我が家の双子たちは、学校が終わると、学校に併設されている放課後キッズクラブに通っています。
キッズクラブでは、その月のテーマに応じた工作の時間があり、10月はハロウィンの小物作りが予定されていました。
ある日、息子が言いました。
「今度の金曜日、絶対キッズに行くからね。僕、ハロウィンの帽子作るんだ〜。約束だからね!」
最近我が家では、在宅勤務の日は直接自宅へ帰宅することも増えているので、あえて息子は
「金曜日にキッズクラブへ行く」
と宣言したのでした。
私は、その時「ふーん、わかった。金曜日キッズね」と適当に返事をしました。
それからしばらくして、私は、インフルエンザの予防接種の申込みをしていないことに気づきました。
ママ友から「近隣の小児科が軒並み予約を締め切っている」との情報を得たので、急いでかかりつけ医へ。
「一番早く予約できる日は、今週の金曜日の午後ですね」とのことでした。
私はすぐに金曜日の予約をとり、1ヶ月先の2回目の予防接種まで仮押さえをしました。
その日の夜、双子たちをキッズクラブへ迎えに行き
「今週の金曜日は予防接種に行くため、キッズクラブの利用はキャンセルでお願いします」
と先生に伝えたところ……
それを聞いていた息子が、顔を真っ赤にして
「金曜日はキッズに行きたいっていったのに!」
と怒りだしました。
私はそのときになって、ハッとしました。
「ごめん、予防接種は2回打たなきゃいけないから早くしようと思って、予約しちゃった」
と伝えると
「どうせ僕の話、忘れていたんでしょ」
と言われてしまいました。
「ハロウィンの工作が作りたかったんだよね」と言うと、涙を目にいっぱい溜めた息子は、プイっと外に出ていってしまいました。
私が約束をやぶったと息子が怒るのには理由があります。
それは、我が家では双子たちが小さい頃から
「約束は約束。守れない約束はしない」
をルールとしてきたからです。
どんなに子供が小さくても、万が一約束を守れなかった場合は、その理由をきちんと説明し謝って対応してきたのです。
だからこそ、今回の私の適当な対応を怒ったのでしょう。
息子の様子を目の当たりにして、私は息子の話をきちんときいていなかったことを反省しました。
キッズクラブの先生に「工作の材料だけもらって自宅で作ることはできないか?」と聞いてみたものの、当日出席した子しか参加できないので、材料の提供は難しいとの返事。
さてどうしたものか……。
私たち親子の様子を見て、キッズクラブで作る予定の作品を先生が見せてくれました。
それは、画用紙や発泡スチロールで作った魔女の帽子と、ジャック・オ・ランタンの置物でした。
私は、見本を写真に撮って「家で作ってみよう」と双子たちに提案してみました。
娘は乗り気で、「いいねいいね!」と言いました。
息子はというと、「どうせ家ではキッズみたいに材料がないからできない」とすねていました。
金曜日は予定通り予防接種を受けて、その足で工作のための材料の調達に向いました。
当たり前のことですが、キッズクラブで使うはずだった材料全てを調達することはできません。
双子たちには、「キッズクラブで作るはずだった作品をそのまま作ることはできないと思うけど、せっかくなら、自分だけのオリジナルのアイテムが作れるように考えてみよう!」と言ってみました。
すると、今まで「お手本みたいには作れないよ」と言っていた息子が、目を輝かせて、材料を選び出しました。
「キラキラにしたいから、このモールを使ったらどうかな?」
「この飾りもいいね」
2人はとても楽しそうでした。
帰宅後、さっそく工作開始!
「どうしたら魔女の帽子がつくれるかな?丸く切ればいい?それとも三角?」
あーでもない、こーでもないと言いながら目的の形を目指しました。
細かい作業はところどころ私も手伝いながら、思い思いに魔女の帽子を作っていきました。
工作している2人を見守りながら
「小学生になると自分たちで出来ることが随分増えるなぁ……」
そんなことを思っていました。
思い返せば、双子たちが小さい頃は、2人に同時に何かをやらせてあげることなんてできませんでした。
ハサミを使わせようにも、一度に2人を見なければいけないので、私1人では怖かったのです。
それがいつの間にか、自分たちの頭の中に思い描いたものを、自分たちの手で作れるようになっている双子たち。
2人の成長を感じた瞬間でした。
「あ!こうしたらいいかも!」
どんどんアイディアが出て、2人はオリジナルの作品を完成させました。
自分たちで考えて作ったことがとても楽しかったようで、休み明けにキッズクラブに行ったとき、「キッズより良いのができた!」と誇らしげに先生に報告していたと教えてもらいました。
私の失敗がきっかけではじまった、お家でのハロウィン工作。
双子たちの成長を感じた出来事だったのと同時に、双子たちが大きくなってきたからこそもう一度
「約束は約束」
というルールを、私自身が守っていかなくては!と反省と同時に決意した出来事でした。