わが家には2人の娘がいます。
私たち夫婦は共働きで、平日の送迎は難しく、習い事は1つが限界。
姉妹別々での習い事も難しく、次女が3歳になったのを機に、ふたり一緒に通える習い事を探し始めました。
姉妹とは言え、性格は全く異なるふたり。
「ふたりが共通して通える習い事って一体なんだろう?」と色々悩みました。
土日に通える習い事が少ないことも、選択肢が狭まり、悩む要因に。
本人たちにはまだ、「これがしたい!」といった希望もありません。
色々悩みましたが、まずはダンスの体験レッスンに行くことに!
ダンスなら身体も動かせて表現力や感性、リズム感も養える。
いくつも習い事をさせてあげられないわが家にとって、一石二鳥だと考えました。
そしてなにより、私自身がダンスを習っていたことがあり、イメージしやすかったのです。
はじめての体験レッスンの日。
私は久しぶりに訪れるダンス教室に、ワクワクしていました。
そんな母と気持ちとは裏腹に、子ども達は緊張して母から離れられず、膝の上から様子を伺うばかり。
ほとんどレッスンに参加できない状態で、「これは無理かもしれない」と感じ始めました。
私の不安な気持ちが顔に出ていたのか、先生が声をかけてくれました。
「みんな最初はこんな感じです。ちょっとずつ慣れていきますよ!」と。
少し悩みましたが、もう少しだけ続けてみることにしました。
「まぁそのうち慣れるでしょう!」とその時は軽く考えていたのです。
しかしその後もあまり変化は見られず、レッスンに参加できない日々が続きました。
焦った私は、毎回ふたりを無理矢理教室に入れてしまい、ふたりとも泣きながら出てきてしまう事態に。
ついには、「ダンスやりたくない」と子どもの口から言われたのです。
「ダンスやりたくない」
その言葉を聞いた日、レッスンは途中で帰ることにしました。
帰りの車の中、まだ泣いているふたりを見て、私も涙が止まらなくなりました。
「ちゃんとやって欲しい」と思う私の気持ちを、子ども達に押し付けてしまっていた…。
私が大好きだったダンスを、私のせいで嫌いにさせてしまった…。
そんな後悔の気持ちでいっぱいになりました。
親のエゴで押し付けるのは良くない、子ども達の気持ちを尊重してあげるべきだ。
子ども達がやりたくないのなら、もう辞めよう。
そう思いました。
しかし自分の気持ちも落ち着いた頃、ふと思ったのです。
始めたばかりなのに簡単に辞めてしまうのは、子ども達のためになるのだろうか?
今ここで辞めてしまうと、嫌なことはすぐに投げ出してしまう子になってしまうのではないか?
「子どもの気持ちを尊重したい」という思いと、「簡単に諦める子になって欲しくない」という思い。
ふたつの思いの狭間で心が揺れました。
そもそもなぜ、子ども達はダンスをやりたくないのか?
その理由にきちんと向き合っていなかったことに、この時初めて気が付いたのです。
そして、ふたりの気持ちを聞いてみることにしました。
それぞれに「どうしてダンスをしたくないの?」と問いかけると、長女は、「知らない子ばかりで馴染めなかった」
次女は、「難しくて出来なかった」
聞いてみて、びっくりしました!
ダンスが嫌で泣いていたのではなく、本当の理由は、長女は馴染めないことが不安で。
次女は上手にできないことが悔しくて泣いていたのです。
理由を聞いた私は、子ども達の思いを先生に伝えることにしました。
すると先生は、馴染めない長女の為にレッスンに自己紹介に時間を毎回設けてくれ、次女には上手にできなくてもたくさん褒めてくださいました。
するとふたりに変化が見られました。
レッスンに参加できる時間が少しずつ増えていき、ついには子ども達から「ダンス楽しかった!」という言葉を聞けたのです。
ふたりが楽しくダンスのレッスンを受けられるようになり、「一度、舞台に立つまで続けてみよう!」と心に決めました。
その後は子ども達の意思を尊重するつもりで。
そしてついに先日、発表会の日がやってきました!
レッスンは楽しく受けられるようになったけど、何百人という観客の前でダンスを披露するのは初めてです。
特にあがり症の長女は、人前に出るのが苦手。
初めての舞台だし緊張してできないかもしれない。
そんな気持ちでドキドキしながら客席から見守りました。
しかしそこには、堂々とダンスを披露するふたりの姿がありました。
その瞬間、涙が抑えきれませんでした。
私が思っているよりもっともっと先へ、子ども達は成長していたのです。
はじめての習い事で、子ども達は大きく成長をしました。
それ以上に、私自身がたくさんのことを学ばせてもらい、成長することができました。
大人になっても「やりたくないな」「嫌だな」と感じることってたくさんあります。
その理由を考えて、どうすればいいのかを考えることは、とても大切なことだと教えられました。
あの時、子ども達と向き合い、気持ちを聞いて良かったと感じています。