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年々、暑くなる日本の夏。2024年の夏も昨年に匹敵する猛暑になると予想されており、6月の時点で既に熱中症で搬送される人も出てきています。そんな中、エアコンブランド「Eolia(エオリア)」を展開する総合家電メーカーPanasonic(パナソニック)株式会社は2024年6月12日(水)、「〜酷暑に負けない エアコン活用術〜エオリア 熱中症対策セミナー」を開催しました。実は室内でかかる人が多いという熱中症をどう予防していくべきか。セミナーで説明された熱中症の実態や対策方法をコノビー編集部がレポートします!
日本の平均気温は100年前に比べて2度も上昇
セミナーに登壇した気象予報士・防災士の増田雅昭さん(パナソニック提供)
セミナーではまず、TBSテレビ・ラジオの気象キャスターを務める気象予報士・防災士の増田雅昭さんが登壇。日本の平均気温が上昇している現状や熱中症の患者数の増加傾向などについて説明しました。
増田さんは、日本の年間平均気温が100年前に比べて2度ほど上昇している現状を紹介。年間の平均気温で東京よりも2度低い地域を新潟県、高い地域を宮崎県とそれぞれ示した上で
「このまま気温が上がり続けると、100年後の東京は今の宮崎くらいの気候になる。宮崎は東京の1.2倍くらい真夏日があるので、2割増しで増えることになります」
などと解説しました。増田さんによると、熱帯夜も増加傾向にあるとか。さらに、2023年の夏は「年間の猛暑日日数」「年間の真夏日日数」「東京の猛暑日/真夏日日数」などの記録が次々と塗り替えられたことにも触れました。
その中で、増田さんが注目してほしいと挙げたのが「寒冷地とされる北日本での気温上昇」。
2023年、札幌市では36.3度とこれまでにない最高気温を記録したほか、150年以上前に日本で初めて気温の観測をスタートした地点でもある函館市(北海道)でも初の35度を超える最高気温を記録したことなどを紹介しました。
2023年、熱中症での救急搬送者数は過去2番目に多い結果に
pixta_89560344(画像はイメージです)
増田さんは熱中症の救急搬送者数についても詳細を紹介。2023年は、梅雨明け直後に猛暑がやってきた2010年に続き、過去2番目に多い9万1000人以上が熱中症で救急搬送されたことを示しました。
さらに、これまでは涼しい地域とされてきた北海道と東北で前年比約2倍、8月に限ってみると北海道と秋田県で前年比約10倍もの救急搬送者数を記録していることにも注目。
「北海道、北日本には冷房がないお宅もある。その分、熱中症のリスクも増えてしまう」
とその背景を紹介しました。続けて
「昨年、熱中症で運ばれた方がたくさんいたが、一番運ばれている方が多いのが住居で、全体の4割が家の中。エアコンを使っていなくて、熱中症になっている事例がかなり多くなっている。室内での熱中症対策として、エアコンというのは現代では必須。現代の夏を乗り切るためにエアコンは『生命維持装置』といっても過言ではない」
と訴えました。
乳幼児は体温調節機能が発達していないため熱中症リスクも高め
pixta_93078470(画像はイメージです)
また、増田さんは熱中症の要因を3つ紹介。室温や湿度の高さ、風通しの悪さなどに代表される「環境」と、長時間水分補給しない「行動」に加えて、「からだ」として乳幼児や高齢者、体調不良者の熱中症リスクについても言及。
「小さいお子さんは体温調整機能が発達していないため、家の中でも熱中症になりやすい。それから高齢者も暑さを感じにくく室内で熱中症になりやすい。室内で熱中症になって搬送される方の半数は高齢者」
とした上で、それ以外の世代についても
「体調不良、睡眠不足のときも体を整える機能がうまく働かなくなるため熱中症のリスクが上がる。寝苦しい中で睡眠不足になりやすいため、夏の寝不足時の熱中症は気を付ける必要がある」
と注意を呼びかけました。
屋内での熱中症を防ぐ6つの対策とは?
増田さんは屋内での熱中症を防ぐ対策として以下の6つを意識することを提案。
・体を暑さに慣れさせる
・こまめに水分と塩分をとる
・しっかり睡眠をとる
・熟睡のために、エアコンは必須
・暑さに気付くために、目で見えるよう、温度計と湿度計を近くに置く
・我慢せずにエアコンを使う
さらに、今年の夏は海外の気象機関の予測結果でも、猛暑になると言われていることも紹介した上で、来年以降もまだまだ暑さは続くと予想。
「高温にブレーキをかけるためには、節電、ごみの分別、リサイクル、公共交通機関の利用、省エネ家電の活用といった環境に配慮した行動でCO2排出を減らすことが大切になる」
「夏の暑い中で、熱中症を防ぐためにはエアコンを使うのがマストだが、省エネに配慮したエアコンを使用しつつ、暑い夏を乗り切っていく必要があるのかなと思っている」
などと訴えました。
「省エネも、清潔も」がコンセプト!パナソニックのエアコン「Eolia(エオリア)」
パナソニックのエアーマイスター、福田風子さん(パナソニック提供)
続いて、パナソニックのエアーマイスター、福田風子さんが登壇。電気代が上昇する現状や、消費者がエアコンに求める「省エネ技術」、さらにパナソニックのエアコンシリーズ、エオリアの特徴などを紹介しました。
省エネ性能の高いエアコン選びで重視すべきことは?
福田さんは消費者のエアコンへの不満などから、エアコン選びで重視するポイントについて、「省エネトレンド」が続くと予想。エアコンを24時間連続運転したり、睡眠中に稼働させたりするユーザーが増えるなど、環境変化に応じて、エアコンの使い方も変化していることを紹介しました。加えて
「長く安心して使ってもらえるための性能へのこだわりを『省エネも、清潔も』というコンセプトに込めさせていただいた」
などと説明しました。
また、省エネ性能の高いエアコン選びのポイントとして、設置環境にあったエアコンを選ぶことの重要性を解説。エアコンの「6~9畳」などの畳数だけに注目するのではなく、冷暖房能力、家の構造や天井の高さ、階数などもしっかりと考慮した上で、最適なモデルを購入することを提案。
「お客様は小さな能力のエアコンを選びがちですが、大きな部屋に小さな能力のエアコンをつけてしまうと、設定温度に達した後も設定温度を維持するためにエアコンは頑張って動き続けなくてはならない。結果、電気代が高くなってしまい、消費電力もアップしてしまう」
と注意を呼び掛けました。
エオリアの省エネ運転を支える「エネチャージ」と「新AIおまかせ」機能
「フィルター自動掃除」「ナノイーX内部クリーン」「カビみはり」、3つの機能を搭載したモデルと非搭載モデルを比較(パナソニック提供)
また、パナソニックのエアコン、エオリアの省エネを実現する機能を、「快適・省エネ」「清潔」「便利」の3つの観点で紹介しました。
「快適・省エネ」については、15%もの省エネに寄与している「エネチャージ」機能や、エアコン内部に搭載されているセンサーやAIをピックアップ。
特に、これまでのアンケートや操作履歴などで蓄積したデータを活用した「新AI快適おまかせ」機能については
「難しいことを考えず、ワンボタンを押していただくだけで自動的に最適な運転モードにしてくれる。さらに冷房モードだけでなく、今回から設定温度まで自動で選定してくれるということになった」
などとアピールしました。
冷房効率のキープにはエアコン内部を清潔に保つことが重要
熱交換器のホコリレスコーティング「あり」と「なし」ではこんなに違いが……(パナソニック提供)
「清潔」については「フィルター自動掃除」と「ナノイーX内部クリーン」の2つの機能を紹介。
フィルターにホコリがたまると冷暖房効率が落ちたり、電気代が無駄にかかってしまったりすることから、フィルターの自動掃除機能を「非常に力を入れている」機能として、その仕組みや性能の高さを解説しました。
ナノイーX内部クリーンについては、熱交換器にホコリレスコーティングを施すとともに、結露水での洗浄やナノイーX、乾燥によって内部のカビ菌を抑制していることを紹介した上で
「何もしないで放置したエアコンに比べて、99%以上カビ菌を抑制できる、カビ菌の『除菌』というレベルまで実施している」(福田さん)
などと話しました。
アプリが使用者の行動変容の後押しに
また、エオリアの「便利」な機能として、ユーザーからの評価も高いエオリアアプリを紹介。暑さ対策に役立つ室温の通知機能に触れ
「ご自宅はもちろん、例えばご実家なんかも登録いただくとアプリに通知が来る。31℃以上など高温になった場合、スマホの高温アラートの通知が来るので、実家へお声がけできたり、スマホでお知らせが来ることでエアコン使用の気づきにつながったりするのでは」
などと話しました。さらに、切り忘れの通知もあるため「節電意識の向上」を促していけるのでは、とのこと。福田さんは続けて
「お客さまの行動変容の後押しになればということで、アプリの機能も充実させてきている。今後はログデータを蓄積することで、個々の使い方に合わせて修理やクリーニングサービスのお知らせ通知を提供したい。エアコンは長く使っていただくものなので安心や品質まで提供していきたい」
と話しました。
日本気象協会が、熱中症の患者数の減少と死亡者ゼロを目指して推進しているプロジェクト「熱中症ゼロへ」のオフィシャルパートナーにもなっているというエオリア。福田さんは最後に
「これから非常に暑い夏がやってきますので、ぜひエアコンを上手に活用して、皆さまで暑さを乗り切っていきたい」
と訴えました。
2024年は猛暑&電気代上昇のダブルパンチ!省エネエアコンの上手な活用がおすすめ
「エオリア」LXシリーズ(パナソニック提供)
6月でも既に30度超えの最高気温を記録する地域が多くあるなど、昨年に匹敵する猛暑が予想されている2024年の夏。
特に、体温調節の機能が未発達の小さい子どもがいる家庭の場合、「子どもが熱中症にならないか心配」と感じているパパやママが多いと思います。
一方で、エアコンを常時使うとなると、気になるのが電気代。先日、政府が8月から3か月間の期間限定で、電気・ガス料金の補助を再開する方針を打ち出しましたが、天井が見えない光熱費の上昇傾向に頭を抱えている方は多いでしょう。
そんな猛暑と電気代上昇のダブルパンチともいえる2024年の夏ですが、賢く乗り切るためには、今回のセミナーであったように、省エネ性能の高いエアコンを上手に活用することが必須と言えそう。ぜひ、今回の記事をきっかけに、今年の夏のエアコンの使い方について考えてみてくださいね。
(コノビー編集部)