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公開 2018年11月07日  

お友達からショックな一言。動揺する母を救った、長女の"受け入れる力"

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私の目の前で、「はじめてのお約束」を断られた長女。
子供同士のことだとわかっていても、胸がバクバクした。
そのときの長女の"受けとめ方"が、とても印象に残っている。


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1年生のお約束


小学1年生ではよくある話だ。

次女も小学校に入学してから、「なんか、学校が終わったらどっかの公園集合だって」みたいな約束をして帰ってくるので、小学校低学年の内は、お友達と遊ぶ約束なんて、ふわふわしていて、コロコロ変わるのも分かる。

でも、あれは、長女がこの町に引っ越してきて初めて「今日、お友達と遊ぶ約束したんだ!」と言ってきた日だったのだ。

あの日、長女は学校から走って帰ってきた様子で、「お友達のAちゃんとお祭りに行くことになって!」と報告してきた。

夏だったので、顔中汗だらけだった。

「どうしよう…!何着ていこう!3時に家に来てくれるんだって!」とはしゃいで、私と一緒にお友達が来るのを待っていた。

でも、待っても待ってもお友達は来ない。

待ち合わせ場所を間違えたかと長女は不安になって、何度か家のまわりをウロウロした。

「3時って約束したんだけどなあ…」


4時になってやっとインターホンが鳴り、ドアを開けると、女の子が2人、腕を組んで立っている。

私は、ああ、3人で行くのかと思って、「いらっしゃい~!」と笑いかけた。

するとAちゃんがBちゃんと顔を見合わせ、笑って言った。

「ごめんね~、私、Bちゃんと一緒にお祭り行くことになったんだ~。

だから、長女ちゃんとは行けないの~」

長女はそれを聞いて、いつもの口調で「そっか~!じゃあ、また今度ね~」と言って手を振った。

2人組も「また今度ね」と去って行った。


そのやり取りを見ながら、私は心臓がバクバクした。

なんて…長女になんて声をかけたらいい…!?


頭がグルグルしながら長女の顔を見ると、「お友達、また今度ねだって」とアッサリ言った。

「じゃあ、お祭りは家族で行こうか。何食べよう。何売ってるのかな。」

私は早口で長女に話す。

長女が悲しまないように、何かいっぱい話しかけなくてはと思った。

初めてのお約束がこんな形になってしまい、長女の気持ちを考えると泣きそうになった。

でも、お母さんと行って楽しかった!と言ってもらいたくて、できるだけ盛り上がっていかなくては、と声のトーンを明るくした。


そんな私に、長女は言った。

「まあね~、お友達はお友達の用事とか、お友達のその時の気分とかあるからねえ。」

「そうだね、お友達、急に気が変わっちゃったのかな?」

「そうそう。お友達がまた私と一緒に遊びたいなあと思ったら、また今度一緒に遊べばいいし。

さっき、『またね』って言ってたでしょ?今回はお友達と一緒にお祭り行けなくなったから、お母さんと次女ちゃんや末っ子ちゃんと一緒に行くよ。お祭り楽しみだなあ。」

意外とケロっとしている長女に少しホッとして、私たち家族もお祭り会場に向かう。


長女が妹達とわたあめを食べていると、さきほどの2人組とばったり会った。

私は長女がどんな表情をしているか気になってちらっと顔をうかがった。

長女はニコっと笑っていた。

「あ~!Aちゃん!ここで会えたね~」と長女が言って、「妹と来たんだ~」と妹を紹介し、そのまま5人でお祭り会場を少しブラブラし、ヨーヨーつりをみんなでしてから「また月曜日学校でね~」といつも通りの笑顔で手を振ったのだった。


長女は現在、4年生。

「あのとき本当に凄いと思ったよ…」と思い出話をすると、「あ~、1年生の頃ね。1年生の約束はね~、そういう所あるよね~」と、長女が答える。

「今?今はAちゃんともBちゃんとも仲良しだよ。もうね、低学年の子は気分がコロコロ変わるから、『あ、そうなんだ。じゃあ、またね』って答えておしまい。

お友達の気持ちはお友達のものだから、自分の気持ちとぐちゃぐちゃにしないで分けて考えてるよ。

約束したけど、やっぱり気が変わって他の子と遊びたいな~って時もあるだろうし、次の日は私と遊びたくなったりするかもしれないしね。

あのお祭りの後、Aちゃんと公園で遊んだりもしたんだよ。」

そう言って、長女は笑う。

「そんなもんだよ。」と。



※ この記事は2024年11月24日に再公開された記事です。

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