世の中には、かわいくてステキな子ども服がたくさんありますよね!
しかし実は、子ども服にはいろいろな危険が潜んでいます。
特に安全面で見直したいのが「服のヒモ」。
大人と同様に、子ども服にもフードや首まわり、腰まわり、ズボンの裾…と色々な箇所にヒモが使用されています。
大人にとってはファッション性や利便性を感じるヒモですが、これが子どもにとってはとても危険なものになり得るのです。
子ども服に潜む危険。子ども服に制定されている「JIS」の安全規格とは?
29,352 View皆さんは、子ども服の安全性を考えたことはありますか?2015年に子ども服のヒモに関する「JIS」の安全基準が制定されました。どのような内容なのか知るとともに、ご自宅にある子ども服に危険が潜んでいないか、今一度チェックしてみましょう。
77%の親が「服のヒモは危険」と感じたことがある
東京都が1歳から12歳までの子どもがいる世帯を対象に行ったアンケートでは、じつに77%の親が「子ども服が関係する危険を感じる経験をした」と回答しています。
実際、調査を行った平成19年度には、6人に1人は服が原因でケガをしていました。
子ども服に関する事故には、以下のような事例が挙げられます。
・公園の滑り台やブランコの鎖に首まわりのヒモが引っかかった
・服のフードのヒモをお友達が引っ張り、首が締まりそうになった
・上着のヒモが自転車のタイヤに巻き込まれて自転車ごと倒れてしまった
・ズボンの裾のヒモが電車のドアやエスカレーターに挟まれた
これらの事故の主な原因は、首まわりの「ヒモの引っかかり」によるものでした。
そして2015年12月、今まで公的規格はなかった子ども服の安全基準に関して、「JIS規格」で安全基準が制定されました。
「JIS」とは何か?
「JIS」とは「Japanese Industrial Standards」の略で、日本語では「日本工業規格」といわれます。
食品・農林分野を除いた、生活に必要な製品の品質や大きさ、形、安全性などの標準を法律によって定めた日本の統一規格のことです。
これには強制的なものと任意のものがあり、任意で導入できる取り組みが「規格」になります。
任意ですので「こういうものは作ってはいけない」という決まりはなく、あくまでもメーカーの自主性に任せられることになります。
新たに制定された子ども服の安全基準とは?
では、2015年に制定された安全基準とは何なのでしょうか?
JIS規格が新しく制定したのは、子ども服の「ヒモ」の部分でした。
このヒモ部分に対して、子どもの年齢別に細かく規定を設けています。
【頭および首まわりのヒモ】
・0歳~7歳未満
頭および首まわりのヒモは一切禁止。
・7歳~13歳未満
フードのヒモのように、頭や首まわりに垂れ下がっているヒモを付けることは禁止。
・0〜13歳
ホルターネックの場合、ヒモは禁止(リング状で垂れ下がらないヒモのデザインであればOK)。
【背中、裾のヒモ】
・0〜13歳
衣料の後部から出す引きヒモ、装着ヒモ、装飾ヒモの禁止(女の子のワンピースなどにつけられている背中のリボンなど)。ウエストのヒモ自体は付けてもよいが、伸ばした状態で14cmまで。それ以上垂れ下がっているものは禁止。股から下にかかる上着やズボンの裾についているヒモも垂れ下がることは禁止 (カーゴパンツやスポーツ系のパンツによく見られる裾など。また上着でも、上着の裾が股下までくる場合はヒモを付けることは禁止。ウィンドブレーカーなどによく見られます)。
JIS規格の対象外でも危険なものはある!
今回、JIS規格の対象外ではありましたが、服のヒモ同様に危険性が指摘されているものがあります。
それは「フード」です。
2012年に実際起こった事故として、4歳の女の子が玄関から外に出ようとしてパーカーのフードがドアノブに引っ掛かり、窒息状態となって入院する事例がありました。
また、子ども同士で服のフードを引っ張りあってケガをする事故も起きています。
そして大多数の保育園では、このフード付きの子ども服を禁じているところが多いです。
子ども服で何よりも大切なのは「安全性」!
JIS規格は品質や安全性などを定める国の統一基準ですが、これに法的な強制力はありません。
店頭やネットショップで販売されている子ども服の全てがこのJIS規格に対応している、とは限らないのです。
とてもかわいい子ども服。
そして子ども服を選ぶのは、親の楽しみのひとつでもありますよね。
でも、かわいさやデザインよりもまずは「安全性」が大切です!
子どもは時として大人の想定外の動きをして遊ぶこともあるので、子ども服を選ぶ際にはその点を充分頭に入れておかなくてはなりません。
子ども服の購入時には、安全性をよく確かめたうえで購入の検討をする必要があります。
「安全性」という視点から、家にある子ども服をもう1度チェックしてみるのもいいかもしれませんね。
大切なお子さんを、ぜひ子ども服の危険から守ってあげてください。
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