夫婦喧嘩の原因は、誰もが持っている●●！？離婚届けを突きつけられる前に知っておきたいこと

みなさんの怒りやイライラの原因は何ですか？

夫？
妻？
子ども？
通勤中の出来事？
仕事中の出来事？
上司の考え方？
会社の方針？

考えてみると、その時々によって原因は違いますよね。では、いったいどこに原因があるのでしょうか？実は怒りやイライラの原因は『べき』というものなのです。

『べき』とは、「～するべき」「～するべきでない」といった、その人自身が正しいと思いこんでいる理想や価値観です。「～であるはず」「～でないはず」とも言えます。

私たちは誰でも自分の『べき』を持っていて、その人にとっては「正しい」と思いこんでいるので、それがやっかいになります。自分が正しいと思いこんでいる『べき』が裏切られたとき、私たちは腹が立ったり、イラッとする、つまり『怒り』が沸き起こってくるのです。

では、『べき』がどういうことかを考えてみましょう。

例えば、時間の『べき』について。子どもでも大人でも、多くの人は「時間を守るべき」という共通の『べき』を持っています。しかし、細かく考えてみると、その共通の『べき』も人によっては、微妙なズレがあるのです。

それは、こういうことです。

AさんとBさんが9:00に待ち合わせをしました。
Aさんは「最低でも10分前までには到着しておくべき」と思っているので、8:45に到着しました。

しかし、Bさんは8:50を過ぎても来ません。だんだんとAさんの心の中に「10分前を過ぎているのに、何しているんだろう？」というイライラが沸き起こってきます。3分前になってもBさんは来ません。イライラはMAXです。

やっとBさんが到着。Bさんは「9:00に間に合えばいいはず」と思っているので、8:59に到着しました。

Aさん「遅すぎるでしょ？何分待たせるのよ！」
Bさん「9:00って決めてたから、9:00に間に合うように来たのに怒らなくてもいいでしょ！」

さて、2人のどちらが正しいでしょうか？

実は、どちらも正しいのです。なぜなら2人とも『時間は守るべき』と思って、それを守っているのですから。では、どうしてトラブルになってしまったのでしょうか？それは『べき』というものが、程度の問題によるものだからです。

AさんもBさんも『時間は守るべき』と思っていますが、

『集合時間の10分前に行けばOK』のAさん
『集合時間に間に合えばOK』のBさん

お互いのOKできる部分にズレがあったのです。ですから、同じ『べき』でも、人それぞれによって程度が違うのです。だから、やっかいなのです。

子育て、家庭生活、仕事など、様々な場面で『べき』の程度がそれぞれに違って、怒りやイライラの原因となっています。こういった日常で起こりうる些細なトラブルを未然に防ぐために、ぜひ自分の『べき』を書き出してみましょう。できれば、場面や立場などTPOに応じて、その時々の『べき』を考えるとよいでしょう。

夫婦で『べき』を考えてみることもオススメです。例えば「子育てで大切にすべきこと」をお互いそれぞれ3～5個書き出してみる。そして、お互いに書いたことを見せ合い、似たような内容があれば、それを夫婦で大切にしていくことと共通理解しておくのです。これをやっておけば、夫婦間のトラブルも減りますし、お父さんとお母さんが同じ価値観を持って子どもへ接することができますから、子どもも安心できます。

夫婦生活が長くなりますと、さまざまなことが暗黙の了解のように済まされていきます。お互いに気持ちが通じ合っているつもりでも、実はどちらかが我慢し続けていることがあるかもしれません。怒りを溜め続けるとどんどん大きくなって『恨み』へと変わっていくこともあります。

熟年離婚などは、実はお互いの『べき』を理解するのではなく、一方的に押しつけていたり、片方が我慢していたりといったことが原因になっているのです。妻から離婚届を突きつけられる前に、ぜひ一度自分の『べき』を書き出して、夫婦で確認しておくのはいかがですか？

以前書いた記事も『べき』について、私と妻とのやりとりを書いていますので、ぜひご覧ください。今ではお互いの『べき』を理解できるようになり、とても気持ちを楽にして生活できています。