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公開 2021年06月15日  

親には「それくらい」が、子どもには大事件! こじれた親子関係の処方箋

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学校でおきたちょっとした出来事をとても苦痛に感じた様子の小3の息子。親としては「それくらいで?」と思うようなことでも、子どもにとっては、大事件ということも。


授業で自分の名前を書かれ、ショックを受けた息子


学校から帰宅後、小3の息子が怒りっぱなしで情緒不安定な日がありました。

こういう日は、学校で何かあった日。


「何かあった?」と聞いても、「思い出すから言いたくない!」と怒る息子。

あまり聞き過ぎてもいけないかなと思い様子をみていましたが、夜になって「話すのは嫌だから紙に書く」と言い、伝えてくれました。

その紙には、「図工の時間、作品を提出するときの例で、先生に自分の名前を書かれた」と書いてありました。



最初、私には意味がよくわかりませんでした。


というのも、同じことがあったら、「先生は私の名前を書いてくれた!」と喜ぶから。


息子にも「良かったじゃない!」と言いそうになったのです。

息子は3年生になってから体調を崩して休むことが多かったので、先生の配慮もあったのかもと思いました。


しかし息子は「恥ずかしい。書かれたくない」と涙ながらに言うのです。

その涙を見て、「泣くほど嫌なことなのか」とびっくり。


息子と自分の性格の違いを発見した瞬間でした。

とはいえどうしたものか…と悩みました。



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スクールカウンセラーに相談


対応の仕方が分からず、この件についてスクールカウンセラーに相談してみることに。

すると、「お母さんが『それくらいのこと』と思うことでも、子どもにとっては『おおごと』なんですよね」と言われました。


最初は思い出すから言いたくなかったのに、打ち明けてくれた息子。

勇気を出して打ち明けたのに、「そんなこと」扱いされれば、さらに傷付くでしょう。

「言っても分かってもらえない」と、次から話してくれなくなるかもしれません。

実際に息子は、「あの人には言っても分からないから言わない方が良い」と言うことが、度々あるのです。


息子にとって、何でも話せる相手は母の私。

その私が雑な扱いをすれば、誰にも本音を言えなくなってしまいます。

そう思い、自分の考えだけを元に返答しなくて良かったと思いました。


それでも繊細な息子に対して不安になった私に、スクールカウンセラーは「感じ方は人それぞれですから」とおっしゃってくれました。

息子には息子の感じ方があり、私には私の感じ方がある。


そう考えられるようになったことで、私の中で少し気持ちが落ち着いたのでした。


コミュニケーションスキルを身に付けることを大切に


とはいえ、先生に私から「息子の名前を書かないでください」とも言えないし…と思っていたら。

スクールカウンセラーから「彼には『嫌だと思ったら先生に言っていいんだよ』って伝えてください」とアドバイスが。


思い返してみると、小1のころ、お友達とトラブルがあっても、私から先生に言ってもらっていた息子。

小2になり、自分から先生に言えるようになったのでした。



「自分の気持ちを伝える練習を重ねれば、コミュニケーションスキルが付いて、本人の気持ちも楽になりますよ。大人も同じです」と言われ、安心しました。

そうはいっても、まだまだ気持ちを言う練習中。


実は私も、人によっては気持ちを言えないところがあり、「自分事」で考えてみると難しいと実感。



勇気を振り絞り、私も自分の気持ちを人に伝えられるよう、息子と共に練習していきたいと思っています。


※ この記事は2024年12月05日に再公開された記事です。

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