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公開 2018年12月09日  

「あーちゃん、ねんね」姉になった娘の行動にびっくり<第二回投稿コンテストNo.7>

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今日も家事に子どもたちのお世話に大忙しのナフナンさん。甘いものでも食べて一息つこうとしたら……?3歳のお姉ちゃんに、アッとびっくりさせられたエピソードを絵本のようなスタイルで紹介してくれました。

出典:http://amanaimages.com/info/infoRF.aspx?SearchKey=11038020121

>【第一話】から読む


ママは朝からドタバタバタパタ、大いそがし。

あーちゃんにおっぱいを飲ませて、オムツをかえて、目玉焼きを次から次へ焼いていって……。トマトサラダを白いお皿にどっさり盛りつけたところで、トースターがチーンッ!

体も心も、こんがりきつね色に焼けてしまいそうです。

そんな慌ただしいママのすぐそばで、三歳になったばかりのおてんばエナちゃんも真剣そのもの。

パジャマをぬいで、花柄の赤いワンピースを頭からすっぽり被ります。きれいにお手てを洗ったあとは、大きな声で、「いっただきまーす!」

おいしいご飯をどんどん平らげていって、

「ふうー、しあわせー」

「しあわせー」

パパとエナちゃんが、同時にほうっと頬を緩めました。そんな二人をまじまじと見つめて、ママもにっこり。

「いってらっしゃい」

「いってきまーす」

スーツをビシッと羽織ったパパをお見送りしたあとは、掃除機をブンブンかけて、洗濯機をくるくるぐるぐるうー。まん丸お目めも、ぐるぐる回ってしまいそうです。



ウンギャー、ウンギャー、ギャー!

突然、あーちゃんが大きな声で泣き始めました。

ふらふらの足で駆けつけたママとエナちゃんは、もうへっとへと。ガラガラをふったり、ねこのぬいぐるみを近づけたりして、一生懸命あやしてみても、まったく泣き止みません。

「ねんねしたいのかな」

「そうね。眠いのかもしれないわねえ」

ママはあーちゃんをすっくと抱きあげると、背中をさすって、ルルラララールララー♪

やさしい歌声をききながら、心地よい夢の中にゆっくり入っていきます。



ママは、あーちゃんをそっとベビーベッドの上にのせて、

「ふうー。ちょっくらひとやすみしましょうか」

冷蔵庫の扉をガバッと大きく開けて、かさこそ、がさごそ。

野菜の山をずんずんかきわけて、ぐっと奥まで覗き込みます。けれども、どんなに探してみても、メロンもみかんも見つかりません。果物が全部、すっかり消えてしまっているのです。

「あれー。おかしいわねぇ」

「あーちゃん、ねんねよ」

「そうよ。だから、あーちゃんが寝ている間に、少しばかりくつろごうと思ったのに……。パパが食べちゃったのかしらねぇ」

なおもぶつくさ呟くママの手を、エナちゃんがぐいっと引っ張ります。

「あーちゃん、ねんね、ねんね!シャボン玉するうっ」

お靴をはいて、元気いっぱい外に飛び出していきます。

「まったく、しょうがないわねぇ。じゃあ、お庭で遊びましょうか」

エナちゃんは庭のサクラの木の前に立って、シャボン玉を夢中で吹いていきます。きらきら光る美しい玉はひとつふたつと風にゆれて、空の彼方に笑うように飛んでいきます。

「あー、もうなくなっちゃった」

「また今度、遊びましょう。さあ、家に入りますよ」

「はーい」



空のシャボン玉ボトルをふりながら、エナちゃんは玄関に走っていきます。ママも大葉を数枚つむと、笑顔でもどっていきます。

「お昼はスパゲティーにしましょうね。その前に、あかりちゃんをおんぶしましょう」


そう言いながら、ママがソファの上の抱っこひもを持ちあげると――

「おやまあ!どうして、こんなところに果物がごろごろ転がっているのかしら」

「あーちゃん、あーちゃん。ねんね、ねんね!」

「あーちゃん、ねんね?」

「うん」

「そっか、なあるほどっ」



まあるいメロンの体の上に、りんごの頭がちょこん。細長いバナナの腕に、オレンジ色のみかんの足が二本ずつ。

よくよく見てみれば、バンザイするようにぐーんとまっすぐ手を伸ばして気持ちよさそうにねむる、あーちゃんそっくりです。

おまけに、うふふふふ。固かったメロンは、よく熟れた仲間たちにかこまれて、少し柔らかくなったみたい。

「エナのおかげね。せっかくだから、食後のデザートにしましょうか」

「やったぁ。早く、ご飯食べたぁい」

「ちょっと待っていてね」

ママはあーちゃんをおんぶしながら、さっそくお昼ご飯をつくりはじめました。麺をゆでている間に、フライパンにオリーブオイルを垂らして、玉ねぎときのこ、それからシーチキンを手際よくいためていきます。

おさらにたっぷりもりつけて、最後に細かく切りきざんだ大葉を散らしました。

「わーい、わーい。いただきまーす」

「いただきまーす」

親子三人、仲良く食卓につきました。フォークにくるくるスパゲティーを巻きつけるエナちゃんのとなりで、あーちゃんはとろとろのバナナがゆをスプーンでゆっくりすくいます。

お皿を空っぽにしたあとは、メロンとりんごをわけあって、もぐもぐ、ぱくぱく、ごちそうさま! 

おなかいっぱい、とってもしあわせです。


ライター:ナフナン




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※ この記事は2024年11月22日に再公開された記事です。

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