近年、あらゆる店舗で急速に普及が進んでいるセルフレジ。
商品のスキャンから会計、袋詰めまでの全てを客が行う「フルセルフレジ」や、スキャンは店員に任せて会計と袋詰めのみを客が行う「セミセルフレジ」など、利用した経験がある方も多いのではないでしょうか。
人手不足の解消につながり、導入数を増やすことで消費者の「レジ待ち」も改善できる便利なものですが、その一方で支払い時のトラブルや運用方法への不満など、さまざまな懸念の声も聞こえてくるようになりました。
弁護士ドットコム株式会社は、弁護士ドットコム®の一般会員を対象に、セルフレジトラブルに関する実態調査を実施。トラブルの内容や、具体的なエピソード、また体験したからこそ言える意見などが明らかになりました。
セルフレジトラブルは他人事ではないので、巻き込まれないためにもぜひチェックしてくださいね。
<調査概要>
【調査機関】自社調査(弁護士ドットコム®一般会員を対象)
【調査方法】弁護士ドットコム®一般会員を対象にアンケートを実施
【調査対象】弁護士ドットコム®の一般会員906名
【調査期間】2024年2月7日〜2月13日
まずはじめに、直近1年間でのセルフレジの利用有無をたずねたところ、19.5%が「フルセルフレジだけ利用した」、4.2%が「セミセルフレジだけ利用した」、72.7%が「どちらも利用した」と回答し、なんと90%を超える人がセルフレジを利用したことがある、という結果になりました。
普及の一方でトラブルも。
セルフレジ利用経験者に、これまでにセルフレジでトラブルにあったことがあるかをたずねたところ、31.9%が「ある」、68.1%が「ない」と回答。全体の3割超の方が何かしらのトラブルにあっていることがわかりました。
トラブル経験者に、その内容をたずねたところ、「値引きシールの値段が反映されていなかった」「クレジットカード払いや電子決済しかできないのに現金しか持っていなかった」など、会計時のトラブルが上位を占める結果に。
また、「商品や有料のレジ袋などを課金せずに持ち去った(気づかずに持ち去ったものを含む)」という窃盗にもつながりかねない、危険なトラブルもありました。
その他、「操作ミスや大量の硬貨の大量投入などでレジが故障した」「万引きを疑われた」「レジの操作に時間がかかり他の客と喧嘩になった」などがあげられました。
ここでは自由回答に集まったセルフレジでの体験談をご紹介します。
・会計して商品をカバンに入れていたら万引きを疑われ、レシートを見せてくださいと言われた(30代・女性)
・商品の読み取りが悪く、何回も繰り返して2重カウントされているものがあり、最初からやり直させられた(50代・男性)
・夫婦二人で作業をしていたところ、あとから袋に入れたいものを夫が横によけていることに気が付かず、会計済みと思って袋に入れて持ち帰り、レシートを見てから支払っていないことに気がついた(40代・女性)
・システムに慣れていなかったので操作に夢中になり、商品を持ち帰るのを忘れてしまいました(50代・男性)
・セルフレジにてバーコード決済を使用したが、決済エラーが出ていたことに気付かず帰宅してしまった(40代・女性)
やはり支払いにまつわるエピソードが多い模様。セルフレジでのトラブルで、会計時のトラブルが上位にあがっているのも納得です。
・決済方法などが事前にわかりにくい。セミセルフで前の人々が決済に手間取って決済レジが空いておらず、効率化にあまり役立っていないのではと思うことがある(40代・女性)
・お店によってバーコード決済等の読み込み方が違うのでお年寄りはわかりづらいと思う(50代・女性)
・大量に買った場合は有人レジへ、少量の場合のみセルフレジを利用しています。セルフレジは混んでいる時間帯に行くと焦るので、バーコードがすぐに見付けられなく困る時があります(60代・女性)
・アルコールを購入した為年齢確認のための店員の確認が必要となり、時間的には結局有人レジと変わらない結果となった。なかなか難しいかもしれないが、方法はないものか(40代・男性)
・セルフレジより、普通のレジの方が正直早い時がある。なかなかバーコードを読み取れなかったり、小さな子供がやりたがって親がイライラしていたりするのを見ると、人がいるレジに行きたくなる(40代・女性)
ここでの回答で目立ったのは「時短や効率化にあまり役立っていないのでは」という意見。
結局店員さんを呼ばなければいけない場面があったり、慣れない機械に苦戦してしまい時間が掛かる、といった理由から、このような意見が出ていると思われます。
お店によって導入されている機械が違う、というのも戸惑う原因の1つかもしれませんね。
今回の調査では、セルフレジにまつわる体験談やトラブルなどがわかりました。
しかし、セルフレジの導入でレジ業務の効率化を進めることによって、接客などのコア業務に注力することができる、金銭のやり取りで生じるヒューマンエラーを減らせる、といったメリットもあります。
今後もさらに普及が進んでいくと思われるセルフレジ。今回紹介したトラブルに巻き込まれないためにも、できる限りの対策を考えておくと良いでしょう。
例えば…
・盗難と間違われないためにも、セルフレジ利用時はレシートを必ず受け取る
・後ろに人がいることで焦ってしまう場合や、スキャンが不慣れな場合、また買い物の量が多い場合などは、有人レジに並ぶ
・重複読み取りにならないためにも、スキャンごとに画面を確認する
・支払い後は「決済エラー」が出ていないことを必ず確認する
・「レジ袋はどこも有料の時代である」ということを頭に入れておく
すべてのトラブルを回避することは難しいですが、ほんの少し注意するだけでもトラブル防止になるはずです。
操作や運用方法など、まだまだ改善できる部分はありそうですが、私たち利用者側も考えをアップデートしつつ、よりスムーズな運用にしていけるといいですね!
参考:弁護士ドットコム株式会社
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000385.000044347.html