陣痛の始まりがわからない?陣痛の間隔、痛みの程度まで解説
10,318 View「痛い」「つらい」というイメージが先行しがちな陣痛。いつ陣痛が始まり、痛みがどれくらい続くのか不安に思うママも多いでしょう。でも、陣痛との向き合い方を理解しておけば不安が軽くなり、ポジティブでリラックスしてお産に臨むことができます。今回は、陣痛・出産の流れ、陣痛の軽減法、妊娠後期(妊娠週数28~39週頃)の過ごし方などについて紹介します。
陣痛とは?始まりはどんな痛みなの?
陣痛とは、赤ちゃんを子宮の外に押し出すために、子宮が収縮運動をするときの痛みのことです。
赤ちゃんが外の世界に出ようとするのを助けるため、痛みは周期的にやってきます。
陣痛の始まりは大きな痛みが突然やってくるというイメージを持っているママもいるかもしれませんが、実は初期段階の痛みは、意外と小さいものです。
生理痛、便秘や下痢のときのお腹の痛みのようだったと感じる場合も。
そして、最初は不規則な痛みやお腹が張っているなと感じる程度だったものが、徐々に規則的な痛みに変わっていきます。
陣痛の始まりのサインって?
お腹の張りなどと違い、陣痛にはどんなサインがあるのでしょうか?
実際に痛みを感じた時に不安にならないため、陣痛のサインを見逃さないためにも、陣痛について理解しておくと安心です。
前駆陣痛
本格的な陣痛が始まる前の、予行練習のような痛みを前駆陣痛といいます。
前駆陣痛の特徴は、痛みの周期が規則的ではないことと、しばらくすると痛みがなくなることです。
前駆陣痛の後、本格的な陣痛が始まるまでの間隔は個人差があります。
すぐに本格的な陣痛に移行したというママもいれば、一週間後に始まったというママなど、さまざまです。
破水
破水とは、赤ちゃんを包んでいる羊膜の一部が破けて、羊水が体の外に出てくることをいいます。
破水にも個人差があり、タイミング的に必ず陣痛の前に起こるとも限りません。
羊水がほんの少ししか出ずに破水かどうか分かりづらかったというママもいれば、どっと流れ出ておもらしのようだったというママも。
破水すると、赤ちゃんがいる子宮が外の世界とつながり、細菌が入ってきて感染を起こすことがあるので、破水後にシャワーを浴びたり入浴をしたりすることはできません。
早めに病院へ行きましょう。
おしるし
おしるしとは、血液の混じった粘液性の分泌物が、陣痛が始まる数時間~数日前に出ることをいいます。
子宮口が開いてきて、子宮の収縮運動によって卵膜が子宮壁から剥がれ落ちることによって出血します。
出てくるものは、粘液と混ざって少し粘り気があることが多く、色や量、時期には個人差があります。
ピンクや茶褐色という場合もあれば、鮮血のような色の場合も。
量はほんの少しのこともあれば、生理と同じくらいの量が出ることもあり、おしるし自体がない場合もあります。
量が多い場合は、生理用ナプキンを当てておくとよいでしょう。
そして、おしるしの後すぐ陣痛が始まることもあれば、一週間陣痛が来ないこともあります。
おしるしがあっても、破水や陣痛がなければ病院に行く必要はありませんが、出血量や回数が多かったり、痛みを伴ったりする場合は、病院に連絡しましょう。
陣痛がきたらどうすれば良い?出産までの流れについて
陣痛が来たときに大切なのは、あわてないこと。
いざというときに落ち着いて対応できるよう、陣痛が来たときの対処法と、陣痛~出産までの流れを理解しておきましょう。
分娩第一期
分娩第一期は平均で数時間から12~15時間かかりますが、個人差があります。
赤ちゃんは横向きで骨産道に入り始め、後頭部が骨盤にすっぽりとはまり、陣痛の力で体をうまく回転させながら狭い産道を通って外に出ようとします。
分娩第一期は、次のような流れを目安としておけばよいでしょう。
・子宮口の開き具合が0~5、6cmの場合…5~15分間隔の不規則な痛み
・子宮口の開き具合が5、6cm~10cm…規則正しい間隔の激しい痛み
・子宮口の開き具合が10cm(全開)…最も激しい痛み
分娩第二期
分娩第二期では、子宮口が全開して、いよいよ赤ちゃんが誕生する段階です。
初産の場合は2~3時間、経産婦だと1時間程度という場合が多いようですが、個人差があります。
無理にいきんで赤ちゃんを押し出すのではなく、陣痛に合わせて赤ちゃんが外に出ようとするのを助けようという気持ちで過ごすとリラックスできるでしょう。
陣痛が激しくても息を止めず、呼吸を意識して赤ちゃんにたくさん酸素を送ってあげることが大事です。
赤ちゃんは無事に外に出てくると、体重や身長を測ったり、検査をしたりします。
分娩第三期
分娩第三期では、赤ちゃんが出てきた後、剥がれ落ちた胎盤が身体の外に出てきます。
所要時間は、5~20分程度の場合が多いです。
軽い陣痛のような痛みを伴う場合もありますが、個人差があります。
分娩第四期
やっと会えた赤ちゃんとスキンシップの時間です。
ママの胸と赤ちゃんの肌を直接合わせて体温を感じるカンガルーケアをしたり、おっぱいをあげたりします。
出産を終えた安心感と、赤ちゃんのかわいさを満喫できる時間です。
たくさん触れ合って、赤ちゃんとの絆を深めましょう。
陣痛が来ない、わからない
初めての陣痛は何かと不安ですよね。
実は陣痛が始まった時、すぐに陣痛だとわかったと答えたママは26.3%なのに対して、陣痛かどうかすぐにはわからなかったと答えたママは、倍近い52.2%だったというデータも。
陣痛は徐々に痛みが強くなることが多く、進み方は人によって違うので、最初は陣痛が来ない、わからないと感じても当然かもしれません。
判断に困ったら、病院に相談しましょう。
妊娠後期に気をつけたい5つのこと
陣痛、分娩を順調に進めるためにも、妊娠後期の過ごし方には気をつけたいもの。
そこで、ここでは妊娠後期に気をつけたいことを5つお伝えします。
お腹の張りを感じたら休む
妊娠8~10ヶ月(妊娠週数28~39週)を迎えた妊娠後期には、だいぶお腹も大きくなり、身体も重くなります。
少し動いただけでも疲れたり、息切れしたりということも増えるでしょう。
家事をしているときや、適度な運動しているときにお腹の張りを感じたら、決して無理をせず休むことが大切です。
カフェインを多く含むコーヒーやお茶は控える
カフェインの摂りすぎは、胃が荒れたり、貧血を起こしやすくなったりする原因になります。
重い貧血を引き起こすと、赤ちゃんへの栄養や血液の流れが悪くなるだけでなく、ママ自身の身体にも悪影響が出てしまうことも。
1日、1~2杯なら問題はありませんが、なるべく控えることをおすすめします。
麦茶やルイボスティーなどのノンカフェインのお茶や、カフェインレスコーヒーをうまく活用しましょう。
身体を冷やさないようにする
妊娠中は、赤ちゃんに栄養を送るため、ママの身体は免疫力が落ちています。
免疫力が落ちて身体を冷やしてしまうと、赤ちゃんに栄養が行き渡りにくくなり、早産や死産を引き起こす可能性が上がってしまうことも。
また、赤ちゃんはお腹の中であたたかいところを求めて動き回る習性があり、身体が冷えると逆子になるリスクが上がると言われているので、注意が必要です。
長時間の運転は控える
妊娠後期は、
・お腹が大きく運転しづらい
・長時間座っていると腹圧がかかり、早産の原因にもなりえる
・妊娠中は動作が鈍っていて、とっさの判断が遅れることがある
・ホルモンバランスの乱れや寝不足から、眠気をもよおすことがある
ということが心配されるので、できれば運転は控えた方が安心です。
どうしても移動手段が必要なときは、家族に運転してもらう、公共交通機関を使う方が安全でしょう。
体重の急激な増加に気をつける
妊娠後期は、お腹も大きくなり身体も重いため、動作が鈍ったり、動くのが億劫になったりします。
この時期、急激に体重が増えてしまったというママも少なくありません。
この時期の体重増加は、妊娠高血圧症候群を引き起こしたり、赤ちゃんが大きくなりすぎて難産になってしまう要因の一つになると考えられています。
家事などをして身体をこまめに動かしたり、先生の指示のもと適度な運動をしたり、規則正しい生活を心掛け、食事のバランスが乱れないように注意しながら体重管理をしましょう。
陣痛を軽くする!4つの過ごし方
妊娠後期を経て、いよいよ出産間近。
できるだけ陣痛を軽くしたい!と願うママも多いのではないでしょうか。
ここでは、陣痛が始まってからの過ごし方や、軽減方法を紹介します。
立つ・歩く
重力を利用して、赤ちゃんが下りてくるのを促しましょう。
具体的には、以下のような方法があります。
・病室や廊下、階段を無理のない程度に歩く
・陣痛が来たら壁やパートナーに支えてもらって休む
・痛みがあるときに腰を小さく左右に振ると、痛みが和ぎ、子宮口の開きを促す効果がある
・スクワットをすると骨盤が広がり、お産を促してくれる効果がある
楽な姿勢で座る
自分がリラックスできる座り方を探してみましょう。
いすやクッションに座ってみたり、あぐらをかいたりして、そのときに楽な姿勢を実際に試してみます。
産院によっては、アクティブチェア、バランスボール、分娩椅子などがあるので、好みの道具を使用してみるのもいいでしょう。
全身をあたためる
全身をあたためると、リラックスする、陣痛を促すなどの効果があります。
場合によっては、シャワーを浴びたり入浴したりしてお産を促すことも。
破水していて入浴が無理な場合は、足浴も効果があります。靴下やレッグウォーマーであたためるのもいいでしょう。
クッションを脚の間に挟んで横向きに寝るのも、リラックスできてオススメです。
息をゆっくりと深く吐く「ソフロロジー」をする
ソフロロジーの基本は、「物事すべてをあるがままに前向きにとらえる」ということです。
そして、出産や陣痛に対して「不安」を感じるのではなく、ポジティブに考えて受け入れることをソフロロジー式分娩といい、リラックスできる呼吸法の1つに「ソフロロジー式呼吸法」があります。
リラックスできる音楽を聴きながら、ゆっくり深く息を吐くことに集中することで、陣痛から気持ちをそらして痛みを和らげるだけではなく、体内に十分な酸素を送ることにもつながります。
緊張して身体が硬直しているときより、リラックスしているときの方が痛みを和らげることができ、産道を広げる手助けをしてくれると考えられています。
ポジティブな気持ちで陣痛に向き合いましょう
陣痛の流れや、陣痛との向き合い方について紹介してきました。
確かに陣痛は痛みが伴いますが、この記事が少しでも不安を和らげる助けになれたらと思います。
出産は待ちに待った赤ちゃんとの対面です。
ポジティブな気持ちで、出産に臨みましょう。
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