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公開 2015年07月26日  

親子で歌舞伎見物デビュー体験談!子連れで歌舞伎見物をする時にまず知っておきたいこと

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もうすぐ夏休みですね。夏休みのイベント情報など集めている方もいらっしゃると思います。小学生以上のお子様がいらっしゃる方は、歌舞伎見物はいかがでしょうか。私が息子とはじめて歌舞伎見物デビューをした時の体験談をお伝えします。子連れで歌舞伎見物に行く時に知っておきたい情報として参考にしていただけたらうれしいです。


小学生になった息子と歌舞伎見物デビュー

歌舞伎というと、大人でも敷居を高く感じますよね。私もこれまでテレビで歌舞伎役者を見ることがあっても、お芝居をちゃんと観たことはありませんでした。そんな私でしたが、息子が小学1年生になったのを機に、歌舞伎見物してみようと思い立ちました。息子と一緒に歌舞伎見物デビューです。



当時、かかっていたお芝居は怪談物ばかりでしたが、その中で選んだ演目は『怪談乳房榎』。歌舞伎に詳しい知人に相談したところ、これがいいのではということでした。十八代目中村勘三郎が平成中村座を立ち上げ、ニューヨーク公演で上演し話題を集めた演目です。外国の方にも楽しんでもらえるようにととても派手な演出がある演目で、私もその話題を耳にした事がありましたから楽しみでもあり、子どもも楽しめるのではないかと思いました。

歌舞伎座の様子

場所は歌舞伎座。東銀座駅を出ると「木挽町広場」というお土産売り場でお祭り気分を味わえます。その後、歌舞伎座の重厚な入り口を、緊張しながらくぐりました。周りは大人ばかりで子どもは目立つのか、たくさんいる案内係の方はみなさん親切で、とても安心しました。



会場はとても広いのですが、座席は狭い!前の席との間もありません。子連れで何があるか予想もつきませんから、通路側しかも扉のそばの席を予約しておきました。そうしてこれは正解でした。案内係の人にお願いすると、子ども用の座布団を貸していただけます。

歌舞伎が始まってからの息子の様子は?

息子の反応はといえば、始まって早々、あまりに興奮して、おしゃべりを抑えるのが大変!これまで時代劇は見たことがありませんでしたが、TVのヒーロー物を見るのと同じ感覚になったようです。最初に言った言葉がお侍さんが差した刀を見つけての「本物だ!二刀流だ!」。そして、直感でこの人いい人悪い人を見つけ出していきます。勧善懲悪は不変ですね。そして、立ち回り、お化け、役者の早変わり、などなど、飽きることなく4時間30分!見通すことができたのでした。



女の子であれば、豪華絢爛の舞台そのものが楽しめるかもしれません。踊りや仕草も美しく、お姫様が出てくる作品もあります。夢の世界です。4、5年生くらいの女の子を見かけたこともありました。科白の面白さに笑ったりしていましたので、もうすっかり大人と同じ楽しみ方をしているようです。

歌舞伎見物に必要なもの、気をつけたこと

持ち物は、オペラグラスが必須です。オペラグラスは人数分あったほうがいいかなと思いましたが、ずっとオペラグラスで見続けるのも疲れるので、要所だけオペラグラスを使って、それ以外は舞台全体を見ていました。



イヤホンガイドは借りませんでした。親子共々、筋書きを知らない状態でしたが、内容を追うより、雰囲気・全体を感じ見ようと思ったのです。その後、何回か歌舞伎見物した折、一度だけイヤホンガイドを借りたことがありますが、イヤホンガイドの機械をいじるほうが気になってしまってお芝居に集中しませんでした。



チケットには、「おしゃべりなどうるさい場合は退出いただくこともあります」とありましたし、係の方にも1度注意されましたので、息子のおしゃべりには大変気を遣いました。私自身も、精一杯子どもへ諭し続けました。でも、ここで叱っては、周りの方の芝居見物気分を台無しにします。せっかくの息子の気持ちも押さえ込みたくないという思いもありました。そのため、「お耳のところではなして」「小さい声にして」最後は「息で話して」という感じで具体的にどう話したらいいかを短く伝えました。



息子の脳と口は直結していて、大変でしたが、周りの席の方々も、息子が飽きて騒いでいるのではなく、たまらず乗り出して思いが溢れているだとわかって、あたたかく見守ってくださいました。「すみません」とお詫びしながらもありがたかったです。



内容や、言葉がわからなくて、飽きるのではと思ったのですが、子どもは、日々意味がわからない言葉が飛び交っている中でなんとなく理解し過ごしているわけですから、たとえ急に古い言い回しになろうと抵抗がないのかもしれません。それは大きな発見でした。

「かべす」のお楽しみ

「かべす」とは菓子・弁当・鮨(すし)のことです。お芝居の付き物として昔からそういわれていたそうです。それだけに、劇場にはおいしいものもたくさんあります。休憩時間にお土産売り場を覗いてみるのも楽しいです。劇場周辺にもお店がいっぱいありますし、自分で用意して持ち込むこともできます。

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歌舞伎座の劇場内で販売の「最中アイス」

はじめての歌舞伎・・・演目選び

歌舞伎作品自体あまりわからない上、子どもも楽しめる演目かどうかまでとなると、演目選びも悩ましいところです。



チラシに「宙乗り」「本水」「早替り」と書いてあるものを目安にしてもいいでしょう。「宙乗り」は宙吊りということ。「本水」は本物の水を使った演出があるということ。「早替り」とは、役者が何役もやるということ。十八役早替りなんていう演目もありました。つまり派手な演出が予定されているということがわかるキーワードです。



「仮名手本忠臣蔵」「勧進帳」など有名どころも気になりますが、個人的には歌舞伎を何度か味わってからのほうがいいと思います。「仮名手本忠臣蔵」などは、舞台の空気を壊さない為に客席の途中入退場を制限する程、空気を大事にするシーンもあります。そういう意味でも、歌舞伎に対するお子様の様子がわかってからのほうがいいと思います。

スケジュールについて

歌舞伎の演目は4時間前後のものが多いです。2~3部構成になっており、1部50分~1時間くらいで、休憩は10分、または30分程度はさみます。作品によってかなり違いますので、スケジュールは、廊下の壁に掲示されていますので確認してみてください。



休憩の間に、トイレや、食事をすませます。食事は客席で食べることができます。時間を有効に使いたい場合は膝の上に置いて食べられるくらいのお弁当を事前に用意しておくと良いでしょう。ただし、上演中は食事はご遠慮ください。飴をあけるカサカサという音さえも響きわたりますので。

狭い空間だからこそマナーが生きる場

座席が狭いので周りの方に気を配る必要があります。最近の映画館の感覚で行くと、とても狭く感じられると思います。席の前を通るときには、一言お声をかけて通るようにしましょう。席の前後も狭いです。前のお席の方にバッグや服が当たらないように荷物を抱えたり上着を脱いだりしておくとよいでしょう。通路側のお席を予約するのがオススメです。インターネットで席を確認してチケットを購入できます。



大きな足音は立てないように。観劇中は静かになど。面倒のように思えるかもしれませんが、最近忘れがちな大事なことでもあるように思います。「人と触れ合うからこそ心くばりを見せる」という大人としての立ち振る舞いを子どもに示し教える場でもあるのではないでしょうか。

劇場もいろいろあります

劇場にもそれぞれ特徴があります。



【歌舞伎座】

 その建物、雰囲気に圧倒され、劇場内も広く、歌舞伎を観に来たという気分をたっぷり味わえます。



【新橋演舞場】

 歌舞伎座より舞台と客席が近いです。スーパー歌舞伎と言われる作品、宙吊りなどダイナミックな作品が上演されています。



【国立劇場】

 歌舞伎入門などあり。学生価格の設定があります。



いずれも託児室が設けられていますが、託児サービス日が限定されていることもありますので、必ずご確認ください。

歌舞伎見物を楽しめますように

未就学児では入れなかった劇場にいよいよ足を運べます。夏休みの特別企画として親子向けの企画をたてている劇場もあります。成長したお子さんの反応を楽しんだり、今まで観たことがなかったパパママも、一緒に新しい世界に触れてみる機会になるといいなと思います。



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