コノビー編集部の選りすぐり!何度でも読みたい、名作体験談。
今回ご紹介するのは2人のお子さんのママ、ふくふくさんの新幹線にまつわるお話……
待ちに待った家族旅行!しかし新幹線にのる直前に聞こえてきたのは、「次の新幹線は運休になりました」という緊急アナウンスでした。一体何が!?
初回公開はこちらです。
https://mama.smt.docomo.ne.jp/conobie/article/27955
新型ウイルス流行以前、新幹線で1時間の距離に住む、私の兄の家に行くことになりました。
久しぶりの家族旅行。
いとこへのプレゼントやお手紙、新幹線で食べるためのお菓子を子ども達と準備して、随分前から体調にも気を付ける日々。
数日前から毎日カウントダウンをするほど、楽しみにしていました。
そして当日は朝も暗いうちに起きて、いざ出発!!
在来線に乗り、新幹線の最寄り駅に到着しました。
でも、なにやら改札付近が騒々しい。
聞こえてきたのは、「次の新幹線は運休になりました!!」という緊急アナウンスでした。
なんと、まさに今から乗る予定の新幹線が停電の影響で運休になってしまったのです。
改札にはみるみる人が溢れ、慌てて電話をする人、呆然とする人、駅員さんに質問する人でいっぱいになりました。
私は、まず何をしたらいいのか分からず、しばし呆然。
いつもと違う雰囲気を察した子ども達は、「何があったの?どうしたの?」と質問攻めでした。
その時、隣にいた夫が
「わ~!!久しぶりに乗る新幹線がお休み!こんなこと、なかなかないよ!逆にラッキーだね!何食べにいく~?」
といつも通りの明るい声で言いました。
子ども達は、「え?旅行は?」とびっくりしつつ、「何が食べられるの〜?」と笑顔に。
そもそも人が多い所が苦手な夫。
騒然とした雰囲気の改札は絶対苦手なはずです。
私は夫の言葉に驚きつつ、笑顔で話す夫と子ども達の様子を見て「まぁ、なんとかなるか!」と気持ちが落ち着いてきました。
子ども達も「パパとママが楽しそうだから多分大丈夫」と感じてくれた様子でした。
その後も復旧の見通しが全く立たない様子だったため、新幹線が動いている駅まで在来線で行くことに。
予定より時間がかかってしまいましたが、新幹線で食べるはずのお菓子を在来線で食べることにして、子ども達もニコニコ笑顔に。
新幹線の駅もとても混雑していましたが、待ち時間は皆でしりとりをしたり、お腹がすいたらご当地のお菓子を買ったり。
結果的にとても楽しい道中になりました。
最初の夫の一言がきっかけで、気持ちが明るくなった私と子ども達。
なぜあんな素敵な一言を言ってくれたのか、夫に質問してみました。
すると夫は「え?あの一言がそんな良かった!?」と、言われて初めて気づいた様子。
「無意識だったけど、プラスの考え方のほうが楽しいからかなぁ。」という返答でした。
私は、「あの時の一言で、私の気持ちも楽になって、みんな楽しく過ごせたよ。ありがとう。」と感謝の気持ちを伝えました。
実は以前、私たち夫婦の雰囲気が悪くて、子ども達の機嫌も悪くなり、家族全体が暗くなってしまったことがあったんです。
それは、夫の転勤が決まった時。
親戚もおらず馴染みのない土地への引越し、幼稚園の転園、不安ばかりが募る私。
仕事だからしょうがないよ…という夫。
私たちの雰囲気が暗くなった時、子ども達にもその雰囲気が伝播してしまったのです。
しかし、いざ引っ越しが終わると、私も前向きになり、子ども達も機嫌よく元気いっぱいに過ごす日々に戻っていきました。
その時、「親である私たちの雰囲気が子ども達にも伝わり、家庭の空気を決めてしまう」と実感したことを、今回の一件で思い出しました。
親が子ども達に与える影響は良くも悪くも、とても大きいものです。
親の対応や選ぶ言葉次第で、子ども達も左右されます。
思わぬトラブルもありましたが、私達がどっしり構えて笑顔で過ごすことで、子ども達も安心して穏やかに過ごせるということを実感する旅行になりました。