アメリカに住むシングルマザーのカレンは、8歳になった双子の兄妹、ライアンとアンバーに毎年サンタさんへ手紙を書くように言っています。
カレンは、今年もきっといつも通りおもちゃや本、服などをサンタさんにお願いするんじゃないか。と、ある程度の予想を立てていました。
ところが、8歳の息子ライアンが書いた手紙の内容は、カレンの予想をくつがえす衝撃的なものでした。
"サンタさんへ。 本当はラジコンがほしかったけど、やっぱりいりません…。"
「僕のはいりません」男の子がサンタに宛てた手紙。その理由に感動
10,547 View「本当はラジコンがほしかったけど、やっぱりいりません。そのかわりに妹の…」子どもたちが一年で一番楽しみにしているクリスマス。アメリカに住んでいるライアンもサンタさんへ手紙を書きました。ライアンは果たしてサンタさんに何をお願いしたのでしょうか?
Dear Santa...ライアンがサンタさんへ送った手紙
"Dear Santa … I wanted a remote control car and helicopter, but I don't want that any more."
さて、ライアンはなぜそのようなことを書いたのでしょうか?
そこには理由がありました。
"親愛なるサンタさんへ
ママがクリスマスに欲しい物のリストをサンタさんに送りなさいって言ったんです。
僕は、リモコンで動く車とヘリコプターがほしかったんだけど、もういりません。
学校の子たちが、まだアンバー(妹)のことをいじめています。アンバーは何も悪い事をしていないのに、ひどいんです。
本当に腹が立ちます。
僕はいじめがなくなるようにお祈りをしたんだけど、神様は忙しいみたいなのであなたの助けが必要です。
プレゼントを少し早めにあげるっていうのはルール違反でしょうか?
Big Time Rush(アメリカの有名なアーティスト)にアンバーの誕生日パーティーに来るように頼んでくれませんか?きっと大喜びします。
もしも無理だったら、せめて、彼女の欲しい物を全部あげてください。いつもありがとう、サンタさん。
ライアンより愛をこめて
P.S. うちのママは最高の誕生日パーティーをひらいてくれます。もし来たかったら、あなたも来ていいですよ。"
Dear Santa
My mom said to send you are Christmas list a I wanted remote control car and helicopter, but I don't want that any more.
Kid at school are still picking on Amber and its not fair because she doesn't do anything to them and it makes me mad. I prayed that they will stop but god is busy and needs your help.
Is it against the early?
Can you ask Big Time Rush to come to Amber's B-day party?
It will make her so happy.
If you can't get them to come,but just get her everything she ask for.
Thanks,Santa
Love Ryan
P.S My mom throw the best B-day party.You can come if you want. "
ライアンの双子の妹アンバーは、他の子と比べると太っていて、ADHD(注意欠陥多動障害)とうつ病もあり、以前から学校でいじめられていたのです。
そこでライアンは、プレゼントは何もいらないから、妹を助けてほしい、妹を元気づけてほしいとお願いしたのです。
SNSに広まるライアンの想い
母カレンは手紙を読んだ時、胸がしめつけられる思いでした。
娘アンバーのいじめの実態を把握できていなかったのです。
母カレンは息子ライアンと何度も話をし、妹のアンバーにもいじめについて尋ねたました。
その時、妹はこう答えました。
"時々死んでしまえたらなって思うの。そうしたら、もうみんな私のことをほっといてくれるだろうから。"
Sometimes I just wish I would die so that people would leave me alone,
母カレンはどうすればいいのか分からず、Facebookで家族や親しい友人に向けて、息子のライアンがサンタさんに書いた手紙の事を話しました。
すると、友人の一人を介して、手紙に書かれたライアンの想いは瞬く間に世界中に広まっていきました。
その時、カレンはこのように言っています。
"はじめのうちは、この話がたくさんの人に広まって少し嫌な気持ちだったんです。とってもプライベートなことなので。でも、たくさんの人にシェアされる中で思ったのです。手遅れになる前にこの問題について議論する必要があるんだ。と。"
Initially, I was kind of upset because it reached so many people and I'm a private person but now I think it's a topic that needs to be discussed before it becomes too late.
その後の兄ライアンと、妹のアンバー
その後このライアンの手紙は、CNNやABCニュースなどでも取り上げられ、学校側も事態を深刻に捉え対応しました。
いじめから子どもたちを守っていくことを宣言し、スタッフや教師陣にはトレーニングも行われました。
また最もいじめが多く起っていたスクールバスでのアンバーの席を、従妹の近くに座れるように配慮しました。
この結果、妹アンバーのいじめはなくなり、ライアンと一緒に楽しく学校生活を送れるようになりました。
「死んでしまいたい」と言葉にするほど苦しい中にいたアンバーを救ったのは、間違いなくライアンの想いだったのではないでしょうか?
「自分の欲しい物はどうでもいいから、妹のことを助けてほしい!」と願った兄ライアンの存在は、妹アンバーにとって心の支えだったと思うのです。
いじめは本当に根深い問題です。
日本でも、いじめの件数は年々増えています。
どうすればひとりでも多くの子ども達を救えるか。
このライアンとアンバーの話のように、周りの人も皆が解決しようと強く想い、取り組む必要があると感じました。
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