子育てで、一番驚いた事。
それは娘のたまごのおっぱいに対する思いの深さ。
たまごは本当におっぱいが大好きな娘さんでした。
おっぱい、通称ぱいぱい。
たまごは、ぱいぱいがもらえると分かると
うへっ、うへっ、ふんふん、ぐすんぐすん、うひゃーうひゃー
と泣き笑いを始めます。
もう、うれしくてうれしくてたまらないようで、泣いているのか笑っているのか良く分からない反応になるようで…。
赤ちゃんのころは、それもかわいらしかったのですが、大きくなるにつれて泣き笑い反応はどんどんエスカレート。泣くほどうれしいのね、と思いましたが少々引いてしまう私もいるくらいでした。
毎回毎回あきもせずに、うひゃーうひゃーと泣き笑いをしておっぱいを飲む。
外出先で不思議そうに見られる事もありました。授乳ケープの中から聞こえてくる不思議な声。平常を装っていましたが、ちょっと恥ずかしかったです。
ある日の事です。
育児、家事に疲れ、倒れるように床に仰向けで寝っ転がり、うとうとと眠りかけていました。
すると遠くから、うひゃーうひゃーと声が聞こえて来ます。
でも睡魔に勝てずにそのまま、うとうとしていると、だんだんうひゃーうひゃーとした声が近づいて来ます。
うひゃーっうひゃーっ、うふうふ、うえうえええーへっ
上着をめくられて飛び起きました。
娘のたまごでした。
目をぎらぎらとさせ、よだれをたらしながら私の上着をめくっています。
どうやらたまごは横になっている私を見て、ぱいぱいがもらえると勘違いしたようで、寝ている私の所に来たのでした。
その時、たまごはまだ歩けるようになって間もない頃。そして、いつも授乳は寝た状態でしていました。だから私が横になるのがごはんの時間の合図。
ごはんが寝ているのを確認して、よたよたと、よだれをたらしながら泣き笑いで近づいて来る様はまるでゾンビ(笑)。
それにしても、泣き笑いをするってすごいなあと思っていました。それほど、ぱいぱいが好きなのだろうけど、喜ぶとか笑うではなく、泣き笑いだなんて。
そしてたまごが私の所に来るのは、ぱいぱいがもらえるから?
私=ごはん
別に私でなくても良いのかも?なんて思ってしまっていました。
でも、たまごが1歳3ヶ月の頃、私に用事があり5時間ほど一人で外出をした時がありました。
私が帰宅してたまごにぱいぱいでも飲むかと聞くと、なんか様子がいつもと違います。ぷんと怒って、ご機嫌ななめです。ぱいぱいを目の前に持って行ってもプリッと怒って飲もうとしません。
そして怒っていますが、目にはいっぱい涙がたまって泣き出しそうです。
心配したんだよ、私を置いてこんなに長い間どこに行っていたの?
ぱいぱいなんて要らない。
私はお母さんと一緒にいたかったの。
そんな風に訴えているように感じました。
大好きな、ぱいぱいなのに飲もうとしないで、精いっぱいの抗議をしてくる娘のたまご。やっぱりぱいぱいが好きなのではなくて、私が好きなんだ!
私はこの事に娘の成長を感じ、とてもうれしく、そして娘はぱいぱいがあるからお母さんが良いのではなく、ぱいぱいがなくてもお母さんが好きでいてくれるのだと、うれしく思いました。
ちなみに、たまごの機嫌はしばらくしたら戻り、またいつものようにぱいぱいを欲しがってきました。
その後、娘のたまごは2歳で卒乳しました。
今でもたまに、ぱいぱいと言って、今度はおもちゃの赤ちゃんに自分のぱいぱいを飲ませたりして遊んでいます。
泣き笑いの様子はビデオにも撮りました。泣き笑いは卒乳以来一度もしていませんが、撮ったビデオを見せると目をキラキラさせてぱいぱいと、うれしそうにつぶやいています。
私「たまごちゃん、ぱいぱい飲んだの覚えている?」
娘「うん、覚えてる。」
私「おいしかった?」
娘「うん。」
私「何でぱいぱいが好きなの?」
娘「うーん。分かんない。」
私「お母さんは好き?」
娘「好き!」
私「ぱいぱいとお母さん、どっちが好き?」
娘「うーん。どっちも!」
(10分後に再び)
私「ぱいぱいとお母さん、どっちが好き?」
娘「えーっと、お母さん。」
キャーうれしい!わーいわーい!(でも娘は気を使う事も覚えたのかしら)
3歳になった今、今度は食べ物に対する欲求がすごく、毎日たくさん食べています。
ごはんは大人一人前くらい食べて、お腹をこわすのが心配で「もうやめとかない?」と言うくらいです。
好きな食べ物は独り占め。「お母さんにもちょうだい?」と言っても、「あげない!」と返されます。
玉子3個でオムレツを作ったら、ほとんど一人で食べた事もあります。
本当に食べる事が大好きみたいで、ぱいぱいがもらえると泣き笑いをするくらい、うれしかった事も納得できます。
育児は知らない事だらけ、驚いてばかりの毎日ですが、娘のたまごのぱいぱいに対する深い思いと、うひゃーうひゃーの泣き笑いが、子育てで一番驚いた事です。
ライター:viSva Chie