【医師監修】出産前の陣痛ってどんな痛み?マックスの痛みの体験談や緩和する方法
53,239 View陣痛を一言で表すとしたら超激痛!?どんな痛みなのか想像もつかない陣痛。でも、痛いということだけは確かみたい…。そして赤ちゃんに会うためにかならず通る道でもある…。ここでは、陣痛をイメージできるように、そして、少しでも陣痛の痛みや不安が軽減できるように…前もって知っておきたい陣痛についてまとめました。<監修:直レディースクリニック 竹村 直也院長>
出産のやまは陣痛にあり?
出産=陣痛というくらい、陣痛の痛みに関しては気になるところですよね。
陣痛は出産には欠かせない大切なプロセスの一つ。
妊娠生活を順調に過ごしてきたママの多くが、陣痛が一番の山場だったと感じているようです。
陣痛はお腹の赤ちゃんの、「もうママに会いに行くよー」というサインをママのからだがキャッチし、陣痛を促進するホルモンが分泌して起こります。
出産の準備が始まると、そこから子宮収縮に合わせて赤ちゃんが頭を出口の方へ下げていきます。
子宮口が全開になるといきみのGOサインが出るのですが、それまでママは陣痛の痛みと格闘することになります。
子宮口の開く速さは、これもまた人それぞれなので、格闘時間が長い人、驚くほど短い人…と様々です。
陣痛の間幅が短くなっていき、子宮口が10センチに近づくにつれ、痛みも強くなり、いきみたくなってきますがここが一番の我慢どころです。
助産婦さんから、OKの指示があるまでは、痛みを逃す呼吸法などをおこない、あとすこし、と自分に言い聞かせて頑張りましょう!
陣痛のマックスの痛みとは?
スイカを鼻から出すような痛み…とよくききますよね!
実はわたしも経験しました。
でもそれはそれは陣痛の痛みではなくて、分娩のときに感じた痛みです。
兄弟の中でも一番大きな子の分娩時にまさにそのような感じでしたが、陣痛の痛みは、また少し違うような気がします。
陣痛の痛みとは…これもまた、人それぞれなのですが、腰や尾てい骨のあたりが鈍痛のように痛む人もいれば、下腹部がきりきりのさらに上、ぎりぎりと痛む人もいます。
陣痛は他にも、
「重い生理痛の100倍くらいの痛み」
「腰をハンマーで殴られるような痛み」
「この世のものと思えないほどの痛み」
「気絶しそうな痛み」
などと例えられます。
海外の研究によると、陣痛のマックスの痛みは骨折よりもはるかに痛いそうです。
しかし、「生理痛かな?と思ったら陣痛だった」「おなかを下したような痛みだった」「それほど痛くなかった」という人もおり、痛みの感じ方には個人差があるといえるでしょう。
さらに陣痛は、始まってからずっとマックスの痛みが続くわけではありません。
痛さの度合いや陣痛の時間は、一般的に出産が近づくにつれ増していきます。
また、急に強い陣痛がきて、あっという間に子宮口が開き、お産が進むタイプの人もいます。
どちらにしても陣痛がある、ということは出産に向けて順調に進行しているということなので、赤ちゃんに会えることを励みに乗り切りましょう。
陣痛・出産・体験談①~生理痛の何倍もの痛み!25歳・初産
妊娠中は特に何の問題もなく、比較的元気な妊婦だったこともあり、陣痛に対しては割と気楽に考えていました。
出産予定日よりも一週間遅れで陣痛らしきものが始まりました。
怖いよりもうれしい気持ちの方が大きく次にこの家に帰ってくるときは赤ちゃんと一緒なんだなぁ、とわくわくしての出発でした。
入院したものの、なかなか陣痛の間幅も縮まらず、あまり痛がる様子のない私を見て、看護婦さんから「まだまだ余裕だねー、ということは、お産までもう少しかかりそうだねー」という気になる言葉をかけられ…
「これからどんどん痛くなるの?」と思いながら半日が過ぎたころ…
急に今まで経験したことのない痛みが!!あまりの痛みに声も出ずナースコールをすると、内診をしながら「やっといいのがきだしたね!」と、笑顔で言われ、そこからは、陣痛の波が来るたびに手をグーにして力いっぱい握りしめて、ときには壁をゴンゴン殴っていました。
ちゃんと痛みをのがす呼吸法も練習していたのに、あまりの痛さにのがすどころか力を入れすぎて余計に痛いという最悪の状況でした。
そんな中で、唯一、母が腰のあたりをさすってくれたときだけは痛みが軽減したように思います。
いざ出産のころには、陣痛を耐えることに体力を使いすぎて思うようにいきめず、2時間ほどかけての分娩となりました。
産後、ヘロヘロになっている私に助産婦さんが「初めての出産にしては上出来だよ。赤ちゃんもよくがんばってくれたね」と声をかけてくれたときは泣きそうになりました。
陣痛・出産・体験談②~腰、子宮、膣が同時に痛む?33歳・3人目
夜寝る前にトイレに行くと、おしるしが!いよいよ出産がはじまる!と思いましたが、3人目ということもあり少し余裕ですぐに家を出られる準備だけをして、12時前に布団に入りました。
そのまま寝ていましたが、激しい痛みで目が覚めました。
かなりの痛みだったので、トイレにいってみると出血の量が増えています。
これは!と思い主人を起こし、病院へ連絡、直行!その間予想以上に陣痛はどんどん痛くなり、間幅も縮まってきました。
子宮のあたりのぎゅーっという痛みと、腰のドーンという痛み、それに加えて膣の方に明らかにずんずんくるかたまりが!!!
いきみたい、いや、でもいきんだら生まれちゃうー!!!車の中でのわずかな振動にも、あうーっとなりながらやっと病院に到着。
玄関で待ち構えてくれていた助産婦さんに抱えられながら即内診を受け、「赤ちゃん、もうそこまできてるよー」の言葉に、着替える間もなく分娩台へ。
「もうすぐ先生来るからね。」「もうすこしだけまってね」という言葉を交互にかけてくれながら、私に点滴をする助産婦さん、着替えさせてくれてる助産婦さん、お部屋に癒しの音楽をかけてくれる助産婦さん…。
その中心で私は、赤ちゃんが膣の方へとごんごんくる感じ、腰に鉛を入れられた感じ、そして、もはや、ぎゅーを通り越してぎりぎりごりごりのトリプルパンチの痛みに耐えていました。
先生が登場してくださったときはどんなにうれしかったことか!!
その後、2回いきんだだけで、娘は生まれてきてくれました。
後から時間をみると、目を覚ましてから出産までの所要時間、約1時間でした。
3人目にして超スピード出産だったからか、産後の体力回復はとても早く、会陰の痛みもほとんどありませんでした。
陣痛が痛くない、軽い人の特徴とは?
痛い、痛いと聞く陣痛ですが、陣痛が痛くない人はいるのでしょうか?
陣痛が痛くない人は次のような特徴があるようです。
①微弱陣痛の場合
微弱陣痛は、分娩が開始したにも関わらず、陣痛の強さが弱く、陣痛の間隔が長くなってしまい、分娩が進行しない状態のことを指します。 場合によっては陣痛促進剤を使用することも。
②もともと痛みに強い
痛みの感じ方は人それぞれです。もともと痛みに強い人は、陣痛の痛みも軽く感じる傾向にあるようです。
③力まず、呼吸法をうまく利用する
これはソフロロジー式分娩法という出産方法による考えです。ソフロロジー出産法については次の項目でご説明します。
陣痛を軽くするには?
陣痛を軽くするといわれる出産方法のひとつに「ソフロロジー式分娩法」があります。
それではソフロロジー式分娩法とはどのようなものなのでしょうか。
ソフロロジーは、“精神の安定と調和を得るための学問”という意味。
これを分娩に取り入れたのが、ソフロロジー式分娩法(ソフロロジー出産)です。
1987年にフランスから日本に導入されて以来、30年間以上続いています。
続いて、陣痛を軽くするといわれるソフロロジー出産の方法についてご説明します。
出産の痛みを緩和する方法は
出産の痛みを緩和するといわれる、ソフロロジー法では「イメージトレーニング」「エクササイズ」「呼吸法」の3つが大事とされています。
【イメージトレーニング】
妊娠中から、イメージトレーニング用のCDを何度も繰り返し聴く。同じCDをお産のときにも聴くことで、自然とリラックスした状態になり出産を迎えられる。さらに、赤ちゃんへの愛情をより深めることができると言われています。
【呼吸法】
陣痛の痛みをやわらげるために、ゆっくり、長く、深く、息を吐くことに集中する。お産の進み具合に合わせた呼吸法を行うことで、赤ちゃんがスムーズに出てきやすくなるとされています。
【エクササイズ】
エクササイズを繰り返すことで、体が緊張とリラックスの状態を覚え、お産のときでも余計な力みがなくなる。陣痛と陣痛の間の時間に、リラックスしやすくなる。
これらはソフロロジー出産を扱う参院で実際に行われていることです。
一般の病院でも音楽を流したい、などの要望に応えてくれるところもありますので、事前に確認しておくと良いでしょう。
自分に合った痛み逃しの方法を見つけよう
陣痛の痛み逃しには、次のような方法もあります。
●自分の好きなアロマの香りなどをタオルに含ませてかぐ(※出産時に向かないアロマもあります)
●痛みが来たら意識してゆっくり息を吐き出す(8分目くらいまでの痛みにはかなり効果的です)
●腰のあたりをさすってもらう
痛みに効果的なアイテムは人それぞれなので、入院の準備の一環として調べてみると良いでしょう。
妊娠、出産には子どもの数だけストーリーがあり、陣痛の痛みも同じものは一つとしてありません。
事前に準備して、いざ本番というときに、慌てないようにしたいものですね。
【監修】竹村 直也先生
2000年神戸大学医学部卒業後、神戸大学付属病院産婦人科助教、淀川キリスト教病院産婦人科部長を経て、現在は直レディースクリニック院長を務める。
資格:医学博士 産婦人科専門医 母体保護法指定医
直レディースクリニック(https://nao-ladies.com/)
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