを探す過程で、幼くも真っすぐで一生懸命だった高校時代の自分を抱きしめるように当時の思い出を反芻するシーンが出てきます。
結婚をして子育てに追われている中で忘れていた、あの時伝えられなくて胸にしまっていた気持ち、できなかったことへの後悔と今改めて向き合うことで、また一つ人間として成長する。過去の自分が今の自分を大人にしてくれるのです。
高校時代から枝分かれした7人の人生
また本作の見どころは、キャラクターや個性だけでなく、人生さえも多種多様な40代の女性たちを描いているところ。
「サニー」の7人は離れ離れになった後、それぞれ全く別の人生を歩むことになりました。
平穏な主婦生活を送るナミ、グループのリーダーで鼻っ柱が強かったのに死を前にしたチュナ、明るくムードメーカーだったのに今は保険営業の仕事がうまくいっていないチャンミ、セレブ妻になったジニ、将来の夢に破れて今では不安定な生活を送るポッキ…。
ずっと一緒にいた高校時代から7本に枝分かれした「サニー」のメンバーたちの人生には、そのいずれかに「この人はまるで私みたい」と自分の境遇と重ねてしまいます。
同窓会に行った時によくある、「あんなに頭の良かった子が今ではどうして…?」「あんなに地味だったのにすっかりキレイになった」という同級生の変化。
過去の思い出と重なって嬉しかったり切なかったりと複雑な感情になるこうした時間の経過を、本作では感じることもできるのです。
25年間で1人の少女はどのような40代の女性になったのか。
映画で描かれているのは高校時代と現在だけなのに、「ああ、この人は高校を卒業してからこんなことがあったんだろうな」「結婚をした後に何年間もこんな思いで過ごしてきたのだろう」と想像させてくれる面白さがあります。
わかるわかる!女子グループ特有のノリ
グループ名「サニー」は、1980年代のヒット曲であるボニーMの「Sunny」からきています。
劇中ではナミたちの高校時代である1980年代の洋楽や韓国歌謡曲がたくさん使われており、「サニー」のメンバーが音楽に合わせて踊るシーンが満載。
高校生の時って、なんであんなに友達と毎日歌ったり踊ったりしていたのでしょうか。
筆者も高校はナミたちと同様に女子高だったため、友達と頻繁にカラオケに行き、カラオケに行けなくても学校で歌ったり踊ったりしては先生にうるさいと怒られていました。
男子の目を一切気にしない、女子だけ特有のテンションの高いノリは本作にも出てくるので、きっと「ああ、この感じわかるわかる!」と頷いてクスっとしてしまいますよ。
観たらきっと高校時代の友達に電話して「最近どう?」とお互いの近況を報告したくなる。会いたくなる。高校時代の自分を抱きしめたくなる。本作はそんな作品です。
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