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公開 2020年06月01日  

遊んでばかりの夫の育児。イライラが「愛しい」に変わった日<第四回投稿コンテストNO.50>

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寝かしつけも食事も、時間がかかる夫。タスクが終わらずやきもきしていたえにゅっこさんは、思い切って夫に伝えてみたそうです。



私が思う夫のナイス育児。

それは「夫婦で方針が違う」という事。


「それってマズくない!?」って思った方も多いと思います。

なんなら私だって「これはマズイぞ…!」って思ってましたから。

そんな考えを「ナイス育児!」と捉える事ができるようになった出来事を今回はお話しさせていただきます。


まず家族構成をご紹介。

娘:ツインテールを日々振り乱す2歳半。パパが大好き。ベジタリアン。


パパ:ITドカタの会社員。めちゃくちゃ優しい。温厚でのんびり屋、細い。


ママ(私):音楽系在宅ワーカー。せっかちで責任感が強い。超テンパる、太い。


時は夜。

1日の中でも疲労度の高い「夕食・風呂・寝かしつけ」の3大タスクがやってくる。

計画通りに進むはずない…ってわかっていても、なるべく大幅なズレを避けたいと考えてしまうのが人の性。

そう思うとパートナーへのちょっとした行動にどうしてもイラついてしまう事もある。


まずは夕食。

私「もうすぐご飯できるよー」

娘「えーごはん?いらなーい」

…はい、出ました。

もはや鉄板のコール&レスポンス。

娘の「NO」の回数によってロスタイムが増えていく。

どう見越したって丹精込めた食事も冷めてしまう。


…え?パパはどこかって?いますとも。

娘にお仕えする執事かのようにお遊びのお供にぴったり従事しておられます。

なんと微笑ましい光景…だ・け・ど。

娘を、食卓へ、促せーぃ。


次はお風呂。

娘とパパのウキウキランデブータイムは30分~最長で1時間。

私が家族分の就寝準備や後片付けをしていると曇りガラスの向こうから「ウフフ、アハハ」と絶え間なく聞こえてくる。

まぁ~ラブラブですなぁ。

私なら15~20分程度で済ませてしまうぜーぃ。


そして大トリ、寝かしつけ。

寝かしつけに関しては私は日中に残した仕事を進めるため基本はパパが行う。

「パパとねんねしたい」と私にはっきり申し伝えた娘、パパと和室にIN。

せっかくなので、寝かしつけする姿をモニタリングしてみましょう。


「さぁねんねしようね~」

パパの優しい声掛けもむなしく、狂喜乱舞しながら布団を尻目にぐるぐる周回しだす娘。

私ならぬいぐるみ達を使ってすぐにでも布団にピットインさせるところだが…。


さぁ、ここから、どうする?

パパ、布団をそっと整えて寝たふりの体勢に入りつつ、かけ布団をめくって待機。

娘、パパの横っ腹に馬乗りして「ねぇ起きて!ねんねじゃない!」と荒ぶる。

さらに娘、室内の枕という枕をかき集めて何かを組み立て始める。

娘の寝る気、ゼロ。

パパは叱る気、ゼロ。


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50分ほどかけて寝静まった寝室を抜き足差し足で退出したパパ。

そして1日を振り返る夫婦会議の時間へ。

軽い雑談をしたあと、夫婦の方針の違いを最小限にすべく私は意を決して、話を切り出した。


私「…言いにくいんだけど、もっと早く次のタスクに移る事ってできませんかね?」

パパ「ん~そうだねぇ…。でもさ、娘、とっても楽しそうなんだよね~」

私「確かに楽しそうだけどさ…」

パパ「もちろんやらなきゃいけない事もたくさんあるけど、俺は娘の気持ちを第一にしてあげたいかな。ママはどうしたいの?」

私「私はタスクを遂行してから気持ちをフォローすればいいと思ってて…」

パパ「なるほど。それもありだね~」

私「…!」


その瞬間、何かズキッとくるものを感じた。

(この感覚、記憶にある気がする…)


小学生の頃、私にとって親という存在は威厳というより恐怖の象徴だった。

用意されたレールから外れれば説教と謎の武勇伝で猛攻撃されていたあの頃。

幼心ながら「これが当たり前なら結婚なんてしたくない。ましてや人の親になんて絶対なるもんか」と誓ったこともあった。


しかし高校生になったある日、人生で初めてお付き合いする事になった現在の夫のおかげで私の固定観念は変わった。

デートの行き先など積極的にリードしてくれるタイプでは無かったものの、私の主張を強く非難してきた事はほとんど無く、ありのままをするっとまるっと受け入れてくれて…。

そんな日々がすごく嬉しかったし居心地が良かった。

「この人と一緒にいれば大丈夫」

心底そう思えた。


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あれから、10年+α。


そんな夫の優しさは三十路を超えた今でも全く変わっていない。

変わらないどころか「今は私だけではなく娘にも実行してくれている」という事に気づいたのだ。

私は自分のトラウマを差し置いて、危うく自分のレールに二人をむりやりねじ込んでしまうところだった。あぁ、危ないところだった。


「…そういえば、私もあなたにそうやってず~~っと優しくしてもらってきたわ」

そう思うとストンと腑に落ちるものを感じた。


娘との遊び、お散歩にもとことん付き合う。

汚れが気になった場所は積極的に掃除してくれる。

昨今の事情で時短勤務&週休3日になってからは娘の遊びに尽力しすぎて痩せた(!)

私が好んで食べるお菓子も買ってきてくれる(!!)


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つまり私の夫であり娘のパパは、私の語彙では表現しきれないレベルで「めちゃくちゃ優しい」のである。

そしてその優しさに応えるかのように娘も「パパ大好き」なのだ。


素晴らしい。

ハラショー。

というか、いつの間にこんなにグレードアップしてたの…。


もちろんタスクが山ほどあるのは揺るぎない事実。

だけど、夫婦こぞってタスクに追われる必要性は無いしパートナーの方針に合わせて行動する必要もないんだ、とハッとした。

子どもへの愛情が同じであれば「夫婦で同じ教育方針じゃなくたっていい!(ぺこぱ風)」そう思えるようになったのだ。

サッカーやバスケットボールのようにお互いが逆サイドに動いて、アイコンタクトやパスを出し合いながらゴールに向かえば良い。

こうして、また夫のおかげで私の固定観念が変わった瞬間である。


正解なんて存在しない。

「その方針も良いね」と、共感してくれた夫。


ありがとう、最高の夫よ。

こんな優しい人と高校生の時に出会って今があるなんて、信じられない。

私、青田買いがすぎるわ(笑)


今日も仕事から帰ってきた夫に「おかえり~!」と飛びつく私と娘の姿があります。

娘と私が明るくキャッキャと笑って過ごせてるのは紛れもなくパパ、夫のおかげ。

「定時ダッシュで帰ってきてほしい…!」と毎日願っています♡

ほんとに、本当に、ナイス育児~!!


(ライター:えにゅっこ)


※ この記事は2024年11月12日に再公開された記事です。

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