私は会社員を経てエディター・ライターになりました。色々な雑誌や広告、パッケージなどに記事やコピーを書いて15年になります。元々美術部で絵を描くのが好きだったため、記事のついでにとイラストを頼まれることも増え、雑誌やWEBにイラストの提供も行っています。
主人は、10代から音楽一筋25年の作詞・作曲・編曲家。大学は音楽とは全く関係のない経済学部出身ですが、作曲・編曲・打ち込み・楽器もすべて独学の人です。
私は「雑誌を作るひと」、主人は「音楽プロデューサー」。お互いに小学生の頃になりたかった職業につきましたが、それは好きで得意だから自然となれたんだと、子どもが出来るまで思っていました。
娘は1年間で200作品以上を創作!現役クリエイター夫婦の「独創性」と「表現力」を伸ばす子育て
2,864 View記者でイラストレーターの私と作詞・作曲・編曲家の夫。小学生の頃になりたかった職業についた私たち夫婦の幼少期を振り返りつつ、子どもの独創性と表現力を伸ばす子育てについてご紹介します。
小学生の頃になりたかった職業につけたのは、好きで得意だったから?
親の嗜好と家庭環境が子どもに与える影響は大きい
いつの間にかそれを好きになって、たまたま得意だったからその仕事に就いたと思っていましたが、子どもが生まれて振り返ってみるとそれは半分あたりで半分はハズレでした。
小学生の時の文集に「雑誌を作る人になりたい」と書いた私の場合、どんなにせがんでもトンボ型のかっこいい自転車や、最新のCDラジカセ(年代がバレますね)は買ってもらえませんでしたが、幼少期から本だけは惜しみなく買ってもらえました。
低学年の頃から母親が働き始めたので、お留守番の時の友達は「本」だったのです。そんな環境だったからか、しだいに本が好きになり、本の中の世界にのめりこむようになりました。本には絵がつきもので、絵もどんどん好きになりました。家には父親の蔵書がたっぷりありましたし、小学校の教頭をしていた祖父母宅には子どもが好きそうな文集や図鑑が数限りなくあり、それらはわたしにとって垂涎もののお宝の山でした。
一方、主人の父方の祖父は大のクラシック好き。主人の母も音楽が好きで、主人にピアノを習わせ、洋の東西を問わず、また年代も問わず様々なジャンルの曲が、最新式のスピーカーから流れているような家庭だったそうです。
楽しむ側から作る側になった私と主人の幼少期
人間とは不思議なもので、与えられるうちに親しみが湧いて好きになるものです。それも、強要されるのではなく自分の周りに自然にあるものにより心惹かれるようです。
そして、私も主人もそれぞれ本や音楽に親しむうちに「自分で作ってみたい」と思うようになります。私はチラシの裏にさし絵と文字を書いてホチキスで留め、ご丁寧に手作りの付録までつけた「雑誌」づくりを、主人はカセットデッキを使った「多重録音」を、それぞれ幼稚園・小学校低学年で始めていたのです。
娘が好きなことにのめりこむことを邪魔しない
今、娘は飽きることなく毎日毎日、絵工作をしています。
自分がそうだったので気持ちが分かるのですが、娘は楽しくて仕方がないようで、とにかく白い紙があれば絵を描き、工作に使えそうな素材があれば自分のストック袋に大事にしまっています。幼稚園で作ったものを除いても、娘の「作品」は、この一年でゆうに200を超えていました。絵本も大好きで、すぐ読んでしまうので2歳からこの4年間は毎週2軒の図書館に通い、月に40冊を超えるペースで絵本を読んでいます。
外遊び、お勉強、習い事のおさらい・・娘も色々と忙しい現代っ子ですが、絵本を読む時間と絵工作に向かう時間は絶対に邪魔しないと決めています。私自身の経験から、のめりこむ時間が表現の欲求を高め、技術も伸ばすことを知っているからです。
5歳までは自由に楽しむことと独創性を重視し、とにかく好きに絵を描かせ、工作をさせてきましたが、6歳以降は技術を模倣することで表現力が伸びると考え、テクニックを教えるようにしました。
最初、我の強い娘は教えられることに抵抗を感じていたようですが、「自分の独創性は多少テクニックを真似たところで消えるようなものではない」ことを理解すると、描き方や工作の技術を熱心に学ぶようになりました。今は、同じ題材で私とスケッチ競争をすることが楽しみなようです。
夢中になれる環境のつくり方
娘が毎日絵工作をするようになり、リビングには、常に絵工作の素材や道具を置くことにしました。いつでも手に取れる場所にあることで、創ることを厭わなくなります。創れば創るほど上達し、もっと表現の欲求が高まります。スケッチも声をかけて一緒にする時間を設け、家族の団らんのひとつになっています。外出先でもスケッチをし、楽しかったことがあれば、絵に描かいてみるよう促しました。主人とはよくピアノ遊びをしていました。
ちなみに環境の力は絶大で、ボールと縄跳びの置き場所もあえてリビングにしたことで、最初は1回も出来なかったドリブルや前回しも、毎日縄跳びとボールに触れるうちにあっという間に100回超出来るようになりました。
テクニックを教えるときには、どういった絵を描きたいか、曲を弾きたいか、娘の表現したいイメージをよく聞いて、それには絶対に口を出さず、どうすればそのイメージに近づけるのかという技術的なヒントのみをを伝えることを意識しました。
例えば娘が「この絵を飛び出すような迫力のあるものにしたい」と言えば、どんな構成・遠近感でどのような色が効果的か、陰影の付け方はどうかなど、いくつか例を示しながら、娘自身がやり方を選びとる形にしました。そのようなヒントで、子どもは十分テクニックを習得していくようでした。
複数の表現方法を経験することで表現が磨かれる
「かぼちゃの絵を描いたら、立体でかぼちゃの馬車を作ってみる」「サイを模写した後、粘土でサイを作ってみる」「料理の時、魚を観察させた後にいっしょに捌き、絵に描いた後、折り紙で魚を折る」など、ある程度、表現力がついてきたかなと思ったところで、今度は同じモチーフを別の方法で表現することをやってみました。
可能ならば実物を持ってきて、手触りや重さ、影が出来る場所などを実感させ、紙の上、粘土など様々なやり方で表現させます。粘土で創れば、サイの脚の太さやツノの位置をよく観察するようになり、それを紙に描けば、よりリアルに表現できるようになりました。違う表現を試せば、どちらの表現も磨かれていくのが良く分かります。
創作活動を通じて娘に育まれた自信
日々、絵工作やピアノ遊びに興じていた娘ですが、最近は自分でストーリーやコマ割りを決めて、漫画のようなものを描いたり、紙芝居を作っています。(ちなみに漫画は読んだことがないのに、どうしてコマ割りを知っているのか不思議です・・)ストーリーを語ろうとすると、語彙不足を感じるようで、自分から国語辞典を欲しがりました。
ピアノは、定番曲を練習するのに飽きたらしく(楽譜は使っていません)、弾いては音階をメモし、作曲を始めました。
創作活動は相変わらず活発ですが、まだまだ拙いですし、興味がいつまで続くかはわかりません。当然、娘の将来に直結するかも分かりません。しかし、一番良かったことは、娘に「わたしはこれが大好きで得意だ!」という絶対的な自信がついたことです。これは、趣味になるとしても、仕事につながるとしても、のちのちの娘を救うものとなると確信しています。
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