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公開 2022年06月09日  

ピアノ素人の私にできることは?娘のコンクールに向け、必死になった数ヶ月

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遊び盛りの子どもの習い事や勉強。無理にさせるのはよくないけれど、どこまで頑張らせるかは悩みます。昨年、自分の意思でピアノコンクールに参加することになった娘。楽しく練習できるよう工夫しながら親子で奮闘した体験をご紹介します。


えっ、練習嫌いなのにコンクールに出るの?


年中さんの頃からピアノを習っている娘。

小学校1年生の昨年、先生からコンクールに出場しませんか、とのお誘いをいただきました。

真っ先に思い浮かんだのが練習のことでした。

娘自ら「ピアノを習いたい!」と言って習いはじめたにもかかわらず、練習が大キライ。

いつも

「練習は?」
「ちょっと待って~」

「そろそろ練習したら?」
「は~、やりたくな~い」

そんな会話のあと、しぶしぶピアノの前に座るのです。

けれど、好奇心だけは旺盛な娘。

躊躇する私をよそに、「コンクール出る!」と宣言したのです。

先生も「結果にこだわらず経験として参加してみるだけでも」とおっしゃってくださったので、不安ではあったものの娘の気持ちを尊重することにしました。


とは言っても、コンクールとなると、みんなたくさん練習してくることでしょう。

ほかの子どもたちの演奏を聴いて「自分だけレベルが違う!」と悟ったら、自信を失ってしまうかも。

親として娘の練習をできる限りサポートしよう!と決意したのです。

楽しく練習に取り組めるよう、試行錯誤した日々をご紹介します。


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メロディに合わせて踊ってみた!


娘は、ピアノの練習中に私にアドバイスされるのが大キライ。

「先生は、こんな風に弾いてって言っていたよ」

と伝えただけでも

「ママ弾けないくせに!」

と怒って泣いて、数十分を無駄にしてしまいます。

練習をはかどらせるには、とにかく娘の機嫌を損ねないようにしなければ!

そこで、娘の練習中にメロディに合わせて隣で踊ってみることにしました。

娘はケラケラ笑いながらご機嫌でピアノを弾くことができました。

しかし……当然ながら演奏中に笑ったり、私のほうをチラチラ見たりしてしまいました。

私も家事やら体力やらの都合もあり、いつまでも踊っているわけにもいかず、ほかの方法を考えることにしました。


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すごろくゲームを取り入れてみた!


ピアノに関してまったく素人の私。

両手でスラスラ弾いている人は全員、ピアノが上手な人に見えてしまいます。

娘の演奏を聴いていても、あるレベルまで弾けるようになると何がいけないのか、どこが上達しているのかが、よくわからなくなるのです。

それは娘も同じようで、練習を拒む理由を聞いてみると

「どこがダメなのかも、上手になってるのかもわからない」

と、瞳を潤ませて言いました。

上達している実感がないのに練習し続けるなんて、娘だけじゃなく私も無理かも。

そう思いました。


そこで、自分の頑張りがわかるよう、練習をすごろく形式にすることを思いつきました。

決められた練習回数ごとにマス目を1つ進めることができ、何個かマス目を進むと特典がもらえるすごろくを手作りしたのです。

特典は私とのハグだったり、お風呂屋さんだったり、公園だったり。

最終地点にゴールすると、娘お気に入りのレジャー施設に行けるようにしました。

物で釣るようでためらいもありましたが、そんなに高価なものではないし、これをきっかけに楽しく練習に向かってほしい一心でした。


すごろく形式をはじめてみると、娘は

「もうすぐお風呂屋さんだ!」

と張り切って、練習もはかどっていました。

自分がどれだけ練習したかや、あとどれくらい練習したらゴールできるのかが目で見てわかり、少し前向きに取り組めるようになったように見えました。

でも……数日経って慣れてくると練習しない日も増え、今度は

「もう、どれだけ頑張ってもゴールできない!」

と、むしろやる気を失わせてしまい、また他の方法を考えることにしました。


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駄菓子が当たるくじ引きを投入!


娘はお祭りに行くと「明らかに損でしょ」というくじ引きにチャレンジし、小さな玩具を手にいれて喜んでいます。

そんなこともあり、すごろくの次はくじ引きを作ってみることに!

数十円程度の駄菓子を10個ほど箱に入れ、その箱に開けた穴にタコ糸で作ったくじを入れました。

糸の先には「チョコ」や「いかのお菓子」と書いた紙を貼っておきました。

目標の回数練習ができたら1回くじを引いていいよ、ということに。

はじめは、くじを引くのが楽しみで練習に励んでいました。

ところが次第に飽きてきて、練習回数をクリアしてもくじを引かなくなってしまいました。


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シールをはがせば可愛い動物が!夫自作のイラスト


あるとき私の奮闘を見て、夫も練習サポートグッズを作ってくれることになりました。

手書きのイラストの上にシールが貼られていて、練習が目標回数に達したらシールをはがして隠れているアイテムを見ることができます。

娘の学習教室のアプリで似たようなものがあり、宿題を終えるたびに嬉しそうに入力している娘を見て思いついたようでした。

イラストのテーマは森の生きもの。

空や木にシールが貼られていて、その下にはりんごや鳥が隠れています。

娘は「何がいるかな~」とワクワクしながらめくっていました。


その後も娘が飽きるたびに手を変え品を変え、数ヶ月。

いよいよコンクールの日がやってきました。


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いざ、コンクールへ!結果は…?


初めてのコンクール。

緊張の中、娘は出だしで大きなミスをしてしまいました。

その後はパチパチとまばたきを繰り返し、客席からでも泣きそうになっているのがわかりました。

しかし、娘は泣きませんでした。

動揺していましたが徐々に落ち着きを取り戻し、2曲を最後まで弾き切ったのです。


結果は銀賞。

恐らく、何かハプニングがあったりしない限り参加者全員がもらえる賞です。

落ち込んでいるかなと娘を見ましたが、ニコニコ笑顔♪

ミスをしてもあきらめず最後まで弾けたことが逆に自信になったようで

「銀賞もらえてすっっっごく、嬉しかった!」

と、何度も繰り返していました。


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コンクールへの参加は娘を成長させてくれたはず!


娘と私、最後は夫も加わって3人で取り組んだ数ヶ月。

「遊び盛りの子どもをこんなに頑張らせる必要があるのか」
「今からでも断ろうかな」

と悩むこともありました。

でも間違えてもあきらめなかった頼もしい娘の姿や、演奏後の満足気な様子を見て、本人の意思を尊重して参加させた意義はあったと感じています。


※ この記事は2024年12月06日に再公開された記事です。

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