当時、主人の仕事でアメリカに住んでいました。
そろそろ妊娠したいな、タイミングよく妊娠しないもんかねと思ってネットで調べた結果、どうやら、排卵検査薬というのがあるらしい、ということが分かりました。
排卵検査薬、英語で、Ovulation test というらしいです。
なんて読むんでしょうね?
オビュレーションなのか、オブレーションなのか、むしろオヴュレーション?言いにくいな……。舌噛みそう。
もし品切れで、在庫とか聞かないといけなくなったら、ちゃんと発音できるかな……。
いざとなったら、スマホの画面を見せよう……。などとドキドキしながら買いに行きました。
オ、オブレーションテスト(?)は、生理用品と同じ棚にありました。
タンポン・ナプキン、排卵検査薬、妊娠検査薬の並びで置いてありました。
カートに入れて、セルフレジで会計を済ませました。
お姉さんがいるレジでは、なんか恥ずかしかったので。
自意識過剰ですね。
まだ乙女でした。
そんなこんなで帰宅して箱を開封すると、7本の棒と、色違いの棒が入っていました。
7本の排卵検査薬と、1本の妊娠検査薬でした。
1ヶ月のうち、排卵するであろう数日に排卵検査薬を使い、妊娠しているかどうかを残りの1本で検査するということだと思うんですけど。
私はこのセットに感動して、残りの1本で妊娠がわかったらいいなぁ、ほっこり夢見ていました。
その後、期待しては落ち込み、またオブレーションテストを買いに行くことになるのですが、幸運にも妊娠することができました。
そしていざ、婦人科に行くわけなんですけど、病院って、初診の時、問診票書くじゃないですか。しかも結構細かく。
私が行った病院では、問診票の内容がとても細かくてびっくりしました。
生理の周期から、過去の病気、常日頃服用してる薬はあるかとか、ドラッグを使っているかとか、アブノーマルなセックスをしているか。
日本では、ここまで突っ込んだことは聞かれないですよね?
お国柄というものなんでしょうか。カルチャーショックでした。
そしてこの問診票、もちろん英語なわけで。
英語ができない私はスマホの翻訳を使いまくり、周りの人の何倍も時間をかけることになるのでした。
そんなこんなで、いざ出産の日。
おなかの子は逆子だったので、帝王切開をしました。
アメリカで産むといえば、無痛分娩が主流らしいのですが、帝王切開も全然珍しくないようでした。
私は無痛分娩に憧れていて、水中出産もイイナ〜めっちゃ神秘的じゃん〜なんて夢見ていたのですが、一向にひっくり返らない我が胎児。
産婦人科の看護師さんが言うには、手でお腹を押して、胎児を回転させるようにマッサージもできるけど、それはリスクもあるし、回転しない可能性も全然ある。
みたいな感じだったので、リスクがあるなら回転マッサージはやめて、帝王切開にしようと夫と決めました。
38週目の火曜日、帝王切開をする日です。
朝、夜が明けたばかりの空気を感じながら、夫と車で病院に向かいました。
この日まで、「出血したらどうしよう、英語で電話できるかな」ってことばかり考えていたので、帝王切開をしに病院に行くときは、悩みから解放されて爽快な気分でした。
ヤバイヨヤバイヨ〜今日産まれちゃうヨ〜と言いながら、夫と2人でニヤニヤしていたのを覚えてます。
実はこの帝王切開の日、執刀するY先生に初めて会いました。
今までY先生の産婦人科に通ってたんですが、日頃の健診は看護師さんがされてて、お医者さんのY先生に会う機会がなかったんです。
エコーは専門の先生でしたが、体重チェックも採血も、胎児の様子が順調なのかどうかも、次の健診の予定も、全部看護師さんから指導されました。
私も妊娠中期あたりで、あれ?お医者さんに会ってなくね?って気づいたんですが。
この間も会ったの、ナースじゃね?って。
でも幸い経過が順調だったので、何かトラブルがあればY先生にかかるんだろうと、呑気に過ごしていました。
そんなこんなで、帝王切開の日、はじめましてのY先生。
手術室に入る前の前室にて、
「緊張してる?」
これが最初の会話でした。
帝王切開の傷を縫いながら、
「あなたのお腹、とてもスリムになったわよ!」
これが最後の会話でした。
手術の前後しか会わなかったですが、Y先生、ありがとうございました。
おかげさまで、取り上げて頂いた子どもは今2歳です。
次に妊娠する機会があれば、日本との違いに戸惑うかもしれませんが楽しみでもあります。
ライター:さつまいも