「つわり」は、妊婦さんが妊娠4~6週目くらいから感じ始めて、妊娠12~16週目くらいには落ち着くことが多いようです。
つわりがもっともつらい時期は7~9週目ですが、妊娠10週目には症状がおさまったという方もいれば、赤ちゃんが生まれるまでつわりのような症状が続いていたという方もいます。
つわりの期間には個人差があり、症状についても人それぞれ。
つわりの症状の重さは、日常生活に支障ない程度の方もいれば、医者にかかるほど重くなってしまう方もいます。
つわりが始まると多くの場合で吐き気があり、食欲がなくなったりや吐いたりしてしまうことがあります。
人によっては逆に食欲が増したり、食べ物の好みが変化したりすることも。
実際のつわりの症状は、個人差が大きいようです。
残念ながらつわりを予防する方法はないので、症状をやわらげつつ乗り切る方法を探しましょう。
ストレスや不安を覚えるとさらに症状が重くなることもあるので、こころとからだをリラックスさせることがおすすめです。
例えば、吐き気のある方は食べられるものを食べるようにし、水分だけはしっかりとります。
空腹になると吐き気が強くなることもあるため、食欲が無い時は少量をこまめにとると良いでしょう。
つわりで体重がどんどん減ってしまうとき、水分も取れないほどの吐き気や嘔吐があるときは、病院で診てもらってください。
つわりでつらいときは、症状にもよりますが薬を処方してもらえる場合もあるので、医師に相談してみると良いでしょう。
つわりの時期は、食べ方に工夫すると吐き気を軽減できることもあります。
食事間隔が空くと血糖値が上がって吐き気を催してしまったり、胃が空っぽになるとむかつきを感じてしまったりすることがありますので、こまめに食べるようにしてみましょう。
朝の起床時は、1日の中でもっとも胃が空っぽになっているタイミング。
朝の吐き気を避けるには少し食べてから寝るようにしたり、朝は布団の中で炭水化物を少し摂ったりしてみます。
枕元につまめる食べ物を置いておくのも良いでしょう。
また、満腹になってしまうと吐き気を催してしまうこともあります。
空腹でも満腹でもない時間をキープすることを心がけてみましょう。
つわりの時期には吐き気でつらくなったらすぐに休み、ストレスなく過ごすことが症状をひどくしないコツです。
つらいことを家族や周囲の人に理解してもらい、無理なく過ごせる環境を整えましょう。
からだを締め付ける下着や服を避けたり、趣味や外出などで気分転換をしたりすることでも、つわりの症状を軽くできるかもしれません。
妊娠初期のつわりで食欲がなく吐き気の続く時期は、栄養バランスを重視するのではなく、食べられるものを食べられれば良いと考えましょう。
においや味、見た目で吐き気を催してしまう食べ物を避けるようにします。
つわりの時期は水分を摂ることが大切ですが、中には飲み物で気持ち悪くなってしまう方も。
その場合は、水分の多い生野菜や果物を食べるようにしてみましょう。
食間に水分を摂るようにした方が、負担が軽減されることもあります。
主食となる米やパン、うどんやパスタなどの麺類、クラッカーなどに含まれる複合炭水化物は、つわりを和らげるといわれています。
食べられそうであれば積極的に取り入れてみましょう。
吐き気のあるときは、温かい料理に比べて冷たい料理の方が食べやすいこともあるようです。
つわりのある妊娠初期には、ビタミンB群のひとつである「葉酸」を積極的に摂ることをおすすめします。
赤ちゃんの正常な発育に欠かせないのに加え、食欲を増してくれる働きもあります。
人参や枝豆、かぼちゃなどの緑黄色野菜や、牛レバーに多く含まれているので、食べられるものがあればメニューに加えてみましょう。
他には豚と鶏のレバー、ひじきや納豆などに含まれる「鉄」や、牛乳や大豆製品、水菜やモロヘイヤなどに含まれる「カルシウム」、きのこ類や寒天、いも類などに含まれる「炭水化物」もつわりの時期に摂りたい栄養素です。
レバーや卵黄、うなぎなどに含まれる「ビタミンA」と野菜や果物から摂取できる「ビタミンC」もメニューに取り入れてみましょう。
妊娠初期のつわりの時期は必要な栄養素を含み、食欲をそそるような酸味や冷たさのあるメニューがおすすめです。
続いて、5つのメニューをご紹介します。
アジは一口大に切ってから塩と醤油を振って焼き、塩もみきゅうりや青じその千切り、錦糸卵の具を用意します。
酢飯に具と炒りごまを混ぜたら出来上がり。
焼いたアジと炒りごまの香ばしさが食欲をそそる1品です。
蒸した鶏ささみ肉を手で裂き、マヨネーズと醤油、すりごまとあえます。
マスタードを混ぜたバターをパンに塗り、レタスと鶏ささみ肉とを挟みます。
つわりのつらい時期でも簡単にできるシンプルさが嬉しい1品。
ごまにはつわり時期に摂りたい鉄分が多く含まれています。
茹でたモロヘイヤとえのき茸を、だし汁と醤油、酢と砂糖と和えます。
モロヘイヤは緑黄色野菜の中でもビタミンとミネラルが豊富なのに加え、カルシウムも多く含んだつわり時期におすすめの食材です。
程よい酸味でさっぱりといただけます。
食べやすい大きさにちぎったレタスと、一口大に切ったトマトとモッツァレラチーズ、千切りのバジルをドレッシングで和えます。
ドレッシングはみりんと塩こしょう、オリーブ油で作ることもできますが、市販のドレッシングを使っても。
お好みでかつお節やすりごまをプラスする和風アレンジもおすすめです。
薄いとろみがありしょうが風味が特徴ののっぺい汁は、冷たくしてもおいしく食べられます。
食物繊維が豊富な根菜を豊富に使っているので、つわり時期にはおすすめのメニュー。
里芋やごぼう、人参、きのこ類などをお好みで入れ、鶏ささみ肉を加えましょう。
醤油と塩、しょうが汁で味を整え、最後に片栗粉でとろみをつけて完成です。
つわりの時期が終わり食欲が戻ってきたら、3食をしっかりと摂ることを心がけましょう。
赤ちゃんを育てる妊娠中は、エネルギー量と各種の栄養素の必要量が増しています。
ご飯やパンなどの「主食」と魚や肉などの「主菜」、野菜やいも類などの「副菜」を揃えたメニューにしましょう。
むくみを避けるために加工食品の使用を抑え、塩分を控えめに調理します。
妊婦さんは、赤ちゃんが血液を造るために鉄分が不足しがちになるので、つわり時期から引き続き「鉄」と、鉄の吸収効率を高める「ビタミンC」を多く含む食材を摂りましょう。
つわりを予防したり、治したりすることはできませんが、つわりを和らげることができるよう、食事や生活を工夫して乗り切るようにしましょう。
つわりの症状は人それぞれで、吐き気などが悪化する原因も個人差があります。
ストレスがかかるようなことは避け、食べ方や食材などは自分にあったものを探してみましょう。