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公開 2021年01月06日  

離婚後、初めての年末年始。特別なことは何も出来なくても、前向きになれたワケ

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今では年末年始は楽しみな行事の一つですが、シングルマザーになって初めての年末年始、私はどうしようもなく寂しかったのです。そのときのことをご紹介したいと思います。


初めて2人で過ごす年越し


私はシングルマザーで娘と2人で暮らしています。

結婚していたときは、とても忙しい年末年始を過ごしていました。 

元旦那さんはとても社交的な人。 

営業職をしていたこともあり、交友関係は広く、年末年始は元旦那さんに関わる予定でいっぱいでした。 

まず年末になると、仕事関係やお世話になった方への挨拶周り。 

突然の来客もあるので、大掃除や食事の準備もしておきました。 

そして元旦に向け、義実家と自分たちの2家族分のおせちを作っていました。 

元旦になると、義実家におせちや手土産を持って挨拶に。 

その後は元旦那さんのお友達や仕事関係の方で、年始から働いている方への差し入れをして回りました。 

一方私の実家は、家族に医療従事者が多く、年末年始はほとんど誰も家にいないという環境で育ちました。 

それもあって、結婚した当初は忙しい年末年始に驚きながらも、新鮮でした。 


その後離婚。

そして、初めて娘と2人で過ごすことになった、数年前の年末。 

私の両親が気を使ってくれ、1月2日には一緒に初詣に行こうと誘ってくれました。 

仕事もあるのに無理に休みを取ってくれたんだと思います。 

それでも、年末から1月2日まで、前年までの慌ただしさとは打って変わって予定は何もありませんでした。 

私はそんな年末年始に、どうしようもなく寂しい気持ちを抱えていました。

その寂しい気持ちは誰にも打ち明けることは出来ず、家で過ごすことにしました。 

両親と初詣に行く1月2日まで、ただただ早く時間が過ぎてほしいと考えていたのです。 


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やっと年が明けて


結局、どこか特別な場所に出かけることもなく、特別な料理を作るでもなく、娘といつもと変わらない時間を過ごしたその年の年末。

年が明け、お正月になり 

「今日を乗り切れば、明日には実家に行く用事がある」

とほっとしていました。  

この年ほど、年が明け、お正月がきたことに深く感謝したことはなかったと思います。 


娘はお正月のテレビを見て、「ママ、わたしもお祭りいきたい!」と言いだしました。 

テレビには初詣にきている大勢の参拝客とズラッと並んだ出店。 

娘はお祭りの日だと思ったようでした。 

お正月の我が家の朝食は、トーストにスープでした。 

テレビと食卓を見比べて、思わず「行こうか!」と言った私。 

そして、屋台がたくさん出ているであろう大きな神社に初詣に行くことにしました。
 

神社に着くと、娘はたくさんの出店に興奮して、とにかく買って買っての繰り返し。 

「お参りが終わったらね」と言い、参拝に向かいました。 

長い列に並び、やっとまわってきた私と娘の番。 

手を合わせている最中に、娘に小声で「お参り終わったら綿あめ買うよね?」と聞かれました。 

その拍子にお願いごとが吹き飛んでしまい、何の祈願もせずに参拝は終わりました。 

「何のためにあんなに並んだのか……」とぐったりしていたら、娘が一目散に走って神社を出ていってしまったのです。 

考える暇もなく追いかけ、捕まえて手をつなぎました。 

娘がぐんぐんと進む先には、綿あめの出店がありました。 

手を引っ張られながら、当時の私には決して安くはない綿あめを買うと決心したのでした。 


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私の気持ちに気づいていた娘


綿あめを買ったあと、近場のベンチで休憩しました。 

娘は大好きなキャラクターの綿あめに夢中。 

しかし、綿あめを食べきらないうちに

「ママお腹すいたよ。何か食べて帰ろう!」

と娘は言いだしました。 

確かに出店から漂ってくるいい香り。 

そういえば朝ご飯はトーストとスープ、時間はもうお昼時でした。 

「今から帰宅してご飯を作ろうかな……」と少し考えましたが 

いや、もうここまで来たら開き直ろうと、久々に外食することにしたのです。 

「どこに行きたい?何が食べたい?好きなことしよう!」

と言うと、娘は

「いいの!?」

と、予想以上に驚いていました。  


歩きながらお店を探し、娘が決めたカフェに入りました。 

おしゃれなランチが運ばれてきて、娘はすごい勢いで食べ始めました。 

「たくさん歩いてお腹空いた?」と娘に聞くと、意外な答えが返ってきました。 

「ずっと家にいたけど、いつもなんか疲れてたの。今日はたくさん歩いたし、お腹が空いちゃった!」と言うのです。 

年末、私が落ち込んでいるのを娘も感じ取っていたのかもしれません。 

そして、今日やっと緊張が解けたんだと思いました。 

娘にも気を使わせていたのかと思うと、申し訳ない気持ちでいっぱいになりました。 

カフェを出て歩きながら、ふと

「そういえば去年は何をしていたっけ?」

と考えてみました。 


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寂しくしていたのは、自分自身


思い出したのは、考える暇もなくいろんな所に出向いていた年末年始のこと。 

お酒を飲む元旦那さんのために運転をして、娘を抱えながら挨拶周りをしていました。

不思議なもので、結婚していたときは何度も

「ゆっくり家族だけで年末年始を過ごしたい」

と思っていました。 

それが叶った途端、急に寂しさを感じていたのです。 

年末年始というちょっと特別な時期にやることがない、会いに行く人がいない、来客もない、という状況が

「もう誰かに必要とされることはない」

かのように感じて、ただただ寂しいと嘆いていたんだと思いました。 

普通に「明日休みになったら何をしたい?」と聞かれれば、家事や自分のことなどたくさんやりたいことが思い浮かび、寂しいなんて感じないのに。 


お正月にたくさんの人に新年の挨拶をする機会はなくなりました。 

娘は親戚の人に会う機会が減りました。 

その代わり、自分たちに必要のないおせちを用意する必要もなくなり 

時間もお金も、私や娘が使いたいように使えるようになりました。 

そう考えたら気楽になって、初売りに足が向き、楽しく買い物をすることができました。 

両親への手土産や、娘が綺麗だと言ったケーキ、ちょっと高級な食材や娘の冬服を買いました。 

初詣に、初売り。 

気づけば、お正月らしいことがたくさんできました。 


それからは、年末年始だからと気負うことはなくなりました。 

2人の好きなものだけを詰めたおせちを作ったり、大規模な工作をしてみたり、天体観測に出掛けたりしています。 

親戚や家族と過ごすにぎやかな年末年始もいいものですが、私は娘と2人で思いのままに過ごす今の生活も大好きです。 

娘が家を出るまで、幾度となく訪れるであろう2人きりの年末年始。

お家の中でやることリストを作り、たくさん楽しんでいきたいと思います。 


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※ この記事は2023年12月29日に再公開された記事です。

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