生後10ヶ月になると、動きもかなり活発に。
この時期の発育、発達の目安を確認しておきましょう。
生後10ヶ月の赤ちゃんの身長と体重の目安は、下記の通りです。
・男の子 身長:68.4~77.4cm、体重:7.34~10.59kg
・女の子 身長:66.5~75.6cm、体重:6.86~10.06kg
成長曲線に沿っていれば問題ありませんが、今までと比べると、体重の増加が緩やかになる子が多いようです。
これは、1歳に近づくにつれ食事量も増えますが、同じく運動量も増えるためです。
10~11ヶ月になると、多くの赤ちゃんがつかまり立ちをするようになります。
しっかり自信をもって立てるようになったら、椅子やローテーブルなどにつかまって、伝い歩きがスタート。
とはいえ、速く動きたいときはまだまだハイハイです。
大人の後をハイハイでついて回る「後追い」も始まるでしょう。
簡単な言葉を話し始めるのはもう少し先ですが、話し始める前でも、赤ちゃんはもうママやパパの言っていることを理解しています。
おもちゃの名前を伝えてみるなど、馴染みのあるものでそれが分かるでしょう。
ワンワンはイヌ、ブーブーは車など、だんだん赤ちゃん言葉から大人言葉へ変えていくよう教えてあげたいですね。
好奇心旺盛で大人の真似も大好きですので、身の回りのもので一緒に遊ばせてあげましょう。
回数も1日3回となり、大人と近い食事をするようになる10ヶ月の赤ちゃん。
授乳、ミルク、離乳食のポイントを見ていきましょう。
朝、昼、晩と3回食になった離乳食も、そろそろペースができてくるころ。
歯ぐきで上手にカミカミできるようになり、バナナくらいのかたさのメニューを増やしても大丈夫になります。
ミネラル類、特に鉄分は日ごろの食事だけでは不足しやすいので、粉ミルクで補うようにするのがおすすめです。
母乳の場合は、スープやリゾットなどのメニューに粉ミルクを使ってみてもいいでしょう。
手づかみ食べ、遊び食べも、ますます活発に。
こちらは大変に感じてしまいますが、これらの食べ方は一時的なものであり、手づかみ食べはスプーンを持つ前段階として必要なステップです。
また、「これを握ったらどうなるのかな?」などを学ぶことにもなります。
赤ちゃんにとっての離乳食は、栄養摂取だけではなく、大切な経験なのです。
赤ちゃんが遊び食べするのは普通のことと割り切り、「次は食べられるかな?」と声かけしながら食事を進めてください。
うまく食べられない時は固さが合っていない可能性もあるので、変化をつけてみるのも一つの方法です。
このころになると自我が発達し、「これは食べたくない」など、自己主張がはっきりしてきます。
食べ物にも、好き嫌いが出てくるのは当たり前といえるでしょう。
一時的にあまり食べなくなることも、この時期の赤ちゃんにはよく見られます。
食欲にムラがあるのは当然なので、赤ちゃんの機嫌がよく元気がいいなら問題はありません。
体力がついてくる、10ヶ月の赤ちゃん。
睡眠にも少し変化が現れるようです。
生後10ヶ月の赤ちゃんの睡眠時間は、平均して1日10~12時間ほど。
これは、午前と午後の1回ずつのお昼寝を合わせた時間ですが、午前中のお昼寝をしない赤ちゃんも多くなります。
夜、赤ちゃんが突然起きて、そばに人がいないと泣き始める。
これは、この時期の赤ちゃんに見られる「分離不安」です。
体調に問題ないかチェックし、おむつが濡れているならサッと交換を済ませ、あとは「近くにいるから大丈夫だよ」と静かに教えて、やさしくトントンしてあげてください。
寝つきが悪いようなら、夕方にお昼寝をさせないなど、眠りのサイクルを見直してみてもいいでしょう。
体力がついてきてお昼寝が短くなるなど、日中の過ごし方をどうしようかと悩んだら、次のことを参考にしてみてください。
体力がついたことで午前のお昼寝をしない子も増えますので、午前中はたっぷり体を動かして遊ばせてあげましょう。
しっかり遊ぶことで、夜の寝つきもよくなります。
積極的に外遊びをしましょう。
また、つかまり立ちが上手になったら、上下分かれたお洋服が、おむつ替えに便利です。
こうした変化にも、赤ちゃんの成長を感じますね。
親子のコミュニケーションがますます楽しくなる、10ヶ月ごろの赤ちゃん。
一人遊びもできるようになりますが、たくさん関わってあげたいものです。
このころの赤ちゃんの特徴として、直前のことを覚えている「短期記憶」や、予測する能力の発達があげられます。
これは、ぜひ遊びにも取り入れてみましょう。
「いないいないばぁ」遊びは短期記憶力を高めることになりますし、おもちゃを隠して探してみるなどもいいでしょう。
また、物を投げる、叩くなどもしたがるので、安全なおもちゃを用意してあげてください。
必ずしも市販品でなくても、トイレットペーパーの芯や空容器など、おうちにあるものでも赤ちゃんは十分喜んでくれますよ。
つかまり立ち、後追いと赤ちゃんの動きが活発になるにつれ、事故が増えるのもこのころです。
子どもの事故の多くは家の中で起きていると言われていますから、十分に対策をしてあげたいですね。
家具や浴槽など思わぬ場所に登ることもあるので、伝い歩きをはじめたら、家具を固定する、お風呂場には鍵をつけ水は抜いておくなど、注意しましょう。
扉や引き出しの指はさみ、階段からの転落なども気をつけたいところですので、ガードするものを設置しましょう。
また、上のお子さんがいる場合は、小さなおもちゃも危険ですので、きょうだいでエリアを分けるなど気をつけたいところです。
栄養状態の確認や育児相談のほか、病気の早期発見、発達の妨げとなる要因の発見を目的として実施される乳幼児健診。
9~10ヶ月健診の場合、呼びかけに応じるか、小さなものを上手につかめるかなどをチェックします。
9~10ヶ月健診の時期や場所は自治体によって異なりますので、忘れずに受けるようにしましょう。
ほかの赤ちゃんの様子を見たり、同じ月齢の赤ちゃんのいる方と交流したりする機会にもなりますよ。
このころになると、乳歯が生えている赤ちゃんも多くなります。
1本でも生えてきたら、1日2回、赤ちゃん用の歯ブラシでのケアをはじめましょう。
また、「体調には問題がないのに、赤ちゃんの機嫌が悪い」という場合、歯が生えかけている時の「歯ぐずり」の可能性があります。
大人の指で歯茎のマッサージを行う、歯固めを与えるなどしてみましょう。
授乳をしながら寝かせる習慣がある場合は、虫歯の原因になるので、ぜひ改めてくださいね。
10ヶ月になると、職場復帰の準備を考えるママも増えることでしょう。
少しでもスムーズに職場復帰するには、事前の準備が大切です。
保育園に入れたらホッと一安心してしまうところですが、ほかにも、以下のようなことをしておくといいでしょう。
・予防接種など済ませられる用事は済ませておく
・家事を徹底的に時短する(宅配の利用など)
・病児保育について調べておく
・ファミリーサポートの申し込みなど協力者を確保する
特に病児保育やファミリーサポートは、いざ困った時にすぐ利用できるわけではありません。
事前の登録が必要なので、しっかり調べておきましょう。
またわたしの場合、体験談というよりは後悔なのですが、もっと夫に家事を覚えてもらっておけばよかった、と思っています。
当時、夫には子どもの世話を頼んで私が家事をすればいいと思っていたのですが、子どもが私にべったりで夫を全力拒否!
当時の夫の家事は、「やってと言えば渋々やるけど自分からはしない」「皿洗いでは半分以上のお皿に汚れが残っている。鍋は洗わない」というレベルでしたので、本当に困りました。
家庭によっては難しいこともあるでしょうが、完璧でなくても「一通り、ある程度はできる」という状態だったら、復帰後の負担は全然違っただろうなと思います。
体はもちろん、心もぐんぐん成長し一人遊びも上手になってくる10ヶ月の赤ちゃん。
自己主張が出てくることで、特に離乳食においては、好き嫌い食べムラなどさまざまな悩みも出てきます。
ただ、大事なのは赤ちゃんが元気であることなので、様子をよく観察してあげましょう。
大人の言うことがかなり理解できるようになり、言葉に反応を示すようになるころです。
コミュニケーションをたっぷり楽しみたいですね。