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公開 2015年09月01日  

3種類の「きく」を使い分けてみよう。子どもの気持ちを理解したい親が学ぶべきコミュニケーションのコツ

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子どもの才能を伸ばしたい、個性をのばしたい!と思う親御さんも多いのでは?そんな親御さんに向けて、「子どもの可能性が伸びていくために、親が意識すべきコツ」を5つのポイントに分けてご紹介。今回は2つ目のポイントをお伝えします。


子どもの可能性が伸びていくために、親が意識すべき5つのコツとは?

「子どもの可能性が伸びていくために、親が意識すべきコツ」を5つを、数回のコラムに分けてご紹介。前回の記事では、一つ目のコツ、「日頃から笑顔で接すること」についてお伝えしました。

さて、今回の記事では、2つ目のコツについてお伝えします。

慌ただしく、忙しい日々・・・ちゃんと我が子の声を「聴く」ことができていますか?

人と人とのコミュニケーションにおいて、自分が知りたい相手の情報の多くは、「相手の話をよく聴くこと」と「知りたいことを質問すること」によって得ることができます。



その他にも、「見ること(観察する)」と「読むこと(解読する)」によっても情報を得ることができ、これらを合わせるとこちら側が望んでいる情報がほぼ手に入ると言っても過言ではありません。



そしてこれは、我が子とのコミュニケーションにおいてもまったく同じ。しっかりと「聴く」ことができないと、入るはずの情報も、得ることができないのです。

「きく」といっても、3種類ある!子育てにおいて重要なのは・・・?

何らかの情報をインプットする時、「きく」という行為には、3つの種類があります。



一つ目は「聞く」。英語では<hear>です。

この「聞く」は、自然に耳に入る音を感じることを意味します。例えば、親子で話をしているときにテレビから流れる司会者の声などがそれです。



二つ目は「聴く」。英語では<listen>

この「聴く」は、真剣に相手の話を聞き取ろうとすることの意味で、一般には「傾聴」と呼ばれています。例えると、相談者の話を真剣に聞き取ろうとしている時のカウンセラーの聴き方です。



この「聴く」には、音を知覚するだけではなく、その知覚した音の意味を解釈し、理解するという深い意味があります。



つまり「耳には入っていますよ」というものが<聞く>で、「耳を傾けて理解しようとしていますよ」というものが<聴く>にあたります。



最後の三つ目は「訊く」。英語では<question>。つまり、「質問する」という意味です。



コミュニケーションにおける会話のきっかけは、ほとんどの場合、質問から始まります。そのきっかけから友達になったり、お付き合いしたりする場合もあるわけですから、コミュニケーションにおいて質問することの重要性は言うまでもありません。



子育てにおいて重要となるのは、「聴く」(傾聴)と「訊く」(質問)です。特に、「聴く」という行為はとても大切になります。

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どういう姿勢で子どもの話を聴けばいいか?

子どもの話をよく聴く、というのは、黙って静かに聴くことではありません。



聴くことによって、子どもの話の全体の内容や意味をきちんと理解することが目的となりますから、そのためには、ときには質問したり、親からも話をしたりするなどの“やりとり”が必要です。



このやりとりのことをコミュニケーションと呼ぶのですが、家事が忙しかったり、いつも一緒に居るからコミュニケーションはとれているだろうと安心しきっていると、子どもの話にゆっくりと耳を傾ける機会を見逃してしまいがちです。



子どもがするすべての行動には意味があります。そして、私たち大人が思っている以上に、子どもはいろいろなことを考えています。



子どもを信じ、子どもの話や意見に耳を傾ける親の姿勢こそ、子育てにおいて求められているのです。

「よく聴く」ことが、その後の子どもの人格形成に大きな影響を与える

自分の話を聴いてもらった子どもは「自分は親から受け入れられている」と感じるようになり、安心感を抱くようになります。そして幼少期に得たこの安心感は、その後の性格形成に大きな影響を与えると言われています。



もちろん、いつもすべてうまくいくとは限りません。親子間で、意見や考えの相違が起こる時もあります。

このような時は、意見や考えの相違があるということを受け止めて、子どもが感じていること、思っていること、やってみたいことを受け入れる態度が親に求められます。



子どもの話をじっくり聴いてあげることで、



今、子どもはどんなことを考えているのか?

どんな意見を持っているのか?

何を感じているのか?

どのようなことで悩んでいるのか?

親に何を求めているのか?



などを、親が知ることができます。



まずは、子どもの話の内容よりも、「どんな気持ちなのか?」というところにフォーカスして、子どもの話をじっくり聴いてあげましょう。

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我が子の言葉を、よくきいている、と思っても、その「きく」が「聞く」なのか、「聴く」なのか、「訊く」なのかで、コミュニケーションの質は大きく変わります。



時々この3つの「きく」を思い出しながら、日頃のコミュニケーションについて考えるきっかけにしていただければと思います。

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