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公開 2021年03月26日  

【医師監修】高齢出産はいくつから?定義やリスク、メリット・デメリットもチェック

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女性の社会進出や晩婚化に伴って、初産や二人目を産む年齢も上がってきています。それでは、いったい何歳からを高齢出産と呼ぶのでしょうか。今回は、高齢出産の定義やリスク、経産婦はいくつからが高齢出産になるのかなど、高齢出産の基礎知識と、高齢出産のメリット・デメリットについてお伝えしていきます。《監修:つづきレディスクリニック》


目次 高齢出産とは
高齢出産のメリット
高齢出産のデメリット
知っておこう 高齢出産に伴うリスクとは
高齢出産・初産婦と経産婦の違いは?
高齢出産の正しい知識を持って、生活習慣を整えましょう

高齢出産とは

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日本産科婦人科学会では、満35歳を越えての初産婦を「高齢初産」と定義しています。

平成3年以前は、30歳以上での出産を高齢出産としていたそうです。その理由としては、個人差はあるものの、一般的に30歳から少しずつ妊娠しにくくなっていき、35歳以降は妊娠する確率が急激に低下すると考えられているからです。

しかし、女性の晩産化や医療の発達により、平成12年以降、高齢出産の定義は「35歳以上」と引き上げられました。

筆者の周りにも35歳以上で出産した方はたくさんおり、中には40歳以上で妊娠・出産した友人もいます。

女性の社会進出が進んで、初婚年齢の平均が男女とも30歳前後と言われている今、35歳以上の出産は決して特別なことではありません。


高齢出産のメリット

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35歳を超えると妊娠する確率が下がるとはいえ、高齢出産にも様々なメリットがあります。

1つめに「出産・子育ての前に、ある程度仕事の経験を積んでおくことができる」ことです。

35歳と言うと、新卒で入社したとすると10年以上働いていますから、その間に充分キャリアアップできます。出産・子育てという休業期間があったとしても、キャリアがある分、また仕事に戻りやすいとも言えるでしょう。

2つめは「20代での出産に比べて経済的に余裕がある」ことです。

社会人として10年以上働いていると、ある程度貯蓄もできます。さらに、結婚相手も同世代の場合、若い夫婦よりも家計に余裕が出てきます。高齢出産の場合は、子どもの人数も1人か2人になることが多いため、子ども1人に対してかけられる金額も多くなります。

そして3つめは「たくさん経験を積んできたことで、精神的にも余裕がある」ことです。

年齢を重ねることで様々な価値観に触れ、20代の頃に比べて度量も大きくなります。育児で想定外のことが起こったとしても、それを受け止める心の余裕が出てきます。また、周囲に出産経験者が増えるため、育児の相談をする相手が多くいることも心強いですよね。


高齢出産のデメリット

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メリットもある一方で、もちろんデメリットもあります。

1つは「妊娠・出産時にトラブルが発生する可能性が高くなる」ことです。

年齢を重ねるとともに老化により、妊娠時のトラブルの可能性が高くなると言われています。
また、子宮の収縮力の低下や産道の変化による難産や、妊娠高血圧症候群になってしまったりする可能性が高まります。どちらも、重症化した場合、母子共に命の危険を伴うものです。

そして「育児に向けられる体力が少なくなる」ことも挙げられます。

育児は出産してから待ったなしでスタートします。産後は睡眠不足が続き、体調を崩してしまうこともあります。20代と比べるとやはり体力的に劣るので、家族や友人、行政などの周囲の力にも頼り、自分ひとりで抱え込まないことが大切ですね。


知っておこう 高齢出産に伴うリスクとは

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先ほどお伝えしたように、年齢による女性機能の老化などにより妊娠出産に伴うリスクが高まります。

高齢になるにつれ、子宮内膜症や子宮筋腫などの病気にかかる可能性も増えてきます。もちろん、若いからと言って妊娠出産が100%安全なわけではありません。

しかし、高齢出産は35歳未満での出産に比べて、妊娠・出産時に様々な影響が出やすく、母体や赤ちゃんへのリスクが高まる傾向にあるということは知っておきましょう。

続いて、高齢出産に伴う主なリスクを3つご紹介します。


先天性染色体異常の確率増


母親や父親が高齢の場合、卵子や精子が老化していることにより、先天性染色体異常の確率が上がります。

染色体異常の例に、ダウン症が挙げられます。
卵子や精子の老化のみが原因でダウン症になるわけではありませんが、やはり親の年齢が上がるにつれてリスクが高くなる傾向はあるようです。

40歳の出産では、約100人にひとりがダウン症などの先天性染色体異常になると言われています。


流産や早産の確率増


また、流産の確率は、20代では10%強ですが、40代では30%以上になるともいわれています。母親の食生活や体力や身体の状態によっても異なりますが、高齢になるにつれ流産のリスクは高まるようです。

また、高齢出産自体が早産のリスクだとは一概に言えませんが、高齢になればなるほど妊娠高血圧症候群や常位胎盤早期剥離などの妊娠合併症を起こしやすくなります。その結果、高齢出産では早産が多くなっています。


妊娠トラブルが増える


高齢出産になると、妊娠高血圧症候群や妊娠糖尿病などのリスクも高まります。

年齢があがるにつれて生活習慣病のリスクは高まりますが、妊娠中は血液量の増加や子宮が大きくなることで、腎臓への負担が増え、高血圧や糖尿病を発症しやすくなります。

これらは妊娠高血圧症の原因ともなり、ひどい妊娠高血圧症の場合、胎盤の発達が滞り、赤ちゃんが栄養不足になってしまうこともあります。


高齢出産・初産婦と経産婦の違いは?

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それでは、高齢出産の場合、初産婦と経産婦ではどのような違いがあるのでしょうか?

「内閣府 平成28年版 少子化社会対策白書」によると、初産の平均年齢は年々上昇しており、平成26年の初産の平均年齢は30.6歳でした。

このように初産の年齢は上がっており、第一子出産後に仕事に復帰するタイミングから、第二子の出産が35歳以上になるケースも増えています。

世界産婦人科連合によると、高齢出産の定義は「初産婦で35歳以上、経産婦で40歳以上」で、経産婦の場合は5歳引き上げられています。

これは分娩の進行の早さなどを考慮しているからです。


高齢出産の正しい知識を持って、生活習慣を整えましょう

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筆者は20代後半で第一子を出産したのですが、その際、妊娠糖尿病になってしまった経験があります。

遺伝的な要素が強かったのですが、今まで糖尿病など言われたことが無かった上に、自覚症状も全く無かったので本当に驚きました。

しかし、30代前半で二人目を妊娠した際には、食生活などに気をつけ、妊娠糖尿病には罹らずに済みました。

この経験から、食生活や生活習慣に注意すれば、妊娠出産のリスクを減らすことができると感じています。

妊娠出産においては規則正しい生活や、栄養バランスのとれた食事、適度な運動は大切ですよね。

高齢出産であっても同様に、体調管理に気をつけて、健やかなマタニティライフを送りましょう。


【監修】つづきレディスクリニック

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・理事長 吉岡範人
2005年、聖マリアンナ医科大学大学院を卒業後、同大学初期臨床研修センター産婦人科に入局。
16年間の医局勤務中、約2年間にわたりカナダ・バンクーバーにあるブリティッシュコロンビア大学へ留学しがんの研究に従事。
2019年に事業を引き継ぐ形でつづきレディスクリニックの院長に就任。

・医師 鈴木季美枝
2006年に聖マリアンナ医科大学を卒業後、同大学にて周産期専門医の資格を取得し、産科医療を中心に従事。
現在はつづきレディスクリニックにて非常勤医師として勤務。

つづきレディスクリニック(http://www.tsuzuki-ladys.com/

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