乳児用ミルクのパッケージには、調乳方法が記載されていますよね。その通りに作っていただいて、何ら問題はありません。ただ、どうしてこの温度なのでしょうか。
ミルクの調乳温度は70度以上です。その理由を考えていきましょう。
あなたのミルクの作り方、安全ですか?調乳温度は70度以上!その理由とは?
120,920 View知っているようで知らない、赤ちゃんのミルクの作り方。何となく作っていませんか?特に大切な調乳温度についておさらいしてみましょう。
望ましいミルクの調乳温度は何度?
ミルクは”無菌”ではない
ミルクの製造過程で、無菌にすることはできないと言われています。また、ミルク缶開封後には空気中の細菌にも曝されます。中でも心配なのは『サカザキ菌』。空気中にもいますので、避けることはできません。避けることが不可能であれば、人にとって、赤ちゃんにとって、無害な状態にしてあげるしかないのです。
80度以上のお湯で調乳するのがベスト!
サカザキ菌が不活化し、人にとって無害な状態になる温度が70度なのです。つまり、ポイントは、サカザキ菌に触れる温度を70度以上にすること。
お湯を容器から容器へ移すと、その温度は約10度下がると言われています。一度沸騰したお湯を70度にまで下げたものを哺乳瓶に移すと、70度がキープできません。そのため、できれば80度以上のお湯で調乳するということが望ましいです。
温度が高すぎても心配
それでは逆に沸騰したお湯であれば良いのか、と言われるとそうではありません。確かに、菌に対しては高い温度の方が良いのです。しかし、温度が上がりすぎると、ミルクの栄養素を破壊してしまう可能性が出てきます。
ミルクに含まれる栄養素、たんぱく質や栄養素を破壊せずに調乳するベストな温度は…80~90度と言えます。
湯冷ましを上手に使おう
高い温度で調乳することで、ミルクを冷ますのに時間がかかると思います。そこで多くの方が利用されているのが湯冷まし。一度沸騰したお湯を冷ましたものです。粉ミルクを完全に溶かすために必要な温度が80~90度ですので、少ない湯量で完全に溶かしてしまえば、あとから追加するお湯の温度が低くても大丈夫なのです。
例えば…100mlのミルクを作るために、50mlの適切なお湯で完全に粉ミルクを溶かして、残り50ml湯冷ましを入れる、これはOKです。
今一度、安全性を確かめてみては?
ミルクの温度ひとつでも、このような理由があって決められているのです。ミルクが溶けて、適温の状態で与えられればそれでよい、というものでもありません。
日本は安全に調乳が行える国です。水も安全で消毒もきちんとできます。だからこそ、危険への認識が薄くなってしまうこともあるかと思います。今一度、お子さんに与えるものが安全なのか手順などを確認してみてくださいね。
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