すっかり夜が平気になって久しいけれど、あの頃の果てのない悲しい気持ちは今も覚えている。
どこにも救いがないような、奈落の底にいるようななんとも絶望的な気持ちだった。
耳の穴に涙が流れてくる感触も、びしょびしょに濡れたこめかみもはっきりと思い出せる。
子どもが生まれてからというもの、あれだけは経験させたくないとずっと思っていた。
もう勘弁、と思いながらもいまだに添い寝をしているのはそのせいだし、子たちが寝付くまで寝室にいるようにしているのもそのためだ。
なんだかわからないうちに朝になって、不安な夜なんて知らずに大きくなってほしい。
そう思っていたはずだったのに、油断した。
その日は、妙に3人とも寝つきが悪くてなんだかいつまでも誰かがごそごそ動いていた。
声はせずとも気配がある。
辛抱強く身を固くして彼らが寝るのを待って、待って、いよいよ寝たと思ったんだけどなんとなくやっぱり気配がする。
いやでもさすがにもう寝ただろうと、念のため3人の寝顔を確認した後、1階へ降りることにした。
1階へ降りて、最近はまっている語学学習アプリを楽しくこなしていたらなんだか物音がする。
飼い猫が2階の廊下で誰かが落としていったおもちゃでも転がしているんだろうとしばらく放っておいたのだけど、なんだかいつもと様子が違う。
時計を見ると22時10分頃。
まさかと思って階段をのふもとから上を見上げると、長女が気まずそうに立っていた。
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公開 2022年09月28日
幼少期のわたしにとって「眠れない」は一大事。怖いものはいくらでもあって、涙が溢れたあの日(2ページ目)
2,629 Viewさっさと大人になっちゃって一緒に楽しい夜を過ごしたいね、と思う日でした。
※ この記事は2024年05月26日に再公開された記事です。
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#77
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