ヨーロッパからアフリカへ。実際にこのルートで旅をしてきた僕は、やはりそのギャップに驚いたものです。モロッコからジブラルタル海峡を渡ってスペインに入ると、街の様相は一変するんですね。
さて、そんなヨーロッパには日本人学校がたくさんあります。世界経済の中心地でもあるヨーロッパですので、日本人は当然たくさんいるんですよね。観光客も多く、街中で見かける日本人の多さにビックリしました。
※写真はあの有名なサグラダ・ファミリアです。一見の価値がある建造物ですね!
日本人より「もっと日本人?」ヨーロッパの「日本人の学校」レポート
777 View前回は南アメリカの日本人学校の様子について記事を書きました。ここまで来たら、世界中の「日本人の学校」シリーズを書いていきたいと思います!その中で、「子どもをどのような環境に置くべきなのか?」という、大事な教育的視点が深められる気がします。ということで今回は、ヨーロッパにある日本人学校をご紹介します。
ヨーロッパにはたくさんの日本人学校がある!
先生方が口をそろえて言っていたこと、それは・・・
ヨーロッパでは3つの日本人学校を訪れ、たくさんの先生方と対話をすることができました。その中で非常に興味深かったのは、ほとんどの先生方があるキーワードを口にしていたことです。それは、「アイデンティティ」という言葉。ヨーロッパにいると、ことさらにそのことを考えさせられるというのです。
というのも、ヨーロッパの人々は(良くも悪くもですが)自己主張が強く、「自分は何者である!」という主張もまた強いのが一般的です。その中で生活をしていると、自分のアイデンティティを再認識させられる、という話をしていました。
マドリッド日本人学校の校長先生は、次のように言っていました。
「こっちの子どもは、自分がスペイン人である!という意識がとても強い。それに対して日本人はそういった意識が強くないので、日本人の子どもたちも最初は戸惑いがあるようなんです。しかし、そのような環境の中で生きていると、自然と日本人としての意識が強く芽生えてくるんですよね。」
さらに校長先生は続けてくれました。
「我が強くなること自体は良いものではないかもしれませんが、自分のアイデンティティを明確に持つことは、これからのグローバルな時代の中では大切なことだと思います。日本にいると、ほとんどの人が日本人ですから、自分は日本人なのだ!などと考える機会はまずない。しかし、日本人学校は違う。校内は日本人しかいませんが、一歩外に出ればここは外国なので、一気にマイノリティになるわけです。こういった経験を子どものときにできていることは非常に大きいですよね。」
※マドリッド日本人学校の校長先生と一緒に・・・。
「自分は何者か?」を小さいころから考えさせられる環境
これは日本が悪いということではなく、日本という国が置かれてきた環境ですので、仕方のないことだと思います。さらに言えば、極東の島国であったが故に、地理的に日本はその歴史の中で大きな恩恵を被ってきた面も多々あります。
しかし、時代は変わりました。海を越えての国境の行き来は非常に容易になり、日本にやってくる外国人の数も増加し続けています。このような時代の中では、やはり自らのアイデンティティが試される場面というのは当然増えてきます。だからこそ、これからの子どもたちを育む環境というものに対して、この日本人学校からの言葉には、1つの重みがあるのではないでしょうか。
現在の日本の学校が悪いわけではありません。むしろ日本の学校、日本の教育は素晴らしい面もたくさんあります。しかし、確かに現実的に、多様な人々と触れ合う機会は乏しいでしょう。グローバル化が進み続ける今だからこそ、改めて「子どもを育てる環境」を、アイデンティティという視点から考えてみることも大切だと感じています。
※ベルリン日本人学校の校長先生と一緒に・・・。
様々な形、方法がありますが、やはりこれからの時代、日本の子どもたちも「自分って何者なんだろう?」と、小さいころから考えさせられる環境に身を置くことも、1つ大事なことなのではないでしょうか。世界を旅し、世界中の日本人学校を訪問してきて、僕は今そのように思っております。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。自らのアイデンティティ、大人である自分たちも、今一度考え直してみたいですね!
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