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公開 2023年05月12日  

あの日、私は「ヤングケアラー」になりそうだった。育児と介護に必要なこと

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誰にとっても、他人事ではないと思うのです。


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まいどおおきに!ニュースで育児や介護関連の事件が起きると胸が痛む系オカン、さとえみです。

育児もそうですけど、介護って人手が必要です。

「もう1人の目」が必要だと言い換えてもいいかもしれません。

というのも、オカンは幼い頃こんな経験をしたことがあり……。

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それは、私が9才〜10才くらいの頃のことです。

私はよく母方の祖父と一緒にいました。

幼少期にも一緒に暮らしていた時期があり、よく公園などに連れて行ってもらいお世話になった記憶が、今でも色濃く残っています。


その後祖父が認知症を発症し、いよいよ介護が必要になってきた段階でまた一緒に暮らすことに。

「今度は自分がお世話する番!」「私ならできる!」と、私は子どもながらにそう思っていました。

そして両親も「エミはじいちゃん子だから」と言って、特に疑問も持たずに私と祖父を2人きりにさせていました。


祖父は認知症とはいえ、体はまだまだ元気で、外に出るとどこかに行こうとしていました。

そんな祖父を見ていてくれる子どもがいるなら、2人で家で留守番をしてくれた方が、両親としても楽だったに違いありません。


最初は15分くらいのちょっとした時間だけだったものが、2時間になり、頻度も週1回から2回3回へと、回数も時間もどんどん増えていきました。

そして、私と祖父での留守番が当たり前になってきた頃に、事件は起こってしまったのです。


その日、外に出たくてイライラしていただろう祖父は、些細なことがきっかけで何発も私の頭部を殴りました。

そして私がボーゼンとしている隙をついて、家から脱走したのです。


それまでの祖父の姿とあまりにかけ離れていたので、私は何が起きたのか信じられませんでした。

「祖父は別人になってしまった……」と、そう感じました。

その後出て行った祖父を追いかけましたが、家の周辺には見当たらず……。

しばらくして帰宅した母に事情を話し、家族総出で探し回りましたが、祖父は見つかりませんでした。

探している間、私は泣きながら「自分のせいだ」と思っていました。


警察にも届けを出し、結局3日後に保護してもらいました。

昔住んでいた家に行っていたらしいですが、その足取りは全く分からず、お風呂はもちろん食事もほとんどとっていなかったようです。

服もボロボロで体も汚れていましたが、本人もその3日間に何をしていたかの記憶がないらしく、聞いても黙ってうつむいているだけでした。


それから数十年経ち、私自身も親になって考えると、「いろいろギリギリやったな……」と思ってしまいます。

あの3日間で祖父に万が一のことが起きていたら、私にとって一生のトラウマになっていたでしょう。

一方で、あの3日間の出来事がなければ、まだ小学生だった私と祖父の「留守番」が日常化して、ヤングケアラーになっていた可能性もあります。

介護する側もされる側も感覚が鈍化して、あの日の祖父のような暴力を見過ごしてしまっていれば、私自身にどんな悲劇が待っていたかも分かりません。


この出来事は私が子どもの頃の話ではありますが、今の時代にも起こりうることだと思います。

「最悪のこと」を考える場面は育児にもありますが、介護でも十分あり得ます。


せめて「目」だけでもいいので、育児や介護をする時には、できるだけ複数の人間に同時に関わってほしい。

誰か1人に背負わせることはしないでほしい 。

特に「その1人」がまだ子どもである場合は、なおのこと……そんな風に思うオカンです。


ほなまたね!

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