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公開 2015年08月13日  

おばあちゃん世代の言葉から思うこと~子育ての大切なことは今も昔も変わらない~

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「古臭いから」「私の時とは違うから」。おばあちゃん世代と話している時によく耳にするこんな言葉。でも、おばあちゃんからのアドバイスは本当に古臭いのでしょうか。私は、世代が変わっても子育ての中で変わらないものもあると思っています。


おばあちゃん世代の言葉から思うこと

「昔の育児と今の育児は違うから…」

「昔の育児は時代遅れだから…」

「古臭いやり方は今の人には合わないから」

「病院で私の時とは違う方法を教わっていたから」



赤ちゃんのおばあちゃん世代とお話していて、こんな言葉を耳にすることがよくあります。

そもそも「昔の育児」って何年前のこと?

育児は本来伝承し続けるものもの。しかし、戦後の高度成長期から核家族化が進み、生活から伝承することが少なくなってきました。



育児をするうえで大きく変わったこととして、たとえば出産。昭和36年までは自宅出産が主流でした。自宅に助産師(当時は産婆)を呼んで出産し、産後も添い寝が当たり前だった時代から、たったの50年程しかたっていません。



出産は畳ではなく分娩台で産み、産後は管理され、赤ちゃんは添い寝ではなく新生児室に隔離するようになったのは、たかだたここ数十年間だけの事です。そして昨今は、次第に行きすぎた管理出産が見直され「好きな姿勢で出産し、産後も母子同室の方がいいよね」と、再びナチュラルな出産や育児方法に戻ってきました。



また、大きく変わったこととして、たとえば母乳育児。60年以上前には、一般人は粉ミルクを手に入れることすらできませんでした。もちろん母乳育児は当たり前で、出産直後からミルクを追加するなんてことはできなかった。病院出産が増えてからミルクを飲ませるママが増え、母乳率が減りました。しかし母乳育児も、ここ20年くらいで再び見直され、母乳育児率がじわじわ上昇しつついます。



この、病院での管理された出産で粉ミルク率が全盛期だった頃に育児をした方たちがちょうどおばあちゃん世代と一致するため、「昔は産後は赤ちゃんと別室だった」「昔は泣いたらすぐにミルクを足していた」と考える人が多いようです。



でも、母乳育児が中心だったのは太古の大昔から当たり前の事であり、出産や育児の基本的なことは大昔からずっと変わらない。「高度成長期のあとに一時的に変わっただけ」のことがたくさんあるのです。

育児に大切なことは、今も昔も変わらない

「私のやってきたやり方は古臭いから今の育児には合わない」というおばあちゃんによく出会います。でも「世界一大切なわが子に、最もよい方法だと考えてくださった育児」を「古臭い」なんて否定できるわけがありません。今のママ世代は、その育児法で大切に育てていただいたのだから。



何より、育児は病院で教わった方法が「最新で正しい」とは限りません。ネットや本に書いてある内容は偏っていることもあります。育児は本来伝承され続けるもの。その家やその地域の育児法もあるのです。ネットや育児本に書いてある内容よりも「育児をしてきた体験」から得ることだってあるのではないでしょうか。



新米ママ世代は、自分たちを育んでくれた世代の体験を受け入れた育児をしてみたら楽ちんなこともあります。そして祖父母世代の方々にも「昔と今は違う」ではなく、「私はこんな体験をした」という体験をどんどん伝承してもらえたらと思います。



「わが子を大切に大切に、愛を込めて、その時にできる限りの最善をつくして育てたい」という思いは、世界中の親は皆同じ。この思いが同じであれば、昔も今も育児の本質は何も変わらないんじゃないかな…と、私は思っています。

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