プリスクールとは、英語でコミュニケーションを取る環境で未就学児の保育や教育を行う認可外の施設です。
受け入れ年齢や保育の内容は、施設によってさまざまです。
1歳頃〜小学校入学前までの子どもが対象の施設が多いですが、なかには0歳から受け入れてくれるプリスクールもあります。
なお、一般的に欧米でいう「Preschool」とは、小学校に上がる前の2~5歳児が通う保育園や幼稚園のこと。
国や地域によって定義が若干異なるため、日本のプリスクールは日本特有の施設であると考えてよいでしょう。
プリスクールと保育園や幼稚園などの施設には、どのような違いがあるのでしょうか。
ここでは、プリスクールとその他の教育施設の違いを比較しながら解説します。
プリスクールと保育園・幼稚園のもっとも大きな違いは、英語をメインに使用することです。
保育園や幼稚園でも、イベントや授業などで英語を使うシーンはありますが、英語を楽しむことを目的としています。
一方、プリスクールでは日常会話として英語を使います。
高い英語力を持った先生が多く勤務しているのも特徴です。
保育時間に関しては、プリスクールと幼稚園の時間帯が同じ場合が多い傾向に。
なかには18時頃まで預かってくれるところもあります。
また、保育園や幼稚園は認可を受けている施設が大半です。
プリスクールは認可外の保育施設として扱われることが多いですが、自治体による定期的な監査は受けています。
【プリスクール】
使用言語:主に英語
対象年齢:1歳~小学校入学前※1
保育時間:7:30~15:00
給食の有無:給食
学費:150万程度※1
【保育園】
使用言語:主に日本語
対象年齢:0歳~小学校入学前
保育時間:7:30~18:00
給食の有無:給食
学費:なし※2
【幼稚園】
使用言語:主に日本語
対象年齢:3歳~小学校入学前
保育時間:9:00~14:00
給食の有無:給食またはお弁当
学費:なし※2
※1:スクールによって異なる
※2:基本的になし。給食費などは別途必要
プリスクールとインターナショナルスクールは似ている点もありますが、大きな違いは受け入れ対象の子どもです。
【プリスクール】
主な受け入れの対象:日本人の子ども
【インターナショナルスクール】
主な受け入れの対象:英語が母国語の子ども
プリスクールは、基本的に日本人の子どもが英語を習得することを目的に運営しています。
対してインターナショナルスクールは、日本での生活や特有の文化に慣れていない子どもの、精神的な負担を軽くすることが目的の施設です。
英語圏で生まれ日本に来た子どもたちが通い、授業も英語で行われます。
子どもを他の教育施設ではなくプリスクールに通わせるにあたって、メリットやデメリットは気になるところ。
ここでは、それぞれ詳しく解説していきます。
・英語力が身に付く
・異文化に触れることができる
・外国に興味を持ちやすくなる
幼少期は大人と比べて吸収力が高く、新しい語学を学ぶのに適した時期といわれています。
英語に触れる時間を長くとることで、英語への苦手意識を感じにくくなる傾向も。
ネイティブな英語の発音を聞き取ったり、話したりする力が身に付くきっかけになるでしょう。
プリスクールによっては、多様な国籍の先生が在籍していることもあります。
異文化に触れる機会が多く、子どもの視野が広がるでしょう。
また、活動カリキュラムも海外の文化を主体として組まれることが多いため、外国に興味を持ちやすい環境といえます。
・学費が高額
・日本語の習得が難しい場合がある
・日本の文化やマナーの習得がおろそかになる
一般的にプリスクールの学費は、年間100万以上と高額です。
条件が合えば一部の費用負担を軽減できるケースもありますが、保育園や幼稚園と比べるとまとまった金額が必要でしょう。
また、英語をメインに生活するプリスクールでは、日本語の習得に難しさを感じる可能性もあります。
加えて、海外の文化をベースに活動していくため、日本の文化やマナーなどに触れる機会が少ない傾向に。
パパママがサポートをしっかりしてあげることが必要です。
プリスクールを選ぶときには、上記にあるポイント6つをおさえましょう。
それぞれ詳しく解説していきます。
子どもは、平日1日の大半をプリスクールで過ごします。
自分の子どもの保育環境として適しているかどうか、雰囲気があっているかなどをよく見ておきましょう。
安心して子どもを預けるためには、その施設の安全や防犯対策がしっかりできているかどうかも大事です。
また、プリスクールが自宅から通いやすい場所にあるか、遠い場合は送迎サービスの有無もあわせて確認しておくと安心でしょう。
プリスクールの教育方針や保育内容は、施設によってさまざまです。
プリスクールの基本である「英語を話せるようになる」という目的に対して、どのようなカリキュラムの内容になっているかを確認しましょう。
また、英語だけでなく、他の子どもの発達においても考えられているか、という点もチェックしておくのがおすすめです。
近年、共働きの家庭が増えています。そのプリスクールが、時代に合わせた多様な保育に適応しているかどうかも大切な見極めポイント。
延長保育の有無だけでなく、延長時間や料金についてもチェックしておきましょう。
また、急用や家族の病気など思わぬトラブルが出ることもあります。
そうした場合の一時的な保育に対応してもらえるかなども、事前に分かっておくとより安心です。
先生やスタッフの対応の仕方、子どもとの触れ合い方などをチェックし、スクール全体の雰囲気がよいかどうかを見極めましょう。
よい教育や保育を受けるためにも専門の資格、スキル、経験を持った先生がいるかどうかは大切です。
体験入学を実施しているプリスクールであれば積極的に参加して、子どもと先生の相性も確かめてみましょう。
日本の小学校に通い始めると、せっかく身に付けた英語を忘れてしまうケースもあります。
プリスクールを卒園した後のアフターフォローが充実していると、英語に触れ合う環境が維持できるでしょう。
サービス内容については、保護者の負担に関係する送迎バスや給食の有無なども重要な見極めポイントです。
また、プリスクールによっては、クリスマスパーティーや発表会など行事が盛んな施設もあります。
年間行事に親の参加や見学があるかどうか、という点も確認することがおすすめです。
一般的にプリスクールは、保育園や幼稚園に通うよりも費用が高額です。
施設ごとの料金をじっくり比較して、選ぶことをおすすめします。
また、年間授業料以外にも必要な費用があるか、兄弟割引などの各種割引はあるかなども事前に調べておくと安心です。
プリスクールに通い始めてから後悔しないために、入園前の見学はとても大切です。
プリスクールの公式ホームページとのギャップや、実際に入園してみたら教育方針が合わなかったと感じることもあるので、積極的に見学に行ってみましょう。
また、事前に疑問点を洗い出しておけば、質問忘れもなくなり、パパママの不安感も和らげられます。
見学や体験に行く前には、教育方針をしっかりと話し合い、家族間で共有しておくことも大事です。
他では聞けないプリスクールに関するQ&Aを3つご紹介します。
子どもの入園でお悩みのパパママは、ぜひ参考にしてください。
A. 学費や子どもに合う環境かどうかなど、さまざまな点から見極めましょう。
プリスクールは、幼稚園や保育園に比べると学費が高く、経済的な負担は大きいです。
子どもにとっての向き不向きや、スクールの雰囲気、先生との相性もあります。
また、英語の習得だけでなく、保育の観点からのフォローがあるかどうかも大切です。
さまざまな点を考慮して、じっくり検討しましょう。
A. 意味のあるものにするためには、卒園後の英語への向き合い方が大切です。
プリスクールを卒園すると常に英語に触れる環境ではなくなるため、英語力を保持するのが難しい場合もあります。
よって、英語のない環境でも英語力を育める学習方法を取り入れることがおすすめです。
プリスクールで培った英語力をベースに、「聞く」「話す」「読む」「書く」の技能をバランスよく学んでいくのがよいでしょう。
A. 一定の基準を満たしたプリスクールの場合、一部給付金を受けられます。
給付金を受けられる対象のプリスクールは、都道府県に届出し、国が定める基準を満たした施設の場合のみです。
保護者がお住まいの自治体で「保育の必要性の認定」を受け、さらに就労など一定の要件を満たせば、下記の金額まで無償化されます。
【0〜2歳クラス】
月額37,000円まで
【3〜5歳クラス】
月額42,000円まで※
※対象は住民税非課税世帯(2023年5月時点)
詳しくは、通いたいプリスクールや自治体に問い合わせてみましょう。
プリスクールは、英語力の向上、異文化とふれあう機会が多い、外国に興味を持ちやすいなどたくさんのメリットがあります。
幼少期から通うことで、英語への苦手意識が減り、英語力を身に付けるきっかけにもなるでしょう。
プリスクールは、施設によってカリキュラムやサービス内容、学費などが異なります。
子どもの向き不向きもあるため、さまざまな点を考慮して、各ご家庭に合ったプリスクールを探しましょう。
ご紹介した内容を参考に、お子さんに合うプリスクールを見つけてください。